作原文子がミラノサローネで見つけた、今年のお気に入り。

世界中から最新のデザインが集結する、ミラノデザインウィーク。開催から少し時間が経ってしまいましたが、今年はゆっくりと時間かけていろいろと巡ることができたので、いまでも記憶に残っている私の気に入りをいくつかピックアップしてみたいと思います。


もっとも印象的だったのが、オランダのデザイナー、マーティン・バースの個展「NEW! NEWER! NEWEST !」。新作ばかりが集まるデザインの祭典のなかで彼が提案したのは、200年かけて新作をつくりあげるという途方もないアイデアでした。


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植栽をデザインすることで、森のなかに〈NEW〉という文字を浮かび上がらせ、季節に応じて文字の色が変化していく「The New Forest」や、植林のすぐ横に型を設置し、木が成長する過程で自然と椅子が成形されていく「The Three Trunk Chair」の2つを発表。


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本人も別に皮肉っぽい発想ではなく、本当にできたら面白いと素直に思っていた様子。現代社会に必要とされる本質的な価値、深い思考をこうして軽やかに見せてくれるのは、さすが。


カツラをかぶったバース博士のポスターはかわいかったから、もらっておけばよかったな。


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若手が中心に集まるちょっと騒がしいランブラーテ地区の一角で、静かなギャラリー空間をつくりだしていたのがピケ・ベルグマンス。彼女の作品は21_21 desginsightの「POST FOSSIL」展など、日本でもすでに紹介されていますが、作品の完成度にはいつも驚かされます。


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ガラスは、ちょっと冷たくて、とっつきにくい素材というイメージもあるのですが、彼女の作品はとにかく人懐っこい。それでいて、とてつもなく美しい表現にまとめあげられているので、一体なんなのだろうと不思議な気持ちになってずっと眺めてしまいました。


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前出のバースにも共通するのですが、アプローチ自体はとてもシンプルでいて、奥深さがあるのはいいですね。


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そして、フランクフルトに本社をかまえるe15が、スイス・ローザンヌにあるデザインスクール、エカールの学生たちとともに行ったワークショップもかなり意欲的なもの。


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e15の代表的な製品に、無垢のオーク心材を使ったテーブル「BIGFOOT」とその端材を応用したスツール「BACKENZAHN」がありますが、これと同じ考えで、本展では素材をさまざまに転用することで新たに生まれるデザインの可能性を学生のフレッシュなアイデアを交えながら紹介しています。


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多少荒削りな部分はありますが、素朴な表情でサイズ感も良いので、親近感を覚えます。触れるだけでやすらぎを感じさせてくれる木は、やっぱりいいなって再認識させてくれました。


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