Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

ようやく会えたKlimt !!

長い間ずっと本物が観たいと、憧れていたのが"Gustav Klimt"(グスタフ・クリムト)の絵。

残念ながらパリには作品は少なく、いかにもクリムト!なものを今までちゃんと見たことがありませんでした。

今年はクリムト生誕150周年ということで、パリでのエクスポジションを期待しつつ、やっぱりオーストリアまで
行かないとダメなのかな・・・と思ってました

それが、ヴァネツィア滞在中にサン・マルコ広場でお茶をしてると、広場後方に"KLIMT"の文字が

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お茶でまったりしてる場合じゃないと、垂れ幕の詳細を確認に行くと、
"Museo Civio Correr"(コッレール博物館)「クリムト特別展」がつい数日前に始まった、と。

ラッキーという訳で、博物館の14~18世紀のヴェネツィアの街の歴史と人々の暮らしの様子を
展示した常設展示を観た後、いよいよクリムト展をやっているウィングへ

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館内は撮影禁止だった為、展示会図録などから画像をお借りしながら。

クリムトを好きになったきっかけのは、たぶんこの有名な一枚。「接吻」

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恍惚な女性の、幸せそうな満たされた、色っぽい表情。
男性のギューっと守ってくれそうな強さ&包容力に一目惚れ

そして、頭の中ではfall in love~っと、ORIGINAL LOVE(田島貴男氏の甘ねっとりな)「接吻」が流れた
この絵は、クリムト自身と恋人エミーリエ・フレーゲがモデルとされてます。
(画家や芸術家には多いですが、クリムトも恋多き男・・・)

この絵を見ていると、なんだか普段あまり自覚できない気持ちを刺激する絵だなぁと感じる。
たぶん、それは「女」な部分


次の一枚は「女の生の3段階」の中の母子像の部分。

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我が子を抱く、女性の優しい穏やかな顔とスヤスヤ眠る赤ちゃんの可愛さ
二人の白く柔らかそうな肌は穢れなく、美しい。
これもやっぱり、普段はなかなか芽生えない「母性本能?」をくすぐられるような気持ちに・・・。

そんなクリムトの作品、本物がどんなものなのか今回間近で見て大感動でした

想像以上にこういった代表作は大きく、それぞれ繋ぎ合わせた屏風のようなものや壁一面使うものなど
とにかくサイズが大きい
その大きさを思うと、簡単に国外に持ち出しての展示会は難しいかな・・・と納得。

その中に贅沢に金箔などを張ってあり、華やかで艶やか。

「水蛇」

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クリムトと言えば甘美とか官能的と形容されると同時に"femme fatale"(ファム・ファタル)をテーマに
描いたことでも有名ですが、「ファム・ファタル」ってなんだか気になる言葉

男性を虜にして翻弄して最終的には破滅させてしまう怖さと冷たい美しさを持った女、
我がままに周りを振りまわし、困ったちゃんな存在でありがなら犠牲にした男達には許されちゃう・・・。


今回の特別展の広告ポスターにもなっているのが代表作「ユディト」。

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旧約外典「ユディト記」をもとに描かれたユディト。

「ユディト記」とは、アッシリア王の命令で将軍ホロフェルネスが軍を率いて、美しくリッチな未亡人ユディト
が暮らすベツリアの街へ侵攻するも、ユディトは美貌を武器に将軍ホロフェルネスに近づき、酒宴に招く。
そして酔いつぶれた将軍の首を切り落とし、ベツリアの街を救ったという逸話

英雄伝なのに、この色っぽさというか艶めかしさ、フワフワと漂うような死がクリムトの世界
将軍の生首を持って、こんな顔できる女性にちょっと怖いけど気持ちをそそられるような気がする。


そして今回の展示では、個人的にはこのユディトⅡ(サロメ)に釘付けでした。

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新約聖書の中でも有名な「サロメ」のお話。

サロメという我がままな女性が叔父のユダヤ王ヘデロに欲しいモノを尋ねられ、イエス・キリストの洗礼者
ヨハネの生首を求めた、という話は、沢山の画家が題材にしているけれど、クリムトの「サロメ」には一際
ファム・ファタルな香りが

絵の一部や背景などに使われる幾何学模様、ちょっと日本の家紋や唐草模様に似たようなものがあり、
間近で観てもとても華麗で綺麗。

そして絵から漂う「死」の香りは、中心地を離れたヴァネツィアの静けさやお墓だけの離島のイメージと
重なる部分もあって、なんだかとても合っている気がしました。


まさかヴェネツィアで憧れのクリムトに出会えると思ってなかったのですが、その結果
益々クリムト好きになりました 


おまけのパリ
ハイヒール、好きです
が、さすがにこのスーパーな高さは無理?!

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これらは、オブジェです
香水を売っているお店のディスプレーでした~。

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それでも履いてみたい?!
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<INFO>
Museo Civio Correr(コッレール博物館)
Plazza San Marco
*クリムト展は2012年7月8日迄
http://www.mostraklimt.it/
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KEICO

新潟県の旅館に生まれるも女将にならず、上京、進学、就職、まさかの出逢いと結婚。
約10年間のOL生活の後、2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆


そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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