ボブ・ディラン、メンフィス、ピエール アルディ???

PARIS DECO

ピエール アルディが来年の春からの新しいラインATELIER collectionを発表した。これは一種のアイデアのラボラトリーといったコレクション。創造性という点に重心を置き、見た目も技術という点においても実験的に創られている。今回発表されたのは靴とバッグの合計11型だ。

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Atelierコレクションの発表風景から。実験的なラボラトリーのイメージだ。左下のサンダルのヒールの名前はALCHIMIA。

このコレクションのアイデアの出発点となったのは、イタリアのスタジオ・アルキミアだそうだ。ここからエットーレ・ソットサスが独立して若手のデザイナーや建築家たちと1981年につくったのが、有名なデザイン集団のメンフィス。グループ結成に際してメンバーが集まったときに、流れていた音楽がボブ・ディランの『Stuck Inside of Mobile with the Memphis Blues Again』だったというのが命名の由来とか。鮮やかな色合わせ、遊びのある独創的なデザインが1980年代に好評を博した。メンフィスが旗手となったポストモダンの時代をしらぬ若いデザイナーたちには新鮮なのだろう。デパートのボン・マルシェのメゾン・フロアの来春の新作で、メンフィスにインスパイアされた椅子というのが発表されたところだ。American Apparelがメンフィスのメンバーだった、ナタリー・ドゥ・パスキエによるプリントのコレボレーションをしたのは2年前のこと。そうそう、11月10、11日にロンドンのサザビーズで亡きデヴィッド・ボウイが所蔵するアート作品や家具などのオークションが開催されたが、その中にも棚のカサブランカや椅子のリヴィエラなどを含むメンフィスの品がけっこう含まれていた。1980年代に購入したのだろうか……。

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左:デヴィッド・ボウイ所蔵品の競売を報じる11月8日付のLe Figaro紙でも、メンフィスの家具を写真入りで紹介。
右:メンフィスにインスパイアされたという、デンマークのKEVIN HVIID STUDIOによるベンチ。ボン・マルシェで来年の2月から販売が始まる春の家具より。

このコレクションの発表に際して、ピエール アルディはスペインの雑誌Apartamentoの創始者3人とコラボレーションをした。これは今インテリアに興味を持つ人々が最も心待ちにするインテリア雑誌で、3人とはADのオマール・ソザとマルコ・ヴェルラディ、そして写真家のナッチョ・アレグルである。彼らによるポップなビジュアルがコレクションの魅力とスピリットを見事に表現している。ピエール アルディの新しい冒険から、目を離さないようにしよう。

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Apartamentoの創始者が手がけたAtelierのファーストコレクションのビジュアルと、NO.18 が目下書店で入手できる最新号。テキストは英語でかかれている。レイアウトやビジュアルを眺めるだけでも楽しめる雑誌だ。

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