幸福と痛みに涙がこぼれる、愛の物語『光をくれた人』。

Culture 2017.04.20

朝凪のような愛の暮らしが、疾風怒涛の果てにたどる境涯。
『光をくれた人』

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第一次大戦の戦功を恥じて自分を罰するように、トムは遠い異邦の孤島の灯台守となる。岬の校長の娘の溌剌さが彼の心をこじ開け、文通を重ねて結婚。嵐の来訪、妻の流産、漂着する小舟と赤子、と運命が逆巻いて新婚夫婦に降りかかる。マイケル・ファスべンダー、アリシア・ヴィキャンデルという旬の役者の、静と動の絡みが絶品。『ブルーバレンタイン』の俊英は、悲恋劇を甘美なまでに大小に波打たせる。とりわけ、人を赦(ゆる)すさざ波の夕景に涙を止めるのは難しい。

『光をくれた人』
監督・脚本/デレク・シアンフランス
2016年、アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド映画 133分
配給/ファントム・フィルム
5月26日より、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開
http://hikariwokuretahito.com

*「フィガロジャポン」2017年5月号より抜粋

réalisation : TAKASHI GOTO

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