クリスマスを心待ちにする愛おしい時間
~ウィークエンド毎に灯をともすアドベント・キャンドル~

花のある週末 2015.11.27

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北国からは雪の便り......12月を目の前に冬が駆け足でやってくるようです。
花屋さんの店先はクリスマスモード全開! 真っ赤なポインセチアやクリスマスリースが所狭しと並んでいて、通りかかるだけでわくわくしてしまいます。そして店内はモミやコニファーなど針葉樹のフォレストな香りに包まれて......冬のはじまりは、一年の中でも特に花屋さんにいるひとときが幸せなシーズンだなーと思います。

クリスマス......子どもの頃は、クリスマスイブやクリスマスの朝枕元にあるサンタさんからのプレゼントが何よりの楽しみでしたが、大人になった今は、手作りのリースを飾ったり、シュトーレンを作ったり、家の中で少しずつクリスマスを迎える準備をしていく......そんな時間が愛おしいと感じるようになりました。

クリスマスを心待ちにする時間、「クリスマス・アドベント」。
最近は日本でも「アドベントカレンダー」を楽しむようになってきましたね。私は先日、とある英国フェアで、バッキンガム宮殿のとてもかわいいアドベントカレンダーをゲットしちゃいました♪ 最初の12月1日の窓が、雪の上に可憐に咲くスノーフレークの花! もうそれだけで一目惚れでした。毎日ささやかな喜びに出合える、クリスマスまでの日々が楽しくなる、それが人気の秘密のようです。

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そもそも「クリスマス・アドベント」とは何でしょうか。
キリスト教では、キリスト生誕の日とされる12月25日の4週間前の日曜日から、24日のクリスマスイブまでを「アドベント(日本語では待降節または降臨節)」と呼び、この日からクリスマスに向けて準備を始めます。アドベント(Advent)という言葉は「到来」を意味するラテン語Adventusが由来で、「キリストの到来」を意味します。つまりアドベントとは、キリスト教における"イエス・キリストの降誕を待ち望む期間"のことなのです。

アドベントには、キャンドルを4本用意し、第一主日(最初の日曜日)に1本目のキャンドルに灯をともし、その後、第二、第三、第四と週末毎に1本ずつキャンドルを灯していくという習慣があります。常緑樹で作った「アドベントリース(アドベントクランツ)」の上に、4本のキャンドルを対角線上に立てるアレンジ(画像上右)が一般的です。

ウィークエンド毎にキャンドルの灯をともす「アドベント・キャンドル」。クリスマスを待つ静かなひととき......おごそかでロマンティックな冬の素敵な過ごし方ですね。今回はこの「アドベント・キャンドル」アレンジメントをご紹介しましょう。

まずは、冒頭の画像のアレンジから。

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【エバーグリーン香るアドベント・キャンドルアレンジ】

◆材料
<画像はアレンジ1個分の目安>
ブルーバード(コニファー)  適量
ブルーアイス(コニファー)  適量
銀葉アカシア         適量
※4個分の分量としてはそれぞれ70〜80cmの枝1本ずつでOK

カラマツなどの小さな実    適量
(今回使用しているのは、「カラマツ(シルバー系)」と「ピナスカプリシャス(ホワイト系)」の2種)
キャンドル          4本
花器             4個
吸水性スポンジ        1本を4等分して使用

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◆作り方
1. 吸水性スポンジを器の大きさに合わせてカットし、ボウルなどを活用して水に浸し、十分に水を含ませます。
2. 器に吸水性スポンジをセットします(器が防水性でない場合は、セロハンなどで内側を保水します)。
3. 吸水性スポンジの中央にキャンドルをぐっと挿します。
4. キャンドルのまわりに、細かくカットしたブルーバード(画像上右)の枝をぐるっと1周挿し、ややこんもりとさせます。
5. さらに、ブルーアイス(画像上 中央)や銀葉アカシア(画像上左)を少しずつ加えます。
6. 最後に、カラマツなどの小さな実を5~6個散らして出来上がり!

※どなたかにプレゼントされる場合には、持ち運び時にキャンドルが倒れたり小さな実が落ちたりしないよう、それぞれにワイヤーをかけて吸水性スポンジに挿した方が良いですが、家の中で飾る分にはその手間は省いても大丈夫です。

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このミニキャンドルアレンジを4つ並べることによって、「アドベント・キャンドル」となるわけです。
そしてこの4つのキャンドルアレンジ、クリスマスを祝うディナーテーブルの「センターピース」にもなります。

テーブルの中央に横一列にアレンジメントを並べ、その隙間を20~30cmの小枝に切り分けたブルーアイスをランダムに並べます。そこにさらに無造作にアレンジにも使用したカラマツなどの小さな実を散らせば、とても簡単に、ナチュラルでシックなクリスマスディナーのテーブルコーディネートの完成です♪

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ゲスト銘々のプレートには、イノセントな白バラを小さなグラスに一輪あしらって添えるなど、キャンドルアレンジがあれば、あとは少しの花でも十分おもてなし感が伝わります。クリスマスカードなどのペーパーアイテムを、ネームプレート替わりにプラスしてもおしゃれですね。

今回は、大人っぽいフレンチシックなテイストでまとめてみましたが、クリスマスデコのポイントは、

*テーマカラーとテイストを決め、色数はおさえる。
*トレンドでもあるナチュラルな素材を集めて、森の中のクリスマスのような雰囲気に。
*クリスマスらしい針葉樹をメインにする。シックにまとめるには、シルバーがかった青みのグリーンを選び、うっすら雪をかぶったようなシルバーや白っぽい実モノなど、色目のイメージをグレイッシュに統一すると良いでしょう。

冬の森の香りと蒼い静寂に包まれる......そんな森のクリスマスのような雰囲気が演出できたら素敵ですね。


次は、クリスマスのスペシャリテ! 「ヤドリギ」をあしらった「アドベント・キャンドル」をご紹介しましょう。

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【ヤドリギに愛を誓う、恋人たちのアドベント・キャンドル】

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◆材料
ヤドリギの小枝     5~6本
白いバラ        3本(今回使用した品種は「シェドゥーブル」という香りのバラ)
花器          3個(高さがある花器1個、小さめの花器2個)
キャンドルホルダー   4個
ティーライトキャンドル 4個
切花栄養剤の小袋    1袋

◆作り方
1. 切花栄養剤を適量混ぜた水を花器に入れます。
2. 高さのある花器にヤドリギを活けます。
3. 丈の低い花器にバラをあしらい、ヤドリギの小枝も少し織り交ぜます。
4. キャンドルホルダーにティーライトをセットし、花のまわりにランダムに配置すれば出来上がり!
※キャンドルを花の真下には置かないでください。火が小さくてもかなり熱くなります。

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もしも今の季節、花屋さんで「ヤドリギ」に出会えたらそれはとてもラッキー♪
ぜひ手にしてほしいクリスマスの花材のひとつです。黄緑色のジェリーっぽい質感の実がとても美しく、小さなイルミネーションのような輝きがあります。「ヤドリギ(宿り木)」はその名のとおり、様々な樹木に半寄生している植物。日本ではあまり注目されませんが、欧米には、ヤドリギ(Mistletoe)にまつわるとてもロマンティックな風習があり、クリスマスに欠かせない植物なのです。

Christmas Kiss Under Mistletoe

なぜクリスマスにヤドリギか? というと、ケルト神話や北欧神話ではヤドリギは幸福、幸運、安全をもたらす聖なる木とされ、とても縁起の良い植物だったことに由来します。ヤドリギの小枝を吊るし、その下を通る時に幸福や幸運を願うという習慣が生まれ、それがいつの日からか未婚の男女が幸せな結婚を願うようになり「ヤドリギの下で出会った男女はキスをしても良い」という習慣が生まれたそう。また、ヤドリギの下でのキスを拒むことは縁起が悪いとされ、ヤドリギの下でキスを拒むと翌年は結婚できない、という言い伝えも合わさって、「ヤドリギの下では女性は男性からのキスを拒否しない」......ということになったそうです。

欧米では女の子が好きな男の子の気をひくためにヤドリギの下へ行く......なんていうロマンティックなことも実際にあるんだとか。若かったら絶対やりたーい!(笑)

一昨年の12月、パリに滞在していた際に、せっかくクリスマスシーズンのヨーロッパにいるのだからクリスマスマーケットを観に行こう! と、パリ東駅から特急TGVで2時間半、フランス最古で最大、ドイツ国境に程近いアルザス地方・ストラスブールのマルシェ・ド・ノエル(クリスマスマーケット)に行ってきました。車窓から遠くの木々にヤドリギがたくさんついているのが見えて、初めて目にする光景に感激してしまいました。クリスマスマーケット内の売店でも、モミの木やホーリーたちと並んでヤドリギのブーケも売られていて、それがカフェスタンドの上に吊るしてあったり、寒い寒い冬だからこその心温まる愛の表現だなあと、ほっこりした気持ちになったことをよく覚えています。 

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(画像左上:木立に寄生しているたくさんのヤドリギ/画像右上:ストラスブールのクリスマスマーケットの様子/画像下:マーケット内の花売場とヤドリギのブーケ)

今年のアドベントの始まりは今週末、11月29日の日曜日!
このウィークエンドはぜひ、「アドベント・キャンドル」アレンジを作って、最初のキャンドルを灯してみましょう。キャンドルの灯は「希望の光」を表しているのです。ウィークエンド毎に、心穏やかにひとつずつキャンドルを灯しながら、世界中の人々の平和を願い、そして自分の心にも明かりを灯しましょう。

さあ、クリスマスの始まりです!クリスマスソングを聴きながら、少しずつクリスマスの準備を楽しみましょう♪
皆さま、花と素敵な週末を。

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<INFORMATION>

c04-waku-weekendflower151026.jpg花の国日本協議会では、今秋より本格的に
「WEEKEND FLOWER」企画をスタート!

家族や友人が集う食卓に、一週間がんばったご褒美に。ウィークエンドに花があるだけで、会話がはずんだり、笑顔が増えたり、心がほっとしたり。"日常の素敵"― 花のある暮らしを提案します。


◆WEEKEND FLOWER ティザーサイト
http://www.floweringjapan.com/weekendflower/

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