パリの子ども事情

夏休みから新年度へ。パリのバレエ事情(13)

今週からバレエスクールの通常練習が始まりました。

その前に8月のこと......。
夏休みの最終週末にSTAGEといって自由参加のレッスンが3日間開かれました。
我が長男はもちろんのこと、今回からは7歳の次女も参加です。

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STAGEの場合はレベル関係なく午前中2時間練習します。
下は7歳、上は20歳ぐらいのお姉さんもいます。
このレッスンはほとんど休憩なく動いているのでかなりハードそうでが、同じスクールのお姉さんたちと一緒に練習するのはとても楽しいそうです。
このスクールでは、フランスは約2ヶ月ごとに学校のお休み(2週間の)があるので、その都度3日間STAGEは開かれます。
普段のレッスンは、親は見学できないので、STAGE最終日の公開レッスンを楽しみにしています。

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午前中のSTAGEが終わると1時間半の休憩。
コンクールへ出る生徒たちが残り、今シーズンの新しいコレグラフィーの練習に入りました。
初日、スクールのお姉さんたちとは恥ずかしくてランチを一緒に食べられなかった次女。
三日目にはすっかりみんなと仲良くなりました。
午後も2時間のレッスン。
先生に教えてもらった振り付けを、大きな鏡を見ながら何度も繰り返して練習します。

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そして、ついに2ヶ月のヴァカンスを終えて、9月から新学年がスタート!
幼稚園は3歳になる年に入学して3年間通います。
小学校は日本より1年短く5年生まで。
中学校はその代わりに4年間あります。
教科書が重いせいでしょうか? だいたい2年のランドセルはボロボロ。
5年生の長男のランドセルはVANSのチェッカー柄を選びました。

新しい学校へ入学、クラス替えをして新しいお友達、先生はどんな人だろう? 
と、日本の子どもたちと同じでパリの子どもたちも浮き足立っていました。

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毎年恒例の学校で使う文房具のリスト、なんと今年は生徒がノートへ書き写す方法でした。
さすが最終学年! 5年生!
4年生までの生徒たちは印刷されたリストでした。

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「バインダー類やノートは新しいものが必要だけど、色鉛筆や筆箱などはまだまだ使えそうだから、4年生の時のものを使うよ」と長男。
新しい文房具でモチベーションを上げて学習してほしい、と、親は勝手に思っていましたがあまり関係がなかったようです。

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パパのエストニア出張のお土産がちょうどよくノートでした。
このテのノートはいくらあっても重宝します。

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そして、こちらも新学期の恒例、8月のSTAGEのレッスンから引き続き、新学年が始まったその日から放課後にありました。
通常のレッスンが始まるまでの2週間は、日曜日以外は放課後2時間の集中レッスン。
メトロで通ったり......。

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時間のない時は学校から直接車で向かいます。

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時間に余裕がある時はバスで。

写真を見ていてふと気がついたのですが、いつも移動中の時間を使っておやつを食べてますね。
学校が終わるのがおやつの時間なので、ここで食べておかないと......。
日本ではお行儀の悪い"歩き食べ"です。
フランスでは普通のことなので気にしていませんでしたが、日本帰国の時にやらないように気をつけなければ!
習慣の違いですね。

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更衣室はこんな感じです。

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通常のレッスンの時はこのふた部屋を女の子たちが使います。
男の子は一番多いクラスで5名なので、シャワールームで着替えをします。

毎夕のレッスンに慣れていない次女は、足がまず筋肉痛になりました。
そして、夕食中に寝てしまう......。
ところが2週目あたりから体力もついたのか? ちゃんとごはんを食べられるようになりました。

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シニヨンを結うのは私の役目でしたが、中には送り迎えがパパという生徒もいます。
そんなパパが娘の髪を結う姿を見て微笑ましく思っていましたが、我が夫にはかなりハードルが高かったようです。
先生が直してくださったとか。

コンクールの練習をしている同じ時間帯に、今シーズンの申し込みがありました。
いつもは見られない上手なお姉さんたちの練習をチラッと見ながらの申し込みは、小さな子どもたちのやる気を最大限引き出すそう。
「私もあんな風に踊りたい」
そう、バレエには踊りたいという気持は本当に大事ですものね。
地道な練習ばかりですから。

長男が3年前に入った時は4人しか男の子はいなかったのに、去年は9人に増えていた。
5歳6歳の一番小さなクラスに男の子が3人入ったとの噂。
総勢10人を超えそうです。
日本にちょっと遅れて、パリも男の子が増えてきました。

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10月、南フランスのグラースで開かれるCONCOURS INTERNATIONAL DE DANSE CLASSIQUE DE GRASSEを皮切りに、コンクールシーズンに突入です。
長男はひとつ上のカテゴリーへ。
先シーズンは8コンクール出場。
カテゴリーが上がったので今年はますますの努力が必要。
自由曲の練習も始まり、この1年の成長が楽しみです。

変わったことは、これらのコンクールに次女も参加することになりました。
一番小さいカテゴリーでどこまで奮闘できるか?
兄弟でもタイプが違うので、ケアの仕方を考えなくては......。


そして、そんな1年の締めくくりには、スクールのステージが待っています。
2015年6月末のTERPSICHORE発表会のテーマは「METRO」

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クラスごとに1曲踊ります。

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ボリショイバレエ団のスクールに入学が決まったテアちゃん。

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舞台で兄妹共演。
この時まで知らなくってビックリでした!
舞台では喧嘩なし。

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最後は生徒全員がステージに上がり踊ります。
大迫力!

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親子3代の先生陣。
生徒たちからも会場の親からも大喝采!

ちょっとした発表会というよりは、2時間のストーリーのあるダンスのスペクタクル。
親バカですから涙ぐみながら大騒ぎで拍手しながら観ていましたが、日本から来てくれたバレエの先生をしている友達が「子どもたちのダンスで鳥肌がたったの久々」と、ポツリ。

生徒たちはプロダンサーになるためにやっているのだろうか?
長男みたいにそれを当たり前と思っている子はきっと少ない。
コンクールは出るけどバレエダンサーになるかはわからない、という次女。
踊りが好きだから週に一度習いに来ている、そんな子も多い。
でも、この発表会を見ていて思ったのは、どんな子だってここまで真剣に体を使った経験は、これから他のことにも活かせるだろうな、ということ。

J.I.M.先生方の素晴らしい指導にいつも感謝しています。

【関連記事】
パリのバレエ事情(1)
https://madamefigaro.jp/paris/blog/maiko-matsunaga/post-1335.html
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松永麻衣子

パリ在住ジャーナリスト

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