テーマはブロッサム。テーブル上の花々
「Iittala × Issey Miyake」

アルヴァ・アアルトがデザインしたフラワーベースやカイ・フランクのティーマシリーズ、オイヴァ・トイッカのバードなどでも知られるフィンランドのIittala(イッタラ)。そして、Issey Miyake。

気になる2ブランドのコラボレーションとなるホームコレクションが誕生しました。日本でのお披露目の会が先日、都内のフィンランド大使館で開かれたところです。

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美しいピンクのライトに包まれてのコレクション紹介。フィランド大使館で。Photo: Noriko Kawakami

ホームコレクションの名は、「Iittala × Issey Miyake」。マヌ・ヴィルタモ駐日フィンランド大使のことばとともにこの日の会は始まりました。「クリエイティブなつくり手が互いに刺激しあい、ひとつのテーマのもとに追求を続けた貴重なプロジェクト。フィンランドと日本における現代的な創造性の融合であり、さらにはアートとデザインが普遍的であることを示すものです」

「ハッリ・コスキネンさんから届いた一通のメールから、今回のプロジェクトが始まりました」と、プロジェクトの経緯を紹介してくださったのは、三宅デザイン事務所の北村みどり社長。

「長い歴史を誇るイッタラ社とどのようにプロジェクトを進めていくのがよいかということから考えました。IittalaとIssey Miyake、それぞれの専門領域を活かした開発を進めた結果として、すばらしいハーモニーが生まれました」

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こちらもフィランド大使館でのお披露目の会で。Photo: Noriko Kawakami

ヘルシンキを拠点として活躍するデザイナー、ハッリ・コスキネン。彼の才能を日本にいち早く紹介してくれたのも三宅デザイン事務所の「MDSギャラリー」での彼の個展でした。そのことを懐かしく、楽しく、思いだしていた私です。ハッリはIssey Miyakeのウォッチ「VAKIO」や香水「lumière d'Issey」のボトルデザインも手がけています。

そのハッリがIittalaのデザイン・ディレクターに就任したのは2012年のこと。Iittalaとして一緒にプロジェクトを行いたいと彼が願った相手がIssey Miyakeだったのです。こうして両者の対話がスタート、4年の月日が費やされて今回のホームコレクション第一弾の発表となりました。

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「Iittala × Issey Miyake」。Photo: Courtesy of Fiskars Japan

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テーブルフラワー¥5,940、¥7,020。エメラルド、ピンク、ライトグレー、写真の他にダークグレーも。3サイズ4色。Photo: Courtesy of Fiskars Japan

コレクション全体のコンセプトは「ブロッサム」。空間やテーブルを彩る花、との考えで提案された造形が「五角形」でした。「五角形は非日常性を表わし、特別な時間をもたらしてくれる」との考えです。

さらに注目したいのはテーブルランナーやプレイスマット、ナプキン、クッションカバーのいずれにおいても、Issey Miyake独自のプリーツ加工や立体的な折りが活かされていることです。

折りやプリーツに関する最新のテクノロジーが活かされているだけでなく、一枚一枚が手で折られてつくられているなど、繊細な手仕事を抜きにしては完成しえない造形の数々。テキスタイルそのものへの大変なこだわり、さらにはその質感はこれらの写真からも感じとっていただけるかと思います。

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プリーツや立体的な折りなど、繊細な表情が美しいテキスタイル・アイテム。Photo: Courtesy of Fiskars Japan

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クッションカバー(ヘリンボーン、ジグザグ、ランダム)¥21,600。カラーバリエーションはエメラルド、ライトグレー、ダークグレー、ピンク。Photo: Courtesy of Fiskars Japan

一方、陶磁器やガラスのカップ、プレート、フラワーベースは、角が少し丸みをおびた不等辺五角形に。その柔和で個性的なフォルムも魅力に溢れています。また今回発表されたアイテムは、テキスタイル・アイテムと陶磁器、ガラス製品をあわせて30種類にも。素材、かたち、色をコーディネイトする楽しみが用意されています。

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陶磁器やガラスのアイテムは不等辺五角形。ホワイト、ピンク、グリーン、グレーという色の選択にも注目を。カップ¥4,104、プレート¥4,104、プラター¥7,560、¥11,880、フラワーベース¥11,880。Photo: Courtesy of Fiskars Japan

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フラワーベース¥11,880。Photo: Courtesy of Fiskars Japan

デザインとクラフツマンシップ。長く愛されるタイムレスデザインという考え方。素材の選択に始まり、丁寧で緻密な手仕事が活かされたものづくり。フィンランドと日本、同じ思いを持つ人々の対話と情熱を背景とするすばらしいホームコレクションです。

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これらの五角形を目にして桜の5枚の花びらを思い描いていた私です。底の不等辺五角形と上部の丸いフォルムがゆるやかに連なるカップは、手にやさしくなじみます。春の花を思いおこさせるピンクのやわらかな色、深みのあるグリーンもとても美しい。Photo: Noriko Kawakami

Iittala×Issey Miyake
https://www.iittala.com/jp/ja/home

3月1日より、イッタラ GINZA、イッタラ 松屋銀座で販売中。
問合せ先 Tel.03-3543-3454(スキャンデックス)

Noriko Kawakami
ジャーナリスト

デザイン誌「AXIS」編集部を経て独立。デザイン、アートを中心に取材、執筆を行うほか、デザイン展覧会の企画、キュレーションも手がける。21_21 DESIGN SIGHTアソシエイトディレクターとして同館の展覧会企画も。

http://norikokawakami.jp
instagram: @noriko_kawakami

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