おいしい料理求めて、まりモグがゆく。

ひねりの利いたつまみで始める、
下町ひとり鮨のススメ。

バスク出張前に食べ収めした旨ご報告した(くだん)の和食ですが、実は出発2日前にも懲りずに和食を食べていました。場所は湯島。副編KIMの庭のため、軽く近くのバルで一緒にアペロをした後、ひとり向かった店が、鮨 真菜。漫画「ごほうびおひとり鮨」の原作者でもあり、昨年の鮨特集でもお世話になった、早川光さんに教えてもらった店です。
入ってびっくり。店はかなりコンパクトで、自宅の一室のよう。先客の方が5人グループでいらっしゃいましたが、私が座るともう満席。5人VS1人、という非常にアンバランスな構成になりました。

「守破離 愛山」をちびちびしながら、おまかせで最初に登場したのが“のれそれ”。穴子の稚魚なのですが、ちゅるちゅるとした舌触りで、淡い味の白魚を食べているよう。珍しいな~と思っていたら、鮨店の定番、タコの桜煮が出されました。続いてホタテの肝、焼いたアナゴ(大人)、和がらしで食べるカツオ、太刀魚の卵黄和え、カマトロとハマグリの小鍋……と、興味深いおつまみが続々登場。タコの桜煮と穴子以外、ほかでは食べたことがありません。
ほぼNo imageで来たため、先入観はありませんでしたが、つまみに関しては心地いい裏切りでした。うって変わって、握りはほっとする味。

きれいな味のするスミイカの握りに始まり、マダイ、トリ貝、風味が濃縮されたアジとテンポよく出されます。

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ねっとりとした赤身のマグロ、中トロという流れを汲んで、口中がキュっと締まるわたしの大好物コハダ、歯触りのいい赤貝、北九州&北海道の産地違いの2連ちゃんウニ軍艦で満足感がむくむく。北九州ウニは塩気多め、北海道のウニは、関東出身者には「ウニってこれだよね」というなじみのある味でした。

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クライマックスで塩気のしっかりとしたノドグロの小どんぶりをいただき、ほんのりユズを纏ったアナゴの握りでほぼほぼフィニッシュ。親方さんとは少し会話をしましたが、食べ続けた約90分、ほぼひとりで鮨と向かい合っていました。となりのグループの会話に耳を傾けたり(少し絡ませていただきました。会社の送別会だった模様)、日本酒が並んでいる冷蔵庫を眺めたり、ただただ鮨をじっくり味わったり。ひとり、それも初めての店だとやっぱり緊張しますが、悪くないです。地方出張だと意外に気軽に行けてしまうように、私の場合、敢えてアウェーの湯島を選んだことが吉と出たようです。

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鮨食べ収め。これで心おきなく海外へ行ける……。ほっと胸をなでおろしたひとりの夜でした。

今日の明瞭会計
→日本酒1~2杯で、¥17,000ほどでした。¥20,000はいかなかったかと!

鮨 真菜@湯島
東京都文京区湯島3-46-6 TS天神下ビル 1F

tel:03-6803-0190

 

まりモグ

幼少期から北京を拠点にアジア、欧米、太平洋の島々などを旅し、モンゴルの羊鍋からフランスのエスカルゴまで、さまざまな現地の料理を食べ歩く。特に香港は、多い時で年4回のペースで通うほどの“香港迷”。食べ過ぎ飲みすぎがたたり、28歳で逆流性胃腸炎を発症。ワイン好きが高じて、2021年にJ.S.A.認定ワインエキスパートを取得。

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