2017年 うお座の運勢(年運) - 石井ゆかりの星占い

情緒ある文体でつづられる12星座占いが大人気の石井ゆかりさんによる星占い。
「フィガロジャポン」本誌(毎号20日発売)で好評の星占い「星の伝言板」を2018年の12月分まで掲載。2019年1月以降は、「フィガロジャポン」本誌をご覧ください。
毎月1日に更新、石井ゆかりさんによる連載コラム「石井ゆかりの伝言コラム」はこちらから。

2017年の星占い

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うお座   02.19 - 03.20

贈り物を贈る喜び、 贈り物を受け取る胆力。

「させていただく」という言い方が気になる、という意見をたまに耳にします。「させていただく」という言い方はそもそも立場が上の人が下の人に向かって言う表現である、とか、そんな表現を使う必要はなく、冗長なだけである、などの批判があるようです。もともとは浄土真宗の商人たちが「おかげ様」の考え方から使い始めた表現で、人間は何でも自分の力でやっていると思い込んでいるけれども実際は自分の力ではなく、すべて阿弥陀様の力で可能になっているのだという「他力」の考え方に基づいている、と聞いたことがあります。実際、私たちは多くの目に見えない力に支えられて生きていて、自分が生きるために必要なことをどれだけの人がしてくれているのか、数え上げることもできないほどです。一方、自分の力では何もしていないかというと、そういうわけでもなく、努力しない人や行動しない人には、たいていは、何も手に入りません。自分もがんばっている。でも、自分の力だけではどうにもならない。そういう世界に誰もが生きている中で「させていただく」という表現が、私たちの心に上手くフィットする、ということなのではないかと思います。

2017年上半期、魚座の人々は、特にこのことを意識するのかもしれません。すなわち「自分の力なのか、人の力なのか」ということです。支えてくれたすべての人に感謝し、お礼を言うのは素晴らしいことですが自分自身の力を過小評価してしまうと、意欲や自信を持つことが難しくなります。かといって、自分の力だけをひとえに信じ、「他人の力など借りない!」と突っぱねてしまうと、お互い上手くいきません。自分の力をどのように使い、相手の力をどのように借りるか。両者の力が最も美しく交差する「交点」を模索すべく、この上半期、魚座の人々はさまざまなことを「試みる」ことになるようです。自分でやってダメなら、人に任せる。人に任せてみてダメなら、自分が引き受ける。あるいは、すぐに「ダメだ」とあきらめてしまわず、何度も挑戦したり、やり方を変えてみたりして、お互いに上手くいく形を探していく。そんな過程では「ひとりでやってしまったほうが早い!」と思える場合もありますが、それに耐えて粘り強く「交点」を探していくと、その先で、ひとりでは決してできなかった大きなミッションを成し遂げられるわけです。

2017年上半期、貴方は人からたくさんのギフトを受け取ることになるでしょう。さらに、自分からも誰かに対して、いろいろな贈り物をすることになるかもしれません。この「やりとり」は決して、「お返し」「精算」といった、計算に基づくものではありません。むしろ、お互いが純粋に無償で提供し合っているがゆえに、「やりとり」として成立する、という種類のものだと思います。贈り物を贈るのは、気持ちのいいことです。一方、贈り物を受け取るには、度量や肝の太さ、勇気、責任感などが必要です。自分が贈り物をして深い喜びを味わったことがなければ、人からの贈り物も、本当の意味では「受け取る」ことができないのかもしれません。この時期、貴方は誰かに対して「本気で」贈り物をし、その経験をもとに、夏から秋にかけて、さらに「本気の」贈り物を誰かから受け取れるようになる、ということなのではないかと思います。貴方はもともと非常に自由な人ですが、その自由な精神が、この時期は経済活動や物質的な面で、おおいに「生きる」はずです。

2.19-3.2 生まれの貴方

卵や蛹の中で「準備万端」となり、外に出て行く。

卵の中や、蛹の中にいる時というのは、一体どんな感触で、どんな気持ちなのだろう、と思います。私たち自身、生まれる前は胎内にいたわけですが、その時の気持ちや感覚はまったく思い出せません(思い出せる人もいるそうですが!)。この世に生まれ出る、というかぎりなくドラマティックな瞬間、一体どんな気持ちでいるのかといえば、ひとえに「何が起こっているのか分からない」という一言に尽きるのではないかと思います。2011年から今にいたるまで、貴方はちょうど、卵や蛹の中にいるような状態におかれていた部分があります。もちろん、日常生活をしっかり送ってはいただろうと思うのですが、不思議な靄に包まれ、まわりや未来の見通しがきかず、妙な不安を抱えたまま、日々過ごしていたのではないかと思うのです。2017年上半期、その状態から脱します。すなわち、卵や蛹の中から完全に「脱出」し、新しい自分としてそこに立つことができるのです。このドラマティックな変化はおそらく、1月から2月の間に集中して展開して行くのではないかと思います。変化の振り幅が非常に大きく感じられるかもしれませんが、卵や蛹と同じく、外に出る準備はもうちゃんと終わっています。3月はそのことを客観的かつ具体的に確認することができるでしょうし、生まれたばかり・羽化したばかりの色から、だんだんとハッキリした美しい色に変化を遂げていくでしょう。4月下旬から5月頭には、巣も完成するようです。上記はもちろん比喩ですが、日に日に足取りがしっかりし、視野がクリアになり、貴方らしさを出すのが容易になっていくはずです。愛に追い風が吹くのは1月前半、6月です。

3.3-3.12 生まれの貴方

願いを自分のものとして受け入れたところから始まる物語。

絵馬や短冊に書けるような願いばかりが、私たちの「願い」ではありません。もちろん、人の不幸を願うような「願い」はそもそも、たとえ叶ったとしても願った人を幸福にはしないでしょうが、そうした「悪い願い」ではなく、本当は願っているのに恥ずかしくて認めたくないような願いとか、大それていてとても叶いそうもない願い、あるいは、周囲の期待からはまったくずれている願いなどを抱えたまま、ずっと隠し持っている人は、少なくないのではないかと思います。そんな願いを認めたところで、叶うかどうかは分かりませんが、少なくとも、今はそうした願い自体に、特別な力が潜んでいるようです。2017年上半期、貴方は密かに願っていた願いを「確かに自分のもの」として認めることになるでしょう。たとえ叶わない願いであっても、自分がそれを願っている、と認めることが、新しいスタートラインになったり、場合によっては、人を惹きつける強烈な魅力の源泉となったりする可能性は、十分あります。1月、「脱皮」のような変化を遂げる人が多そうです。イメージチェンジしたり、新しい自分を打ち出すことができる時です。2月半ばから3月半ばにかけては、経済的に非常にうれしいことが起こりそうです。欲しいもののためにガンガン動けるでしょう。3月は旅に出ることになるかもしれません。また、勉強や取材・研究活動などにも新しい燃料が注がれます。5月は「居場所を建設する」ようなタイミングです。引っ越しや家族構成の変化など、普段の景色が様変わりするかもしれません。6月は豊かなコミュニケーションに恵まれる楽しい時期です。愛に追い風が吹くのは1月と6月下旬から7月頭です。

3.13-3.20 生まれの貴方

モノとの出合いが、世界との出合いにつながってゆく。

テニスや野球を見たことも聞いたこともない人に、ラケットやミットを渡しても、なんの道具なのか検討もつかないでしょう。でも、その道具を手がかりに、探偵のごとく「これは何に使う道具?」「どうやってやるの?」などと聞き込みをしていくうちにいつのまにかそのスポーツが大好きになってしまった! などということは、起こりうるだろうと思います。見たことも聞いたこともないアイテムがきっかけで、新しい世界に誘われる、という物語を、この時期経験できるかもしれません。あるいは、あるものを処分したらもっといいものが手に入った! というような展開もあります。処分する動機は、「もっといいものを手に入れる」ことではないわけですが、結果的に空いた場所にぽこんとはまり込むかのように、ニューカマーが飛び込んできます。いずれの場合も、モノの扱い方がきっかけとなって、新しいことが起こっていく、という展開です。目的としたこと、動機になったこととは関係なく、何らかの物質を媒介として物事が進んでいく、ということがポイントです。私たちは自分で思うほど知的精神的動物ではなく、あらゆる物質的な条件に支配されています。ゆえに、物質との関わりを変えることが、結果として世界全体との関わりの変化につながっていくことも、けっこうあるのです。1月後半から2月頭にかけて、素晴らしい愛と情熱の日々となっています。ファッションなど物質的条件を刷新する人もいそうです。2月前半は仕事や日々担っていることの内容が大きく変わり、それによって「用いる道具」も変化するかもしれません。4月は外に出る機会が多いでしょう。愛に追い風が吹くのは1月後半から2月頭、4月、6月末から7月頭です。

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12星座別占い

Horoscope : Ishii yukari / Illustlation : Chihiro Yoshii

石井ゆかりプロフィール

ライター。星占いの記事やエッセイなどを執筆。『12星座シリーズ』(WAVE出版刊)は120万部を超えるベストセラーに。『3年の星占い(全12冊)2018-2020』(文響社刊)も発売中。主宰WEBサイトは『筋トレ』http://st.sakura.ne.jp/~iyukari

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