CHICHI PARIS ~パリに住むエステティシャンのblog~

情熱のオペラ「カルメン」!

オペラ「カルメン」の千秋楽に行ってきました。

会場は満席!オペラバスティーユで3月から7月まで、2700人を超える観客を連日動員できるフランス人の芸術への関心の高さは凄いです。

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この千秋楽はスペシャルな夜で、カルメンを演じるのがエリーナ・ガランチャ、そしてドン・ホセを演じるのがロベルト・アラーニャの超スーパースター&美男美女ということで、すごく楽しみにしていました。

オペラに詳しくなりたくて半年前から声楽を習い始めて、カルメンの歌詞も勉強してきたから観る準備はOK (^o^)/

ところが・・・・・・・

耳にするのは不評の嵐!!!!

時代背景が現代に置き換えられていて、カルメンの良さやスペインの情緒がない、出演者がほとんど裸でいる、iPhoneでカルメンとホセが連絡取り合っていた(←実際はミカエラとドン・ホセがカメラで二人で自撮り)、セックスシーンがある(!)などなど、聞くたびに楽しみにしていた気持ちが削られていくばかり。しまいには声楽の先生にはチケット売ったら?とか、友人には目をつぶって聴けば?とは言われる始末 (-。-;

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エリーナ・ガランチャ 美しい横顔!
 

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ロベルト・アラーニャ

さて、実際の舞台はどうだったかというと、噂通りつっこみ所が多すぎるー!

第一幕は、罰を受けて走らされている白いブリーフ姿の隊員からスタート。鍛え上げられた肉体美とふさふさの胸毛が眩しい。そして、カルメンがいきなりで電話ボックスから、超セクシーな黒のスリップではすっぱに登場!カルメンさん、働いているタバコ工場の上っ張りのボタン全開ですよ〜(汗)

女性たちの衣装は柄&柄、原色&原色のド派手コーデ。大人しいミカエラですらスパンコールが光る紫のパンツに、オレンジと緑のシャツ、トルコブルーのバック、茶色のつっかけとしか見えないサンダル。カルメンは、赤や黒のピカピカのまるで漫才士が着るようなブラウスに、全くそぐわない黒とグレーの柄模様のスカートという出で立ち。衣装さんの意図は一体・・?

そして、何と言っても衝撃だったのが、カルメンとドン・ホセが結ばれるシーン。とてもシンプル、かつ明瞭。車で登場したカルメンが、車の後頭部に敷いていた毛布をバンっと乱暴に地面に敷き、その上にドン・ホセを突き飛ばして、パンティを脱ぐ(爆)そして馬乗り(キャー)

情熱的で欲望のまま生きる肉食系カルメン。だけどオペラ愛好家は保守的でご高齢の方も多そうなので、刺激が強かったみたい。あのエリーナ・ガランチャがパンティを脱ぐなんて・・・!と観客席はわさわさして手に汗を握りました(汗)

***

そしてショッキングな第一幕、第二幕が終わり、休憩の後の第3幕。

男性がいきなり服を脱ぎ始めたと思ったら、そのままパンツも脱いで全裸!噂に聞いていたほとんど裸というより、真っ裸。

全裸のまま股をパンッパンッ!と2度叩いて、45度向きを変えてまたパンッパンッ!そしてまたまた45度向きを変えてまたパンッパンッ!4回繰り返して、つまり観客に360度全裸でパンパンをしたら、パンツを持って退場(爆)

え?闘牛士の儀式??? フランス映画や舞台は全裸の演出は多い割に、大抵どうして全裸になる必要があるのか解らないけれど、肉体美の男性を鑑賞した謎の演出でした。

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こう書くと、散々な舞台だったように思われるかもしれませんが、実は素晴らしくて大感激でしたー!!

ひとたびエリーナ・ガランチャがハバネラを歌いだし、その素晴らしい声を聴いたら鳥肌立ちました。変な衣装もパンティ脱いだのもすっ飛ばして、美しい顔に目は釘付け、美しい声にはひたすら耳をかたむけずにはいられませんでした。これはロベルト・アラーニャも、エスカミーリョもミカエラも同じこと。

私の隣の席のムッシューは声楽を勉強している人で、すでに一度観に来ていたらしく始まる前は文句を言ってましたが、彼らが歌うたびに「ブラボー」と叫んで大きな拍手を送っていました。

演出への感想は人それぞれ異なっても、彼らの歌声が全てを超越して、観客に大きな感動を与えました。フィナーレはスタンディングオベーションで、いつまでも拍手が鳴り止まないので、幕が下りても何度もエリーナガランチャとロベルト・アラーニャが挨拶に出てきてくれました。

夏の熱い夜、情熱的な恋の舞台は最高!

 

chichi

立神詩帆 / Shiho Tatsugami
2002年渡仏。エコール・フランソワーズモリスで学び、エステティック・コスメティックCAP国家資格を取得。2011年からパリ7区でエステサロンCHICHI(シシィ)を自営。All About のフランス流美容ガイドとして、パリジェンヌから学ぶ美容情報やライフスタイルに関するコラムを掲載中。
好きなものは、フランスの食文化、1日の終わりのアペリティフ、アルゼンチンタンゴ、旅。

www.chichiparis.com
https://allabout.co.jp/gm/gp/1693/
Instagram: @chichi_paris7

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