クリストフルに、新しいジャルダン・エデンが登場。
PARIS DECO
クリストフルでジャルダン・エデンといったら、オランダのマルセル・ワンダースがデザインしたカトラリーのシリーズ。エデンの園にインスパイアされた植物や花が官能的かつポエティックに飾るシルバーウエアは、2011年に発表されて以来、好評である。
左:スターデザイナーのマルセル・ワンダース。コスメデコルテからもコレクションを発表し、女性たちの間でも馴染みの名前に。photo:@MarcelWanders
右:クリストフルのジャルダン・エデン・コレクション。photo:@Luxproductions.com
この春、同じ名前で照明器具がクリストフルから発表された。もちろんデザインしたのはマルセル・ワンダースだ。クリストフルというメゾンはテーブルウエアのイメージが強いので、照明というと意外な感じがするのではないだろうか。クリストフルの創業は1830年にさかのぼるが、当時はまだ電気のない時代である。1875年に完成したシャルル・ガルニエによるパリ・オペラ座では、早くも電気が使われていて、階段の彫像が掲げ持つ燭台を担当したのがクリストフルである。つまり、かなり早い時期からクリストフルは照明器具の分野に手を染めていたことになる。第二次世界大戦が始まるまで、記録によると約200点の照明関連品が製作されたそうだ。
しばらく活動が休止していた感がある照明部門。このジャルダン・エデンはクリストフルにおける照明器具の復活作の第一弾といってもいいだろう。シャンデリアと1,80cm 高さのランプの2作品。どちらもアラベスクを描くようにうねるメタルの枝が幻想的かつ官能的で、カトラリーのジャルダン・エデンでおなじみのモチーフがひっそりと描かれている。クリスタルのランプシェードは、クリアーとスモークの2種の選択。
左:20のランプのシャンデリア。写真のランプシェードはクリアー・クリスタル。40,000ユーロ。
右:17のランプで、高さ1,80cmのスタンド。写真のランプシェードはスモーク・クリスタル。45,000ユーロ。photos:@Luxproductions.com
マルセル・ワンダースによるこの2点をベースに、日常生活で気軽に楽しめる、卓上ランプが生まれた。これらのランプシェードには、布のチョイスもある。シンプルなデザインは不思議な静けさをたたえていて、なんだか和室にも似合いそうだ。
左:スモーク・クリスタルの卓上ランプ。950ユーロ。
右:ブラック・ファブリックの卓上ランプ。750ユーロ。photos:@studiokujjuk
同時にジャルダン・エデンのシリーズにさまざまな新作が加わった。ペンシル・スタンド、ペイパー・ウエイト……。また写真のような燭台も(左1,700ユーロ、右650ユーロ)。photos :@studiokujjuk
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madame FIGARO japon パリ支局長
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏する。フリーエディターとして活動し、2006年より現職。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。