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タローの世界にトリップするための
パブリックアートマップ
2011.10.20
川崎市岡本太郎美術館 編
岡本太郎生誕100年を迎えた今年、各地の美術館やギャラリーでは太郎をテーマにした展覧会が数多く開催されてきた。生命力ほとばしる太郎の作品は、鑑賞者自身の生きていく力に直接作用する。
作品展示が美術館だけにとどまらないのが、太郎の特徴。じつは岡本太郎の手がけたパブリックアートは、全国で70カ所もあるという。それは太郎が「芸術とは、誰もがいつでも無償でみられるべきものだ」と考えていたからなのだ。
「岡本太郎のいる場所 TARO MAP」(無料)では、東京と川崎を中心に、首都圏に点在する、27の岡本太郎作品(パブリックアート)が写真と文章、地図つきで紹介されている。よく知られたものもあれば、思いがけない場所にあるものも。太郎のパブリックアートはどれも、ガラスケースに入れられることなく、街のなかにそのまま飾られている。それも、太郎が強く願ったことだったという。見る人も作品も、同じ空気に包まれて、街にたたずむ。それでこそ、アートと人の距離が近づく、ということなのだろう。
過ごしやすい季節になった。見上げればそこにタローの世界がある。その喜びをかみしめながら街を歩こう。
岡本太郎は1911年、川崎生まれ。「太陽の塔」をはじめとする立体作品や絵画を制作した。
作品のひとつひとつが丁寧に紹介されている。また、「観賞のしかた」のトピックスもユニーク。
- ● おすすめポイント
3月11日以降、多くのアーティスト達は「なぜ作るのか」「芸術とはなにか」という大命題をよりいっそう強く感じながら制作を続けている。また観賞する側の私達も、アートのもつ生命力に敏感になっているように思う。なぜ作るのか、なぜ生きるのか。太郎の作品と向かい合うと、ひとつの答えが見えてくるような気がする。街を歩くつかの間でもいい、アートが作用する時間をもちたい。