セーヌ川沿い散歩と、パリ風肉まん。
9月下旬から出張がほぼ1カ月続き、
やっとパリに戻ってきたら、空気はすっかり冷んやり。
日常を取り戻すためにまずは、マルシェへ買い出しに。
そして次にしたいことは、セーヌ川沿いのお散歩。
夕暮れ時に橋を渡って、空と街の色の変化を感じたくて
4時過ぎに家を出た。アルマ橋からセーヌ川沿いに、
途中右岸から左岸、左岸から右岸と渡り歩いて、
ルーヴルの裏手まで。お天気がよかったこの日、
週末だったこともあって歩行者専用 道路は大にぎわい。
語らうカップル、自転車の練習をする小さい子、犬の散歩、
船上で日向ぼっこをする人たちもいた。
移りゆく色と冷たい空気を楽しみながら歩き続けたら
さすがに冷えてしまい、肉まんを食べることにした。
カフェに入ってショコラを飲んでもよかったのだけど、
どうしても日暮れを見たかったのだ。だから食べ歩き。
ルーヴルを越えて、レ・アールに少し向かった小道に、
ブティック・ヤムチャがある。
一つ星レストラン、ヤムチャのお茶とバオ(bao)のお店だ。
ここ数年のパリでは、食に関する新しいことばが
随分増えたと思うけれど、バオ、もそのひとつ。
中でもヤムチャはオリジナリティ豊かな具材が面白く
スティルトンとチェリー入り、コンテとオニオン入り
などのワインに合いそうな組み合わせから、
バスク豚と茄子の四川風、なんというのもあって、
お友だちにおみやげで持って行くことも多い。
夕方に行ったこの日はすでにほとんどが売り切れで、
日替わりの具となっていたブーダンとクレソンという
変わり種だけがあった。ブーダン好きだし迷わず注文。
一緒にプーアール茶もお願いした。おいしかった。
(ちゃんと淹れてくれるので10分待つことになる)
すっかり身体も温まって、お茶を片手にまたセーヌへ。
だいぶ日は傾いていたけれどまだ街灯はついていない。
この時間の、影絵のような色合いが本当に好きだ。
ポン・デザールから左岸に渡ったところで、
街灯がついた。夜のはじまりの街の空気を感じながら
向かったのはコンコルド広場。
初めてパリに旅行に来たほぼ20年前の1月。
空港からホテルに向かうタクシーで、コンコルド広場を
通ったときに、「私、ここに住む」と決めた。
そしてその翌年の3月末渡仏して、いまに至る。
私にとってはじまりの場所だから、パリを長く離れると
ここに戻ってきたくなる。
日の入りを見届け、しばらく佇んで、リセット完了した。
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