行くたびに違うティルプス☆
東京自宅のご近所に数年前にオープンしたフレンチレストラン“TIRPSE”(ティルプス)は、お邪魔する度にシェフが交代されているので料理も変わり、なんだか新鮮。
変わらないのはエントランスで迎えてくれる迫力の大オオカミくんだけ?!
そんな狼に焦点が合ってしまった…。(すみません、シェフ!)
以前から知り合いのパリ帰り田村浩二さんが年初からシェフに就任☆と伺い、お邪魔してきました(^^)
お洒落な田村シェフはデニムのエプロンにロン毛ちょんまげヘア♡
まん中はコロッケみたいなPommes dauphines(ポム・ドーフィヌ)、左右には薄紙のように繊細にパリっとした玉ねぎのチュイルをアンチョビ風味、上下にはベルガモットとリコッタチーズを載せたチップスのアミューズ3種でスタート。
若葉の季節、綺麗なグリーンはブロッコリーとグレープフルーツとパルメザンチーズ。
グレープフルーツの苦味をはじめ組み合わせが愉しく美味しい(^u^)
コンソメスープの中にウニ、甲子柿、人参ピューレ、そしてほんのり香るカカオ☆
「甲子柿」とは初耳単語だったのですが、岩手県三陸釜石・甲子(かっし)町の名産物で、渋柿を柿室と呼ばれる密閉した空間で燻して脱渋したものだそう。普通の柿と比べるとデリケートで柔らかく、ゼリーのような食感の柿。
筍の茹で汁でマリネした筍をホタルイカの魚醤とともに☆
添えられたのは自家製のベルガモット(だったと思う)のコンフィチュール。
田村シェフが全てのお料理をサーヴし、丁寧に説明をしてくださり、一つ一つにこだわりと熱意が込められた料理の数々に頷きながら必死に聞いてみたのですが、それでも耳から溢れ、断片的しか記憶できなくて申し訳ない…。
ま、美味しかったらなんでもイイよー☆がスタンスのただの食いしん坊だし。(開き直る…)
クールにかっこいいプレゼンテーションのこちらはアオリイカとイカスミチーズにイカ肝のリゾットを添えて。
「イカスミチーズって??」にわかに浮かんだ疑問の答えは、飛鳥時代から食べられていたと言われる古代の、日本初のチーズと言われる「蘇」の製法を参考に田村シェフが作った自家製チーズ。
日本でそんなに古くからチーズが食べられていたことに驚きながら美味しくいただきました。
そこで気になる「蘇」。(西野牧場が復元した蘇↑)
7世紀末の文武天皇の時代には作られていた記録があるそうで、牛乳をゆっくりと煮つめたもの。当時は高貴な人々だけ牛乳を飲んでいたそう。考古学者によるとおそらく中央アジアの草原のパオの中で生まれ、シルクロード通り、飛鳥の都へ伝わって来たと。誰もが蘇を口にすることができたわけでなく、貴族や高級官人、貴婦人の滋養や美容の特効薬として珍重された高級食品だったそう。
フランス・ロワール産の白アスパラガスと鳩のレバー。
レバーはほんのわずかなのですが、さすが内臓、濃い!でも左に一粒だけ添えられたケッパーがたった一粒なのに強いアクセントで食べやすくしてくれる役目。
魚料理は10日間熟成のアンコウ。
自家製のサテソースとココナッツクリームで東南アジアっぽく仕上がっていました。
肉料理は小鳩。
カカオと麦のソース。鳩とカカオと言えばメヒコ☆ こちらはメキシコ料理を連想させる一皿でした。
藁で燻製された玄米チップスは、さっぱりとヘルシー。
ワインはお料理に合わせるペアリングコースをいただいたのですが、小鳩に合わせられたオーストラリアのシラーズ主体のBetween Five Bellsが特に印象的♡
エチケットも可愛いので思わずメモがわりにパチリ。
シェフが頻繁に交代する中で、パティシエールの中村さんは不動のデザート担当☆
そのデザートはスイーツマニアの間で評判となり、以前は期間限定でデザートのみのコースが設けられていたほど。
今回の一品目はレモンのムースとアイスクリーム☆
中からは香りのよいバジルソースがとろりとお目見え♡
美味しさがピンポイントで味わえるところがレストランデザートの醍醐味。
春らしい可愛さをはらんだ桜のアイスクリームと白インゲンのケーキをクレソンのソースで。
白インゲンのケーキのしっとり感と甘味加減が絶妙♡
今後はこうして田村シェフと中村パティシエールのコンビによるコース料理を楽しめる♬と思っていたら、近々中村さんは退職されてしまうそうで、これがこちらでいただく最後となりました。残念!
しばらくは田村シェフがデセールも担当されるそうなので(そもそもデザートお得意☆)また今度お邪魔する時は違った印象のティルプスになりそう(^^)
☆おまけパリをBelle et Bonne Blogで更新☆
今日は、「赤いルリジューズ」
⇒ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-1496.html
<info>
TIRPSE(ティルプス)
東京都港区白金台5−4−7 BARBIZON25 1F
03-5791-3101
<Profile>
KEICO
新潟県の旅館に生まれるも女将にならず、上京、進学、就職、まさかの出逢いと結婚。
約10年間のOL生活の後、2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆
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