村上隆の審美眼を通して紹介する現代陶芸コレクション。

特集

『村上隆のスーパーフラット現代陶芸考』

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横浜美術館の『村上隆のスーパーフラット・コレクション―蕭白、魯山人からキーファーまで―』展の記憶も新しい、マグナム級スケールの村上コレクションから28作家の作品が一堂に会する。

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奈良美智『舌出しの子』2010年

 縄文土器に始まる日本の陶芸史は、茶の湯による様式化と洗練、貿易による海外の評価の逆輸入、民藝運動の“革命”を経て、玉石混淆の現代に至る特異な発展を遂げてきた。日用雑器と芸術の間の曖昧な境界に膨大な層があり、愛好家はその多様性を肌で感じ、惑い、選んできた。美術作家でありコレクターである村上隆もまた10年以上、現代陶芸と骨董に関心を寄せ、その作品性と価値観の関係を熟考する。
 本展では壮大なコレクションから青木亮、安藤雅信ら現代陶芸作家の作品、奈良美智、小出ナオキ、ガブリエル・オロスコら美術作家の陶芸作品など約1800点を、彼の審美眼と思考を通して紹介。日本の陶芸が前述のとおり何度か価値の転換を迎えたように、現代陶芸が国やジャンルを「越境」し、既存の価値観を超えてゆくことに興味がある、という村上の未来に向ける目はどんな作品をチョイスしたのか。出展作家である奈良美智から、かつて信楽の豊かな自然に抱かれた「滋賀県立陶芸の森」を初めてレジデンスで訪れた時、有名無名問わず、滞在する若い陶芸作家たちと同じ窯場で、土や釉という素材を扱うことに慣れていった話を聞いたことがある。陶芸とはそのような間口の広さと深度を持ち合わせた工芸だ。古くからある表現手段だが、先入観やコンプレックスで身構えることさえなければ、ものの見方を変えるような価値観をもたらす、現代美術の一分野になりうるはずだ。村上が陶芸のその懐の深さに着目したとすれば、本展はきっと見ごたえあるものになるだろう。

『村上隆のスーパーフラット現代陶芸考』

会期:3/11~5/28
十和田市現代美術館(青森・十和田)
営)9時~17時
休)月(祝日の場合は翌火曜)
料)一般¥600

●問い合わせ先:
tel:0176-20-1127
www.towadaartcenter.com

*「フィガロジャポン」2017年4月号より抜粋

réalisation : CHIE SUMIYOSHI

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