冬の南仏プロヴァンス、第三回目はソルグ川沿いの町から。まずは「南仏のヴェニス」の異名も持つ、リル・シュル・ラ・ソルグへとやってきました。時は12月末の日曜日、この日はもうパリへ帰るだけの予定だったのですが、せっかくなのでちょっと寄り道。「いぬパリ」に写真が使えるかも知れないし......←邪心。

日曜日はマルシェの日。生鮮食品もありますが、この町が有名なのは骨董市。毎週開かれる市はパリに次ぐ規模と言われています。

双子の青いじょうろ。弟は運ばれる途中に首がとれてしまいました......（？）。

日付を見ると1933年発行となっている服飾週刊誌。デザインその他、いろいろな面で参考になりそうですな。

「どれどれ、オレの新しいお茶ワンはと......」

ヨーキーも真剣に品定め。

花柄のお皿、5euro（詳細不明）。思いっきりシーズンオフだったせいか、実はアンティーク屋さんはあまり出店しておらず、衣料品、生活雑貨の店ばかりが目立ちました。何を隠そう、結局お皿の一枚どころか、購入したのは部屋で履くためのモフモフ羊毛スリッパでしたし（しかも、後日パリでもっと安く売っていたのを発見......）。数年前のフィガロ・ジャポン南仏取材では、すっかり有名になってしまったリル・シュル・ラ・ソルグではなく、ヴィルヌーヴ・レザヴィニョンのマルシェを取り上げましたね。

さて、いまいち天気が優れませんが、もう少し歩きましょう。モフモフ羊毛スリッパを買ったあとは、骨董市から車で20分、美しい泉があるフォンテーヌ・ド・ヴォークリューズへ。

世界でも有数の水量を誇る泉があるこの町は、年間100万人が訪れる景勝地だそうです。

川の透明度は比類なく、繁る水草から鴨の水かき、川底の石まで、視界をさえぎるものはありません。

心洗われるデスクトップ壁紙も撮り放題。

町の中心から川沿いに整備された遊歩道を歩いて15分もすれば、そこは調査を重ねても未だに水源がわかっていない不思議な泉。この時はだいぶ水位が低くなっていて、覗き込まなければ水面が見えないほどでした。

深い碧色に引き込まれ、その静けさの中に潜ってみたくもなりますが......。

聖なるエネルギーだけを受け取って、地上へと帰還。このあとは帰路につき、パリまで車で700km。到着する頃には泉のパワーも使い切っていました（早いっ）......。というわけで、三回に渡って去年の南仏取材では訪ねなかった町からお伝えしました。次回は......たぶんパリから更新します。どうぞお楽しみに。