パリの子ども事情

パリのバレエ事情(4)NIJINSKI 国際コンクール

バレエのコンクールシーズンに突入しました!
1ヶ月にひとつ、多いときでふたつのコンクールに出場予定の長男です。
スクールによっていろいろな方針があると思うのですが、長男が通っているterpsichoreは積極的にコンクールへ出場させます。

ではまず、今年が第1回目のNIJINSKI国際コンクール。
場所はフランス高級リゾート地のドービル。
ノルマンディ建築の特徴的な梁が外壁に見える街並です。

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photos:MANABU MATSUNAGA

しかも会場はThéâtre du Casino de Deauvilleでした。
NIJINSKI国際コンクールの名前は、もちろんVaslav Nijinskiが1912年8月6日~22日までこのテアトルのこけら落としの時に踊った事からきています。

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ほとんどのコンクールは週末に行われます。
小さい子のカテゴリーは朝一番に始る事が多いので、前日の夜からドービルへ向かいました。
ちなみにコンクールによっても違いますが、8歳以上から出場できます。
パリから約3時間のドライブです。
現地までは自分たちで行き、会場でスクールの先生達と待ち合わせます。


土曜日の朝、会場のロビーへ。

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カジノの横のサロンがウォームアップの場所です。
スクールごとになんとなく集まって、個々に体を温めます。
この日は予選なので、自分のバリエーションをシンプルな練習着で踊ります。

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先生方の最後の指導。
そして、受付を終えて舞台裏へ。

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体育館のような会場が多いので、このコンクールは一番美しい会場! と先輩ママンたちも大絶賛。
シャンデリアまであります。
この舞台で最初に踊ったのがニジンスキー。
何だか不思議な気持になりました。

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2階席も素敵です。

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始まりました。
審査員は客席の4、5列目に座り審査をします。
その前には誰も座れないようになっています。
そして、今回も演技の後に拍手はしてはいけません。
その代わりに見たものは!!  両腕を上げて手の平をヒラヒラ~。
拍手の代わりです。
審査員の後ろに座っている観客がヒラヒラするのですから、審査員には見えず審査の妨げにならないのでしょうか? これも許されないコンクールもあるそうです。

午前中はpréparatoire、一番小さい子のクラスから始まり、élémentaire、etudes1、2、3と続きました。

そして、予選通過者の発表がすぐにありました。
長男、無事通過。

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午後は大きい生徒たちの番。
帰ってしまう子もいるけれど、ほとんどのスクールの子たちは一緒に応援しながら観ます。

なんと、結果はスクールの15人中12人が予選通過しました。

各自明日の集合時間を先生に確認し、解散。

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日曜日。
まずは衣装に着替え先生からの指示に従ってウォームアップ。


長男はカルメンがこの1年の自分のバリエーション。
この衣装を着て舞台に立ちたかった。
念願が3回目のコンクールでやっと叶いました。

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先生のお孫さんの衣装を細い長男サイズに縫い直してくれた、愛情たっぷりの衣装です。

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女の子達の素晴らしい演技と衣装は見ているだけで華やかな気持になります。
転んでしまった子もいたけれど、最後にもう一度チャンスを与えた審査員の方々。
そして、次はちゃんと踊りきった女の子。
コンクールは独特のものがあるけれど、こんな感動がゴロゴロころがっています。

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全てが終わり、結果の発表を客席で待つ子供達。

小さい子のカテゴリーからの発表です。

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まさかの銅メダルを受賞した長男。
小さい。
そして、副賞のパリの他のスクールからのSTAGE、ヴァカンス中の集中レッスンの招待も受けました。

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授賞式が一通り終わり、審査員の方達が駆け寄って下さいました。
フランスでも男の子のバレエダンサーを目指す子は少ない。
最年少の男の子、だからだと思うけれど「きみは未来の光だ」と声をかけて頂き、うなずく長男。

実は長男の曾祖母がなくなった、
その旅立ちの日に初の国際コンクールで受賞。
曾祖母に守られていたんだと思う。
そして、長男は曾祖母のために踊ったらしい。

何かと想い出深い、印象に残るコンクールとなったNIJINSKY。
子どもの習い事によって、知らない世界を知り、思いもよらない感動をもらえるなんて!
どんどん心に宝物が増えていきます。


後日談。

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フランスにもバレエ専門誌があるのですね。
スクールの先生から教えてもらい初めて知りました。
そこに舞台で練習中のちびっ子達が写っています。

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コンクールのビデオや写真を我が家で見たフランス在住のイラストレーターの友達damikoが描いてくれた、授賞式の長男。
ちょうど来週からdamikoの展覧会が南青山で開かれます。
今回のテーマは「PARIS Chez Catherine」パリ11区で暮らすということ。
素敵なイラストを私も見たい!
http://damiko.fr


llustrator damik●展 2014「Paris chez Catherine」
会期:2014年4月4日(金)~ 4月10日 (木)  11:00~20:00 (土日もオープン)
会場:南青山 GLASS GALLERY 291
東京都港区南青山3-18-5 モンテプラザ南青山
東京メトロ「表参道駅」下車「A4番」出口 徒歩4分


【関連記事】
パリのバレエ事情(1)https://madamefigaro.jp/paris/blog/maiko-matsunaga/post-1335.html
パリのバレエ事情(2)https://madamefigaro.jp/paris/blog/maiko-matsunaga/post-1338.html
パリのバレエ事情(3)https://madamefigaro.jp/paris/blog/maiko-matsunaga/post-1355.html

松永麻衣子

パリ在住ジャーナリスト

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