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メリメロ・ドゥ・パリ/東京

パリの8歳の少女詩人に教えられたもの?

170728m1.png「Le Point」

「ル・ポアン」という政治、社会一般を扱うパリの週刊誌が、最近「ボードレール特集」を出している。19世紀のあの大詩人を?ちょっとびっくりした。マクロン新政権がスタートしてから、街の雰囲気もポジティヴになったというし、1857年に書かれた『悪の華』も結構読まれているという。日常性から離れて、こころに余裕がないと、詩集は読まないものだ。

 「ル・ポアン」は売れ筋の週刊誌だから、日本だったら週刊文春や新潮が、突然芸能界のスキャンダラスな事件を追うことを止めて、萩原朔太郎や中原中也を特集するようなもの。ありえない、日本では。

 マクロン新大統領の閣僚が動きだし、新文化大臣に南仏アルルの小さな出版社アクト・シュッドの経営者フランソワーズ・ニーセンが指名されてから、カルチャー面も一段と活気づいてきている。新しい政策にもなかなかいいものもあって、日本でも取り入れて欲しい、と思うものも。

 たとえばエドゥアール・フィリップ首相が先日発表したものの中で、18歳の誕生日に
なったら、ひとり500ユーロのカルチャー・パスを贈って、それを使って映画にいったり、観劇したり、本を買ったりできるという。これはなかなかいい政策だと思うし、現実に65,000円ぐらいあったら、色々なことが出来るにちがいない。ビデオゲームやコミック誌だけでなく、偶には詩集を買ってみることも?だけど今の世の中、サブカルとカルチャー、どこで線引きするかが難しいだろう。

 メトロでも「詩人のグランプリ」という賞を作った。今年の優勝者は8歳の少女だったという。
「カーテンを閉めて、自分が空想した空を天井に思い浮かべる」というもの。
 確かに現代は情報過多だし、ユーチューバーに振り回されている日々、なかなか自分の内面と向き合う時間はない。8歳の少女に教えられたみたいだ。

 メトロ側は、パリの駅の壁でよくみかけるグラフィティーや乱暴な落書きの代りに、その少女の詩を描くというけど、たちまち悪戯で塗りつぶされ、みえなくなりそうで心配。

村上香住子

フランス文学翻訳の後、1985年に渡仏。20年間、本誌をはじめとする女性誌の特派員として取材、執筆。フランスで『Et puis après』(Actes Sud刊)が、日本では『パリ・スタイル 大人のパリガイド』(リトルモア刊)が好評発売中。食べ歩きがなによりも好き!

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