旅するように味わう、フランス郷土菓子の世界。

TOKYOパリジェンヌのスイーツみやげ

日に日につのる寒さとともに、焼き菓子がおいしい季節。「Gâteaux de Voyage(ガトー・ド・ヴォワイヤージュ)」と呼ばれるフランス伝統の焼き菓子は、文字通り「旅する(日持ちのする)お菓子」としてパリジェンヌの暮らしに欠かせない存在のひとつ。ガトーバスク、アマンディーヌ、パン・ド・ジェンヌ、ダコワーズ……。フランス菓子と言えど、国境を越えて進化したルセットも多く、それぞれのストーリーに思いを馳せてみるのも楽しい。小麦とバター、そして作り手の愛が織りなす幸せな化学反応は、心を温める最強の手みやげとなりうるかも!?

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バスク地方ではその昔、鯨漁に出る船に積む定番の保存食だったというガトーバスク。香り豊かなこの焼き菓子はグランピングなどの手みやげにもおすすめ。手前:ガトーバスク・ポム 1個¥450 奥:ガトーバスク:1個¥450

いつでも焼きたてが味わえる、本場さながらの一品。

バスク地方の「ミルモン」やパリの「ラ・ヴィエイユ・フランス」など、フランス各地の名店で修行を重ねたパティシエ・戸谷尚弘氏が、2015年6月に帰国しオープンしたバスク菓子専門のパティスリー「メゾン・ダーニ」。同店のアイコニックな一品は、朝7時から店頭に並ぶガトーバスク。「焼きたてにまさる味はない」と約1時間おきに“焼きたて”を提供するのがシェフのこだわりだ。「ミルモン」シェフパティシエ、ブリュノ・パイエ氏に「美味しいものを共有する親友」として受け継いだレシピから、本場さながらのガトーバスクが生み出される。ローブリュー(十字)の模様を刻み、黒さくらんぼジャムを包みこんだ定番のガトーバスクは、フランス産バターとスペイン産アーモンド、カソナードを融合したザクザクっと歯ごたえのある生地があとをひく。リンゴの模様が刻まれた冬季限定のガトーバスク・ポムには、長野県でも標高の高い小林農園で栽培される糖度の高いサンフジを使用。サックリとした生地の内には、自然な甘み・酸味をたたえたリンゴのジャムがたっぷり。あたたかなドリンクとともに味わいたい。

MAISON D'AHNI|メゾン・ダーニ
東京都港区白金1-11-15-1F
tel:03-5449-6420
営)7:00〜19:00
休)火
http://mdahni.com/

≫ 次のページでは、仙川「ラ カンドゥール」のアマンディーヌとパン・ド・ジェンヌを紹介!

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左:アーモンドタルトの中に甘酸っぱいグリオットチェリーを入れ、表面にもジャムをたっぷり塗って。着色料不使用、自然由来の鮮やかピンクがキュートな「アマンディーヌ」。 右:気軽に食べれるようカット売りされる人気焼き菓子「パン・ド・ジェンヌ」はホールでも購入できる。いずれも1個 ¥250
プレート:マルガレーテンヘーエ プレート(直径23cm)GR ¥7,400

計算しつくされた、風味絶佳のドゥミセック。

2016年8月、仙川にオープンして以来話題の「ラ カンドゥール」。名店「ロオジエ」でジャック・ボリー氏に師事した安藤康範シェフは、フランスの伝統的なレシピをベースにした焼き菓子も数多くラインナップする。ガレット・ブルトンヌやクロッケ・オ・ザマンドなど、フールセックもさまざま展開するなかで、ショーケースの上で焼きたてを提供するドゥミセック(半生の焼き菓子)に注目! パティシエであり詩人でもあったシプリアン・ラグノーが17世紀に作り出したとされるアマンディーヌを、安藤シェフはアーモンドタルトと甘酸っぱいグリオットチェリーの小気味良いコントラストで表現。そして“ジェノヴァのパン”を意味し、19世紀初頭にフランス軍がイタリアの都市ジェノヴァを包囲した歴史から生まれたパン・ドゥ・ジェンヌは、ローマジパンとメレンゲ、オレンジピールで完成させた生地のバランスが絶妙。どちらも風味豊かなアーモンドを主役に、素朴な見た目とは裏腹なほど緻密に計算されている。紅茶とともに楽しみたい焼き菓子だ。

LA CANDEUR|ラ カンドゥール
東京都調布市仙川町1-3-32
tel:03-5969-9555
営)10:30〜19:30
休)火(不定休あり。特に月曜日)
www.facebook.com/lacandeur.sengawa/

≫ 次のページでは、白金台「アコテ・パティスリー」のダコワーズとマドレーヌを紹介!

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左:現在日本でもよく見かける小判型のダコワーズは、実は日本で考案された形状なのだとか。生地にフォーカスした「フロンティエール」(2個入¥980)は、外側がサックリ、中はしっとりの黄金比率をたっぷり味わわせてくれる。右:“コメルシー”という名前にこだわりを感じさせるマドレーヌ(1個¥220)。
プレート:マルガレーテンヘーエ プレート(直径13cm)WH、BR 各¥4,400

伝統の魅力を再発見する、口福体験。

2008年のオープン以来、根強いファンに支持される白金台「アコテ・パティスリー」。オーナーパティシエの増沢正明氏は、フランス菓子の殿堂とも言われる「オーボンヴュータン」や、フランス各地の名店で長きにわたり研鑽を重ねた人物。小さなカウンターを隔てて厨房と対面にしつらえた店内には、ドゥミセック、フールセックがところ狭しと並べられる。今回セレクトしたのは、ダコワーズをベースに創作したオリジナル菓子「フロンティエール」と、定番「マドレーヌ・コメルシー」。一般的なダコワーズとは一線を画す面立ちのフロンティエールは、アーモンド風味のメレンゲを使ったダコワーズ生地の基本をベースに、オレンジのピール、キャラメルソースが意外な風味の展開をもたらす。一方、ロレーヌ地方コメルシー発祥の焼き菓子とされるマドレーヌの伝統に忠実に、コキーユ(真珠)型で焼き上げられるマドレーヌ・コメルシーは、秋田県小坂町のはちみつが隠し味。重すぎず軽すぎず、はちみつの魔法で絶妙な生地バランスを香り豊かに仕上げる。めくるめく増沢流ガトー・ド・ヴォワイヤージュは、得も言われぬ幸せな食感。この風味はぜひ大好きな友人たちとシェアして。

À CÔTÉ Pâtisserie|アコテ・パティスリー
東京都港区白金台2-5-11
営)9:00(月 11:00)~19:00(土・祝 ~18:00)※13:00~15:00は準備時間
休)日・不定休あり
<今月のうつわ>
シンプルで美しい曲線。選び抜かれた釉薬の色味が人気の「マルガレーテンヘーエ」。1924年、バウハウスの影響下で設立されたドイツで一番古い工房のひとつで、現在はソウル生まれの李英才(リー・ヨンツェ)がアートディレクターを務めている。ミニマルなフォルム、焼きしめた繊細な色彩は料理のみならずスイーツとも好相性。六本木LIVING MOTIFにて取り扱い中。

●問い合わせ LIVING MOTIF Tel. 03-3587-2784 www.livingmotif.com

photos:TETSUO KITAGAWA, texte:AKARI MATSUURA, collaboration:LIVING MOTIF

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