15人の目利きが選ぶ、新旧のいいモノ案内。#08 原由美子が愛する、カメオと碧玉のリング。
Fashion 2017.08.02
ファッション好きな目利きの15人に、永年愛用してきた昔からの名品と、この秋冬狙っている新作アイテムを聞きました。
スタイリストの原由美子さんが選んだアイテムは、リングとカシミアのコート! 原さんがパリで出合ったリングと、ジャケット感覚で羽織りたいコートとは?
【昔ながらの名品】パリで購入したリング
お守りのようにリングをつける習慣がある。大学生のころから祖母、母、そして私へと託された小さな黒真珠のリングをつけていた。
仕事を始めてしばらくしたころ、それとは違う、普段つけて気にならない自分らしいリングを欲しくなった気がする。
1973年から通いだした年2回のパリコレ取材に少しずつ慣れ、自分なりのパリの過ごし方ができるようになった80年代の始めに出合ったのが、このふたつのリングだ。
サントノレ通りからヴァンドーム広場に曲がる角にある、小さなお店で。珍しい男の人の顔のカメオは大のお気に入りだ。少し後で見つけた碧玉の方は、小さく人の姿が彫られている。
左手の人差し指と中指にこのふたつのリングをつけると、出かけるぞという気持ちになる。慌ててつけ忘れたときは一日中心もとなく、落ち着かない。
【新名品】ルシアン ペラフィネのリバーシブルコート
リバーシブル地のコートは好きだが、表裏同一の色のものが好みで着やすいと思っている。
薄いグレーとネイビーは経験済みで黒にも惹かれているが、ラフに着ようと思っても一重仕立てのカシミアの黒は、色が濃いだけに重くなり、あらたまった感じになりそうで躊躇していた。
カシミアのリバーシブルコート¥388,800/ルシアン ペラフィネ(ルシアン ペラフィネ 東京ミッドタウン店)
そこで出合ったのが、このコート。黒とネイビーという色の取り合わせ。襟がネイビーなら、ざっくり羽織ってラフに着られそうなのがうれしい。
ボタンを留めてきちんとではなく、セーターやカーディガンとパンツに合わせて、ジャケットのように羽織って着るのが良さそうだ。
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ファッションディレクター
1970年「アンアン」創刊に参加。「フィガロジャポン」をはじめとする数多くの雑誌のファッションページに携わり、女性ファッションのみならず、男物やきもののスタイリングも得意とする。本誌にてスタイリングと執筆を行う「原由美子のきもの上手」を連載中。近著に『原由美子のきもの暦』(CCCメディアハウス)がある。きものごよみcccメディアハウス
photos : JOHN CHAN