Comme d'habitude 〜パリ・東京行ったり来たりblog〜

緑溢れるモーリス・ドニ美術館☆

久しぶりに美味しいバヴェットステーキを楽しんだサンジェルマン・アン・レーでのデジュネ。

IMG_20154_2.jpg

しかも前菜&メインのランチセットは16.5ユーロというコスパに満腹満足した後、目的の場所へ。

街の中心部からすぐそこかと思いきや案外歩きまして(20分ぐらい?)ようやくココ?!と。

IMG_21095_2.jpg

敷地は長い塀に囲まれ、想像以上に大きな建物に驚く(@_@;)

更に左に曲がって坂を下る。

IMG_20914_2.jpg

その大邸宅ぶりに、ドニってお金持ちだったの?と思いながらようやく到着。

IMG_20170_2.jpg

訪れたのは、ナビ派、フランス象徴派を代表する画家兼版画家のMaurice Denis(モーリス・ドニ)が晩年に暮らした邸宅兼アトリエで、現在はドニをはじめとするナビ派の画家たちの作品が展示されているMusée départemental Maurice Denis(モーリス・ドニ美術館)

IMG_20815_2.jpg

外の暑さから来ると救われる〜!中はひんやりとした石造りの建物独特の空気感。

K「個人の邸宅にしては通路や階段も広い作りだね。」

夫「ここ、元は病院とかじゃないの?」

K「え…!」

こんなところは勘がいい人だなと思ったのは、その通りでパンフレットによると元々は太陽王ルイ14世の寵妃・モンテスパン伯爵夫人が建てた王立の総合病院だったそう。

IMG_20814_2.jpg

モーリス・ドニは晩年にこの建物を購入、改装し、“Le Prieuré”(ル・プリウレ)=小修道院と呼んで家族と共に暮らし、制作活動を行ったそう。

IMG_20177_2.jpg

これまでオルセー美術館などで繰り返し観ていたモーリス・ドニの作品ですが、こうしてまとめて観るのは初めて。しかも館内ほぼ貸切状態でどの部屋もゆっくり独占鑑賞。

1900年当時、印象派の写実主義から離れ、人間の内面や超自然的なものを「象徴」という方法で表現しようとドニがポール・セリュジエ、ボナール、ランソンらと作ったグループ「ナビ派」。

「ナビ」とはヘブライ語で「予言者」という意味で、「時代を導くような新しい絵画表現を切り開く」、そんな思い込められた名称なのだと。

deni12.jpg

(Autoportrait devant le Prieuré ル・プリウレ前の自画像)

ドニはフランス・ノルマンディー地方出身で裕福な家庭に生まれ育だち、幼少時代にここサンジェルマン・アン・レーの街で過ごしたことを知りました。

きっとその時の思い出が良くて晩年にココに家を構えたのかな…。

人生において最終的に住みたい場所ってどんな人にもそれぞれ想いや理想がありそう。

deni18.jpg

(Saintes femmes au tombeau キリストのお墓に訪れる聖女たち)

そして彼は敬虔なカトリック信者だったため多くの作品に神話や聖書の中のシーンをモチーフにした作品が多いことをを知りましたが、それはちょっと意外でした。

と言うのも、そう知ってタイトルを確認すると確かに聖書の一場面だったりするのに、所謂「宗教画」っぽさがなく、モダンな印象というかメルヘンチックに感じます。

deni11.jpg

(L'échelle dans le feuillage 木々に埋もれた梯子)

その絵はペターっと平らで二次元・平面的で、アラベスク模様など装飾性が高く、独特のカラートーンが美しい☆

少女漫画っぽさも感じる優しく、綺麗な世界。

好き嫌いは分かれそうな作風な気もしますけど。

IMG_2071_12.jpg

(Madane Ranson au Chat  マダム・ランソンの猫)

こんな風に愛猫に足下で可愛くじゃれられながらティータイムを楽しんでみたい…♡

IMG_2073_2.jpg

それから館内で印象的だったのは、礼拝堂☆

Collage_Fotordeni3.jpg

それほど大きくないものの、美しいステンドグラスと青色で描かれた壁画に囲まれた祈りの場所。

ここに描かれている人物はドニに馴染みのある人々だそう。

IMG_21093_2.jpg

この美術館の建物を出て裏側にまわると中には入れませんがドニのアトリエがその姿を残しています。

IMG_20818_2.jpg

そして素敵だったのは広い敷地内のお庭。

階段を下りてみましょー♬と暑がる夫を無視して行くと、ちょっとした森のよう。

IMG_20192_2.jpg

まさにドニが描いたような風景が目の前に広がりました。

deni17.jpg

(緑の樹のある風景 オルセー美術館蔵)

IMG_20191_2.jpg

花はもう終わっていましたが、この薔薇のアーチも満開だったら相当綺麗だろうと思います☆

IMG_20817_2.jpg

あら、建物の脇にはブールデルの彫刻も。

(関連記事⇒ https://madamefigaro.jp/paris/blog/keico/post-696.html )

IMG_2079_12.jpg

(Les Communiantes devant la chapplle du Prieure プリウレの礼拝堂前にミサに集まる人達)

私にはあまり馴染みのなかったモーリス・ドニですが、やはり実際に画家がそこに暮らし、制作をしていたと思いながら、感じながら作品を鑑賞するとても感慨深く感動しました。

きっと今後は彼の作品を見る度に、この緑豊かな邸宅を思い出すと思います☆

deni01.jpg

ブラっ出かけたサンジェルマン・アン・レーの街でしたが、他にも行きたいところがいくつかあるので、また訪れたいと思います。

やっぱりイイ街☆

À demain(^^)/

おまけのパリをBelle et Bonne Blogで更新☆

今日は、「ラ・ラ・ランドからロッキーまで…
⇒ http://belleetbonne.blog.fc2.com/blog-entry-1570.html

 

<info>
Musée départemental Maurice Denis(モーリス・ドニ美術館)
bis Rue Maurice Denis, 78100 Saint-Germain-en-Laye
01 39 07 87 87
http://www.musee-mauricedenis.fr/

 

KEICO

新潟県の旅館に生まれるも女将にならず、上京、進学、就職、まさかの出逢いと結婚。
約10年間のOL生活の後、2004年渡仏。
現在は夫と共にパリ・東京を行ったり来たりな生活中☆


そんな毎日からのグルメ・ファッション・カルチャー・バカンスなどの話題を中心にブログ更新致します。

ARCHIVE

MONTHLY

清川あさみ、ベルナルドのクラフトマンシップに触れて。
フィガロワインクラブ
Business with Attitude
2024年春夏バッグ&シューズ
連載-鎌倉ウィークエンダー

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories