インスパイアされる旅とパリの日々

パリから日帰りアート三昧の旅 建築編

パリから日帰りアート三昧の旅 建築編

こんにちは。もうすでにル・アーブルの旅から戻って、フランスバスク地方を旅して、今はマダガスカルから戻る飛行機に乗っているエコノミークラスジェットセッター、石坂紀子です。

とはいえ、前回の続きとして建築編を書かないと気が済まないので、
最近の旅はおいおい綴っていくことにして、ル・アーブルの建築をご紹介したいと思います。

ル・アーブルはかなり大きな港町なのですが、波止場を仕切っているのは先祖代々続くフランス人の商業ギルドで権利が親から子へ継承されていくので、よそ者が入り込むのは非常に難しい世界だそうです。今ではそんな光景は見かけないようですが、案内してくれたル・アーブルの男性が説明してくれた所によると、
昔は男たちが仕事を見つけに毎朝集まってきて、その日の仕事にありつくものもいれば、出遅れて帰って行く男たちもいたらしい。なんだかそれだけ聞くとドラマティックですね。流れ者たちが集まる波止場の朝。

さて話がそれてしまったのは、港町だっていうことを説明したかったからなのですが、なぜかというと港に必ず山積みにされているコンテナーはこの街のアイデンティティーであり、一つのアイコンにもなっているのです。

そこでまた前回ご紹介したL’été au Haveに話を戻すと、こんなコンテンポラリーアートの作品になったりします。
こちらはヴァンサン・ガニヴェのダイナミックな作品

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こちらはTETRISという元々は城塞だった海軍の宿舎を改装してつくられた音楽マルチメディアセンターです。アーティストレジデンスがあったり、音楽スタジオやコンサートホールがあったり、色々な新しい試みをしている場所。
L ‘été au Havreのオープニングには間に合わなかったので見られなかったのですが、SMART FACTORYというロボットの作るアートのエキシヴィジョンが9月3日まで行なわれているそうです。
これもかなり興味深い!
敷地の中の建物の一つもコンテナーを組み合わせて作られています。

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そしてこちらはなんと大学の学生寮。
住み心地はどうなの?中はどうなっているの?など???
はたくさんありますが、
コンテナーっていうところがル・アーブルです。

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さてコンテナーはもうお腹いっぱい、ということで、メインのル・アーブルにある建築の世紀の傑作、ブラジルの巨匠オスカー・ニーマイヤーのデザインしたLe Volcan(火山)をご紹介します。

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劇場スペースであるGrand Volcan(大きな火山)と図書館、バーやレストランのスペースがあるのですが、建物の描く曲線が美しく、全体のバランスが見事。本当に素晴らしい作品です。これが今回の旅の目玉でした

青い空とのコントラストが感動的。
建物の周りを歩くと曲線の美しさが際立ちます。

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中のインテリアも、80年代に立てられたとは思えない不変のモダニティーを感じます。ただし、よりユーティリティーに合うように改装をしているのですが、そのやり取りは往年のニーマイヤーも関わって行なわれたそう。奥の階段のあるスペースが必見ということだったのですが、なんと18時で一部閉館するとのことで、そこまで辿り着けませんでした。無念・・・

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夜のライトアップされたル・ボルカンも幻想的。

最後にちょっとしたル・アーブル小話を。
ル・アーブル、フランス語での綴りはLE HAVREと書きます。え、なんでHが入っているのにアーブルなの?と思う方もいるかと思いますが、フランス語ではアッシュと読むのですが、Hは発音しないのです。じゃあ、Hを入れる意味ないじゃん!と思ったのはあなたが最初でも最後でもないです・・・
というのはさておき、
この辺りの若者はル・アーブルで会おう、とか言う時に、「じゃあ、LHでね」というそうです。読み方はエルエイチと英語読みで。LA(エルエー)みたいなイメージらしい。日本で言うと武蔵小山をMKとかいう感じかしら?じゃあ武蔵小杉もMKか・・・困った・・・

面白い!と思ったので我が家のティーンエージャー(パリ生まれのパリジャンたち)に教えてあげたのですが、失笑されてしまいました。
でも現地にはLH ORIGINAL というブランドを立ち上げた若者達がいるのです!
パリでもPARIS NORDとかSAINT DENISとか地名を入れたTシャツが数年前から人気なので、同じ流れかな。そしてBoujouと書かれているスウェットなど、これはご当地の方言でサヨナラ、っていう意味なんだそう。ボンジュールと思いきや、ブジュー。ちょっと楽しいですよね?
残念ながら時間がなくてお店には寄れなかったのですが、次回は見に行ってみたいと思います。

それではまた次回!Boujou !

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