ダルデンヌ兄弟が挑むミステリー『午後8時の訪問者』。

Culture 2017.04.15

些細とも思えた一瞬の判断が、人の一生を変える震撼の情景。
『午後8時の訪問者』

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ミステリー仕立てのダルデンヌ兄弟作品というのが、まず新鮮。診療所での代理診察を終えた夜、大病院での出世に関わるパーティのそわそわ感と患者対応に忙殺された疲れ、若い研修医とのギクシャクもあって女医ジェニーは遅れてきた訪問者にドアを閉ざす。その少女が翌日、溺死体で見つかる。殺人事件? 一瞬の判断への後悔から、ジェニーは危険な素人探偵の役に加え、労苦を厭わない町医者に。ノワールな冷たさと刻々のスリルに、人の世の温もりが沁みてくるよう。

『午後8時の訪問者』
監督・脚本/ジャン=ピエール&リュック・ ダルデンヌ
2016年、ベルギー・フランス映画 106分
配給/ビターズ・エンド
ヒューマントラストシネマ 有楽町ほか全国にて公開中
http://www.bitters.co.jp/pm8

*「フィガロジャポン」2017年5月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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