Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

フランス人はバカンスを我慢しない

今月19日に発売された生島あゆみさんの「フランス人はバカンスを我慢しない 〜仕事も人間関係もうまくいく、知的エゴイズムのすすめ」という本を興味深く読みました。

30代でのフランス留学をきっかけに、その後毎年フランスで1ヶ月間過ごすことをライフワークにしている著者が、自らの経験と多くのフランスに暮らす友人を通じて感じ取ったフランス人的な生き方、考え方がわかりやすく紹介されていて、まるでサロンのトークショーような感覚で一気に読めました。

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フランス人はバカンスを我慢しない。
確かに私の周りを見ていてもフランス人のバカンスに対する思い入れは強く、バカンスのために生きている!?と感じることがあるけれど、それはけして大袈裟な言い方ではないのです。
「仕事の為に生きる」のではなく「人生を楽しむ為に仕事をする」。
忙しいから、時間がないから、お金がかかるから…などと言ってバカンスを我慢する人はいない?!
仕事とプライベートのオン・オフの切り替えが上手く、お金をかけずともバカンスは楽しめるということも知っている人達。

そしてバカンスを我慢しないことをはじめ、生活の中の様々なことを「我慢しない」生き方を実践しているなぁと感じることが私も度々です。
それってただのワガママ? 利己主義にも聞こえてそうですが、そうじゃないところが興味深く、面白いのです。
本書は、ただの利己主義じゃないフランス人の生き方を、著者の造語であるフランス流の「知的エゴイズム」として色々なエピソードを絡めながらわかりやすく解き明かしてくれます。
日常生活でのオン•オフやリフレッシュの重要性から、余暇文化から生まれ得る経済効果の可能性まで幅広いトピックスをカバーしながら私達の意識改革の必要性を説いています。

そもそも「エゴイズム」という言葉にはネガティブなニュアンスがあります。
私自身、学校や会社で、自分の属する社会で心がけていたのは「自己中」と思われないこと。協調性があって和を大事にできる人だと周りから思われたいという意識が常にあったし、そういう姿勢がヨシと道徳教育されたように思います。
20年前はそれで良かった部分も多かったのかもしれないけれど、今の時代は変化が激しく、まさかの大統領が誕生したり、テロ事件が起こったり、明日何が起こるかわからないような時代。その潮流は今後もっと激しく蛇行していくのだろうと思うのです。そんな時代を生きていくには、簡単に「ウィ」とは言わないフランス人のように自分なりの意見や哲学を持って生きないと!

人は誰しもエゴイスティックな存在。
自分の価値観だけで周りを判断してしまうことが多いと私自身も日々感じ、反省することも。。
そんな中で、著者が語るフランス流・知的エゴイズムには「寛容さ」が伴っているのだと。
本当の個人主義とは自分だけのワガママではなく、自分を主張するのと同じぐらいに相手や他者の異なる意見や言葉にも耳を傾ける=「寛容」であること。つまり、個々の人間がそれぞれのエゴや考え•意見を持っていることを認めた上で自分をはっきり主張•表現する生き方。

全編を通して「知的エゴイスト」とはどんな考え方や生き方で、どんな心持ちでいたらいいのかがわかりやすく述べられ、私の中でも日々感じるフランス人的生き方、考え方がよりクリアに見えてきた一冊でした。

そして読後に感じたのは、もっと自分に正直に生きていいんだなぁ、生きたい!と同時に同じように正直に生きるまわりの人達を受け入れられる人でいたい、受け入れる社会であって欲しいと。それは自分だけで完結するものではなく周りも一緒に変わらないとなかなか難しいのだけど…。

「愛すること、それはお互いを見つめ合うことではなく、同じ方向を一緒に見つめることである」とサン=テグジュペリの言葉が本書には引用されているのですが、読後にこの言葉はジワジワと沁みました。

これから年末年始のお休みですが一年を振り返り、そして新たな年に向けて気持ちも改め、2017年を自分らしくステキな一年にしたい!そんな気持ちになる1冊です。

⇒ http://books.cccmh.co.jp/list/detail/1977/ 

 
books.cccmh.co.jp
フランス人の 数多くの友人や、エリート層との交流から学んだ、セラヴィ人生哲学。 フランス人の生き方(寛容で他人との共存を重んじながらも個人主義・・・言うなれば知的エゴイズム)。その視点で「仕事」「人間関係」「生活の楽しみ方」を見直すと、ストレス社会に参考になることが沢山!

 

フランス人はバカンスを我慢しない 仕事も人間関係もうまくいく、知的エゴイズムのすすめ
12月19日 CCCメディアハウスより出版
<本書の概要>

■Chapitre1:「知的エゴイズム」のベースは個人主義■Chapitre2:気持ちの余裕が100倍になる「知的エゴイズム」仕事の流儀■Chapitre3:空気を読まないほうが、人間関係はうまくいく■Chapitre4:「生活の美」―自分を楽しませる人生哲学

 <著者>生島あゆみ

大阪府出身、甲南大学経営学部卒業後、カナダ・フランス・ドイツに語学と花を学ぶために留学。現在、英、仏の通訳及び通訳案内士(主に個人のVIP 向)の仕事に携わる。日本の文化・歴史(特に食と庭園)を紹介するため、嵯峨御流師範、日本庭園デザイナー、フードコーディネーターの資格を持つ。ライフワークとして、フランス風花束レッスンを京都で開催。ヨーロッパ(特にフランス)と日本の文化の架け橋となるべく、独自の“おもてなし文化論”を体系化し、講習会やオリジナルツアーを企画・開催中。

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KEICO

新潟県の旅館に生まれるも女将にならず、上京、進学、就職、まさかの出逢いと結婚。
約10年間のOL生活の後、2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆


そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

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