パリの子ども事情

パリの猫事情/我が家にべべ猫が!

去年の夏に、ノルマンディーのドーヴィルの隣町トゥルーヴィルに引っ越した親友家族。
パリにいた頃は、1匹のビビという虎猫を飼っていて、彼ら家族が旅行へ行く時にはそのビビシッター(猫シッター)をしていた。
何をするかというと、毎日お家に行って1時間ビビちゃんと一緒に過ごすというもの。
トイレの掃除は私、長女は水を新しくして缶詰とカリカリ餌をセットする役目。
下二人はビビとだらりと過ごす。
誰もめんどくさがらず、猫と過ごすこの時間をとても楽しんだ。

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右の大きなネコがビビ。隣の子猫が我が家の猫の兄弟ココ。

パリは犬の街な印象が強いので意外かもしれないが、猫を飼っている家の方が実は多いらしい。
長女のお友達の80パーセントが猫を飼っている。
我が子たちは猫も犬も大好きで「飼いたいよー」と常々言っていた。
私も小学校1年生からずっと猫のいる生活で、パリに来てからも長女が生まれて半年まで最後の猫がいた。
2人目の赤ちゃんも欲しいなと思っていたので、次の猫を飼うことはなかったけど。

そして、3人目を妊娠した時に「猫を飼う」ということを完全にあきらめた。
そのときなんであきらめたんだろう? って今は思うけど、3人の子供を育てる日常に猫が入る余地はなかった。
そこで、3人目の赤ちゃんの名前は猫の鳴き声"ミャー"を文字って"ミア"にした。

長女が12歳になり、長男が9歳になり、次女が7歳になる1ヶ月前の11月。
その、ノルマンディの親友から電話があった。
「獣医さんのところで捨て猫3匹がいたよ。うちも一匹もらおうと思ってるんだけど、麻衣子さんのところもどう? 今から写真を送るから」

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その写真がこれ。
なんと小さく、なんて美人な猫ちゃんたち!
生後1ヶ月で、親猫から離されてまだ数時間だそうだ。

もうそろそろ、猫だったら飼えるんじゃないか?
そして、長年暮らしてきたあの猫のいる生活を思い出した。
夫は「とんでもない! 子供達の世話で手一杯!」と即答。
あー、やっぱり駄目だよね、確かに手一杯。

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「どうだった? 可愛いでしょ? 明日の11時にまた獣医さんのところに行く予定だからそれまでに返事ちょうだい。で、明日の午後パリに行くから猫ちゃん連れていってあげられるよ」と、友達。
電話をもらって24時間後には我が家にべべ猫が来るかもしれない?
これはすごいタイミング。
運命かも!

子どもたちはもちろん欲しがった。
いつの時代もどこの家も"最初だけしか子どもたちは動物の世話をしない"それでは駄目なんだよ、と話した。
「絶対にやるから!」「本当だよママン!」そんな言葉には私の心は動かされなかった。
でも、極めつけは「クリスマスのプレゼントはこのベベ猫がいい!」だった。
DSのカートリッジだのバービーだのいろいろリクエストしていた子どもたち3人ともがだ。
これは、飼い時なのかも。
世話をする! という子どもたちの申し出は守られないと思うけど、これは日々親が言い続けてちゃんと世話ができるようにゆくゆくなれば良い。
「何よりもこのベベ猫が欲しいんだ!」という子どもたちの気持ちが伝わってきた。
私の心がグラリと傾いた。
正直私だってほしい!!!

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明くる日は「Chocolat Papa 移動写真館」の「パリで七五三」の撮影があった。
ノートルダム寺院で、セーヌ川で、パリの小径で。
撮影終了後、ちょうど11時。
返事しなければ!「子どもたちがどんなプレゼントよりもべべ猫が欲しいって、どうする? 可愛いよ~」と夫に何枚もの写真を見せる。
実は夫も大の猫好き。
「グレーのこの子だったら良いかも」と、急遽GOサインが出たのであった。
11時のギリギリセーフ。

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そして、サンラザール駅に15時に到着するという親友親子と我が家のベベ猫を迎えに。
この急展開はもう、運命でしかない出会い。
1日弱の出来事。
幼馴染みのようじ君がこのバッグに入れてべべ猫を大切に運んでくれた。
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この子がこれから我が家の一員です。

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生後1ヶ月。
まだ頭が大きくてバランス悪くてユラユラ揺れて座っている。
名前はKEY/子供達の喧嘩を減らす鍵? という意味も込めて。
ユラユラ揺れてフラダンスみたいだから"ALOHA"をミドルネームとして長女がつけました。

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子供達の喧嘩は確かに減った。
でも、同時に幸せな争いが始まったのであった。

"KEY ALOHAの取り合い"

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わたしはタイムキーパーのごとく30分おきに抱っこする時間を計る日々が始まった><。
めんどくさいけど、前よりはよっぽど良い時間が流れているのはたしかだ。

猫ってお世話が楽だ。コレ忘れてた。
こんなんだったらもっと早くにまた猫飼ってれば良かった! って思う程。

3兄弟にとってKEY ALOHAとの生活はこれからの長い人生の素晴らしい想い出、素晴らしい経験になる事は間違いない!

そして、誰よりも嬉しそうにお世話しているのがパパでした。

松永麻衣子

パリ在住ジャーナリスト

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