Music Sketch

春に聴きたくなる音楽

Music Sketch

先日、TFMのLOVE CONNECTIONという番組に呼んでいただき、"新入学、新生活にオススメの曲"として3曲をご紹介しました。


■ 新しい1日の始まりにバーシアを

そのうちの1曲がバーシアの「New Day for You」。バーシアはポーランド出身のシンガーで、シンガーを目指してアメリカへ渡り、結局はイギリスでマット・ビアンコというユニットにコーラスで参加したところ、「Half A Minute」という曲での彼女の歌声が注目されて、大ヒット。その後1987年にソロ・シンガーとしてデビューし、世界的に大成功します。東欧出身らしい陰影のあるミステリアスなメロディラインと、マット・ビアンコのDNAであるラテン要素がうまくミックスされた音楽は、当時ワールドミュージック人気で世界各国の音楽への関心の高かった日本でも大ヒット。また、30歳を過ぎてからのブレイクや、コスモポリタンな女性ということでも話題になりました。
特にこの曲「New Day for You」はパルコのCMに使われたので、聴いたことがある人は多いかもしれません。バーシア自身も渋谷クアトロという現在人気のライヴハウスのこけら落としで初来日しました。

Basia 「New Day for You」

160401_music_01.jpg

「New Day for You」を収録したアルバム、 Basia『Time and Tide』(ソニー)

収録されたアルバム『Time and Tide』は以下で試聴できます。
https://itunes.apple.com/jp/album/time-and-tide/id424139256


■ RADWIMPSの「叫べ」を聴き直して

話は逸れますが、元日や誕生日にかかわらず、気持ちを切り替えるために、"今日を新たな1日、新たな人生のはじまり"と考えて過ごす人はいると思いますが、私のとても大好きな日本のバンドRADWIMPSの「叫べ」という歌に、野田洋次郎さんの書いたとても好きな歌詞があります。一部引用します。

"今日がこれからの人生の始まりの一日目なんだよ
昨日が今までの人生の一番最後の日だったんだよ"

"眠気眼でたたんだ布団も 久しぶりに片付けた部屋も
全てささやかながら僕からの 未来の僕に送るプレゼント"

"今日が 誰かの人生の はじまりの一日目なんだよ
今日が 誰かの人生の 一番最後の日だったんだよ"

聴き直していると、今日の一日を本当に大切に過ごしたいと思わずにはいられません。

RADWIMPS「叫べ」 遊び心あるMVで、眼鏡や髪型などふだんの彼らのステージの風貌とは変えています。


■ 朝から聴きたい、アラナ・デイヴィスのアルバム

番組では他にもテーマに合わせてアラニス・モリセット「Receive」と雨のパレード「Tokyo」をご紹介したのですが、私が個人的に今この季節によく聴いているのはアラナ・デイヴィスのデビュー・アルバム『Blame It On Me』です。ニューヨーク生まれのシンガー・ソングライターで、このアルバムがリリースされたは1997年10月で、27歳の頃。秋に発売されましたが、曲を作ったのが春だったのか、私はゆるやかに暖かさを増してきた春先から新緑の時期に聴きたくなります。ネオアコ時代のエヴリシング・バット・ザ・ガールやボサノヴァ系も合いそうですが、4月のはじまりの時期ということで、背中を押してくれるアップテンポの曲の方が、掃除をしている時や、日射しのある時間帯には心地良く響きます。

ミュージックヴィデオは全然春っぽくないですけど。

160401-musicsketch02-w450xh450px.jpg

Alana Davis『Blame It On me』(ワーナー)

アルバムは以下で試聴できます。
https://itunes.apple.com/us/album/blame-it-on-me/id357828888


■ 話題のThe 1975の最新アルバムもオススメ

最近の音楽だったらイギリスの人気ロックバンドThe 1975のニュー・アルバム『I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful Yet So Unaware of It』を良く聴きます。フワフワとした軽やかな音質が特徴的で、ファンク、R&B、AOR、80's、シューゲイズ、エレクトロニカなど、あらゆる音楽をミックスさせてポップに調理。しかも曲のあちこちに懐かしさや楽しさや刺激をちりばめていて、アルバムを掛けっぱなしにして聴いていたくなる内容です。本当にセンスがいいなと思います。前作まではアルバムジャケットやアーティスト写真などモノトーンに徹していましたが、今回はピンクを差し色にしていて、そのイメージもこの季節に合っている気がします。

The 1975「UGH!」

The 1975「The Sound」

160401-musicsketch03-w450xh450px.jpg

The 1975『I Like It When You Sleep, for You Are So Beautiful Yet So Unaware of It』(ユニバーサル)

アルバムは以下で試聴できます。
https://itunes.apple.com/jp/album/i-like-it-when-you-sleep-for/id1067233670

もちろん他にも部屋に流している音楽はいろいろありますが、この1週間のヘヴィロテはAlana DavisとThe 1975。1月に来日したThe 1975はフィガロジャポン本誌で2度目の取材をしているので、その掲載記事も楽しみに待っていてほしいです。

*To be continued

伊藤なつみ

音楽&映画ジャーナリスト/編集者
これまで『フィガロジャポン』やモード誌などで取材、対談、原稿執筆、書籍の編集を担当。CD解説原稿や、選曲・番組構成、イベントや音楽プロデュースなども。また、デヴィッド・ボウイ、マドンナ、ビョーク、レディオヘッドはじめ、国内外のアーティストに多数取材。日本ポピュラー音楽学会会員。
ブログ:MUSIC DIARY 24/7
連載:Music Sketch
Twitter:@natsumiitoh

RELATED CONTENTS

BRAND SPECIAL

    BRAND NEWS

      • NEW
      • WEEKLY RANKING
      SEE MORE

      RECOMMENDED

      WHAT'S NEW

      LATEST BLOG

      FIGARO Japon

      FIGARO Japon

      madameFIGARO.jpではサイトの最新情報をはじめ、雑誌「フィガロジャポン」最新号のご案内などの情報を毎月5日と20日にメールマガジンでお届けいたします。

      フィガロジャポン madame FIGARO.jp Error Page - 404

      Page Not FoundWe Couldn't Find That Page

      このページはご利用いただけません。
      リンクに問題があるか、ページが削除された可能性があります。