白いコスモスのある風景、秋風に揺れる野の花のあしらい

花のある週末 2016.09.29

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途切れながら続く秋の長雨。優しい雨を美しいと思えるお年頃になりましたが(笑)、それでもスカッと空高い秋晴れが待ち遠しい今日この頃です。

花屋さんには、オレンジのカボチャたちが賑やかにお目見えしていよいよハロウィンシーズン♪ そして、物静かな風情の和花の世界から一変して、絢爛なダリアの美しき饗宴が始まっています。ダリアはもうちょっと涼しくなるとより長く楽しめるので、アレンジのご紹介は来週に。今週は、コスモスが揺れる爽やかな高原に思いをはせて、野の花のあしらいをご紹介しましょう。

秋風をまとう花、コスモス、秋桜。
渡る風に揺れ咲くコスモスの群れは、日本人が抱く心の景色のひとつ。ロードサイド一面をピンク色に染める様はまさに秋の桜、郷愁にかられる花です。これほど親しまれているコスモスですが、原産国はメキシコ、スペインを経由して江戸時代末期に日本にもたらされ、その花の存在が有名になったのは明治も終わりの頃と言いますから、意外にも歴史が浅いのです。

コスモスの中でも特に誌的だなぁと感じる「白いコスモス」。ちょっとセンチメンタルな気分の今の季節にぴったりだと思うのです。花言葉は「乙女の純潔」。真っすぐで無垢な感じが少し危なっかしくもある、夢見がちな乙女時代を思い出させてくれる花。コスモスを活ける時、あえて「白」を選びたくのはそんな理由からかもしれません。

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そして秋の行楽シーズン、最近話題の“グランピング”が気になります。グランピングとは、glamourous(グラマラス)+camping(キャンピング)からの造語で、要するに贅沢なキャンプ、という意味なのですが、自然を“優雅に”満喫したいというわがままな女性に人気の新しい旅のスタイルといいますか、今一番やりたいこと(笑)。つい先日、そのグランピングに連れていったらきっと素敵!! と一目惚れしてしまったグレーのマーブル柄のホーローのピッチャー。高原に広げたテーブルに、摘んできたばかりの野の花を飾ってゆっくりブランチなんて最高の週末だわ〜♪ と妄想しながら活けました。

ホーローのピッチャー、従来は水差しですが、口元がシェイプした形状は初心者の方でも花を活けやすい形で、どんな花を活けても絵になるので、フラワーベースとしておすすめです。白いピッチャーをひとつ持っているととても便利ですよ!

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白いコスモスと野の花の投げ入れグランピング風

【材料】(画像左から)
*ワレモコウ 1本
*パ二カム(イネ科の穂) 4~5本くらい
*センブリ 白2本
*コスモス 白5本
*紅葉ヒペリカムの枝 1本
*花器(ホーローのピッチャー) 1個
*切花栄養剤小袋 1~2袋 ※最近は購入時につけてくれる花屋さんが増えました

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【作り方】

  1. 花器に切花栄養剤を正しく希釈した水を7分目ぐらいまで入れます(500mlの空のペットボトルを活用すると便利です)。
  2. 紅葉ヒペリカムの枝を小分けにカットします。水に浸かりそうな部分の葉は取り除き。枝の切り口をできるだけ斜めに
    鋭くカットします。枝が太い場合は、枝にマイナスにハサミを入れ、より水を吸いやすくします。紅葉している枝モノは水が下がりやすいので、なるべく早く活けてあげましょう。
  3. センブリ、小分けにカットしたワレモコウを活けながら、コスモスも活けていきます。コスモスは茎が細く、また花顔の向きもまちまちなので自力で真っすぐ立たせるのはむずかしいため、ヒペリカムの葉や他の草花とうまく絡ませながら立たせるように活けていきます。
  4. 最後に花と花の合間にふんわりとパ二カムをあしらって出来上がり!!

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白いコスモスにあわせてチョイスした白い小花は「センブリ(千振)」。もともと中国、朝鮮半島、日本の山野に生育する薬草で、日本では古来から腹痛を治す民間薬として有名です。「千回振出してもまだ苦い」というのがその名の由来とか。とても苦味が強く、最も苦い生薬(ハーブ)と言われています。星のような可憐な花をたくさんつける花姿からは想像できないですが、そんなに苦いと言われると苦く見えてくるから不思議です。

「ヒペリカム」は一年中手に入る、かわいいどんぐりのような形の赤や緑の小さな実がつく枝モノですが、今の時期は葉がきれいに色づいた「紅葉ヒペリカム」が出回ります。画像の枝はまだやや緑が多めでですが、グリーンから明るめの赤にグラデーションしていく様子が美しく、和洋どちらの花にも似合い、そして紅葉の枝モノのわりには葉持ちが良い優秀な秋の花材です。花に紅葉した枝を少しプラスするだけで秋モードに~♪ ぜひ花選びのご参考に……!

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白いコスモスにもイネ科の「パ二カム」をあわせましたが、ちょっと田舎に行けばそこら辺に生えていそうな植物も都会では“グラス”として人気があります。「シャンペトル(田舎風)」スタイルが人気の昨今はナチュラルな花材として欠かせません。画像は、グレイッシュなピンクが美しい季節の花ケイトウ「セロシア」と、秋の七草のひとつである「藤袴(フジバカマ)」をささっと束ねたものに、猫の尾っぽのような草、同じくイネ科の「チカラシバ」をあわせた気取らない花あしらいです。野花のような風情は秋の楽しみのひとつ、季節の花々がそっと暮らしに寄り添う感じを何とも愛おしく思います。

ではでは皆さま、花と素敵な週末を。

 

<INFORMATION>

c04-waku-weekendflower151026.jpg花の国日本協議会では、昨秋より本格的に
「WEEKEND FLOWER」企画をスタート!

家族や友人が集う食卓に、1週間がんばったご褒美に。ウィークエンドに花があるだけで、会話がはずんだり、笑顔が増えたり、心がほっとしたり。"日常の素敵"――花のある暮らしを提案します。

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