ダイアナ妃没後20周年企画 #03 英王子が語る、母としてのダイアナ妃。

Culture 2017.08.31

ダイアナは育児面でも新しいスタイルを王室に取り込んだパイオニアだった。

王子たちの幼少期の教育については、ダイアナとチャールズの間で議論があったと言われている。チャールズはかつての自分のように、プレップ・スクールが始まる7~8歳までは、しかるべき“母親役”のナニーと家庭教師をつけて、ケンジントン宮殿で教育すべきと主張。一方で、ダイアナは幼少期から学校に通い、同年代の友人と切磋琢磨すべきで、宮殿だけの環境はよくないという意見だった。さらに、ダイアナ自身が幼き日に寂しい思いをした分、自分の子どもたちはそばに置いて育てたいという思惑もあったのだろう。

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1983年、ウィリアム王子誕生の翌年。バッキンガム宮殿にて。「カメラが向けられているのを忘れさえするほど、自然体のダイアナ」と島本氏。
©Tim Graham/Getty Images

かくして、ウィリアム王子は2歳で民間の保育園に通い始め、初等教育が始まる4歳からはプレ・プレップ・スクールに入学し、ヘンリー王子もそれに続く。ごく普通の親子関係を目指しただけに、スクールにはダイアナ自ら送り迎えし、遊園地やマクドナルドに出向くこともしばしば。愛情あふれる親子の様子はさまざまな場面で目撃され、国民もそれを歓迎した。

先頃、ウィリアム、ヘンリー両王子がドキュメンタリー番組『Diana, Our Mother: Her Life and Legacy』の中で、母の在りし日の姿について初めて重い口を開いたが、彼らの言葉の端々からは、ダイアナの母としての一面が浮かび上がってくる。

「母は堅苦しくない人間で、笑うことと楽しむことを何より好みました」
「宮殿の壁の向こうには、普通の暮らしがある。母がそれを忘れたことはありませんでした」(ウィリアム)

「母は、子どものようでした。完全なる子ども……そんな感じです。母が僕に掲げたモットーに、“やりたいようにいたずらしなさい。だけど捕まっちゃダメ”というのがありました。他の親と比べても、やんちゃな人物でした」
「母はプライバシーを大事にしていました。そして“プリンセス・オブ・ウェールズ”としてではなく、母であることを大切に考えたのです。何としても、僕と兄に普通の暮らしをさせてみせる……母はそう決意していました」
「彼女は我々の母で、それはいまも変わりません。息子として、世界でいちばんの母だと言いたいし、母は僕たちを愛で満たしてくれました。それは確かです」(ヘンリー)

—そんなダイアナ親子を、ゲッティイメージズが保有する世界最大規模のアーカイブ写真、そして同時代を生きながらダイアナに深い思いを寄せてきたゲッティイメージズ ジャパン代表取締役・島本久美子氏のコメントとともに振り返る。

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1985

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©Tim Graham/Getty Images

ケンジントン宮殿の自宅でパズルに熱中する、幼いウィリアム。この頃から近所の保育園に通い始めるが、英国王室史上、将来の国王が民間の保育園に通うのは初めてのこと。モンテッソーリメソッドを謳った園では、約15カ月間、週に2~3回、午前中の2時間を過ごした。

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©Tim Graham/Getty Images

ダイアナお得意のピアノをウィリアム、ヘンリー両王子にも幼少期から親しませていた。「子どもたちへの愛情が伝わってくる」と島本氏もお気に入りの1枚。

1986

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©Tim Graham/Getty Images

ウィリアムをポニーに乗せて、手綱を引くダイアナ。「グロスターナー州の自宅で遊ぶ写真からは、ダイアナがいかに家族を大事にしていたかがわかる」と島本氏。

>>休暇中のオフショット、学校への送迎……家族を大切にするダイアナの一面に触れられる写真の数々。

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1987

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©Princess Diana Archive Hulton Royals Collection/Getty Images

マヨルカ島で休暇中のオフショット。「スペインでリラックスしているダイアナと王子たち。数多くあるダイアナの写真の中でも、このような非公式の写真は特にパワフル」と島本氏。

1990

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©Princess Diana Archive Hulton Royals Collection/Getty Images

4月、ダイアナの送迎でノッティングヒルにある超名門ウェザビー・プレ・プレップ・スクールに通うウィリアムとヘンリー。「まるでどこにでもいる普通の家庭のよう」と島本氏。

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1991

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©Princess Diana Archive Hulton Royals Collection/Getty Images

カナダを正式訪問した際に、久しぶりに息子たちに会ってハグする瞬間。「愛するふたりに会えてとにかくうれしいのが伝わってくる」と島本氏。

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©Princess Diana Archive Hulton Royals Collection/Getty Images

運動神経抜群のダイアナは、 冬はスキーをこよなく愛した。オーストリアで王子たちと合流し、冬の休暇を満喫。ちなみにダイアナはスキーの際もゴーグルでなくサングラス派だ。

1995

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©Anwar Hussein/WireImage/Getty Images

ウィリアム王子が名門パブリック・スクールであるイートン・カレッジに入学する初日の様子。「ふたりとも少し緊張してるようだけど、ダイアナがハリーの肩に触れているのが微笑ましい。母親が息子を学校に見送るどこにでもありそうな光景」と島本氏。

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texte : ERI ARIMOTO

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