同性の恋人のために闘う警官をジュリアン・ムーアが熱演。
Culture 2016.12.16
『ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気』
ローレル警官は勤続20年超、現場の最前線に立つ。手柄を上げても「女は出世できない」ニュージャージー州の郡警察の体質もあって、同性の恋人(エレン・ペイジ)の存在は伏せたまま。そんな彼女を病魔が襲う。パートナーが遺族年金を手にできるよう、ローレルはゲイに偏見を持つ郡当局の古老らと渡り合う。衰えたわが身をさらす強靭さで。実話を口実にした感傷はない。「法の下では平等」な一市民の生活現場から訥々と訴える彼女の平静な闘いは、女優ジュリアン・ムーアのあくなき闘いとも重なり、胸を打つ。
*『フィガロジャポン』2017年1月号より抜粋
réalisation : TAKASHI GOTO