激動を生き抜いた女の、力強い姿を描く映画が観たい!

Culture 2017.02.24

ナタリー・ポートマンがファーストレディ、ジャクリーン・ケネディを演じて話題の『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』や学者、政治家として名を残した実在の女性ガートルード・ベルをニコール・キッドマンが演じる『アラビアの女王 愛と宿命の日々』など、いま観たいのは、激動の時代に表舞台に立つ女性の生き様を描いた映画。

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歴史の影に女アリ、といわれるが、時代のうねりの局面で表舞台に立つことになる女性たちもいる。

元米国大統領夫人ジャクリーン・ケネディは、そのセンスのよさからスタイルアイコンとして世界中に名を馳せるが、34歳の時、夫を目の前で射殺されるという悲劇を経験する。その“事件”をどう乗り越えたのか、半世紀たったいま、その素顔に迫るのが『ジャッキー/ファーストレディ最後の使命』である。公的な顔と私的な顔を見事演じ分けたナタリー・ポートマンの迫真の演技によって、ひとりの女性としてのジャクリーンを身近な存在に感じさせる。『アラビアの女王 愛と宿命の日々』は、英国人女性ながら、イラクとヨルダンの国境線を引く偉業を成し遂げたガートルード・ベルの、冒険に満ちた半生を描く。砂漠に魅せられ、砂漠の民を愛した女性。勇気と情熱こそが世界を結びつけるものだと、その生き様を通じて教えてくれる。

文/立田敦子(映画ジャーナリスト)

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『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』

1963年、ジョン・F・ケネディ米国大統領は、ダラスでのパレード中に暗殺された。ファーストレディのジャクリーンは、悲嘆に暮れる間もなく、その責務をまっとうしようとする。歴史的事件の裏舞台を通して、伝説の女性の素顔に迫る。

監督/パブロ・ラライン
出演/ナタリー・ポートマン、ピーター・サースガード
2016年、アメリカ・チリ・フランス映画 99分
配給/キノフィルムズ
3月31日より、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開

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『アラビアの女王 愛と宿命の日々』

20世紀初頭。米国の裕福な家庭に育ったガートルード・ベルは、上流階級の暮らしに退屈し、冒険を求めてアラビアへ向かう。砂漠の各部族と交流し、学者、政治家として功績を残し“砂漠の女王”と呼ばれた実在の女性の半生を描く。

監督・脚本/ヴェルナー・ヘルツォーク 
出演/ニコール・キッドマン、ジェームズ・フランコ、ダミアン・ルイス
2015年、アメリカ・モロッコ映画 128分
配給/ギャガ・プラス
新宿シネマカリテほか全国にて公開中

*『フィガロジャポン』2017年3月号より抜粋

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