上質な和食のための、明るいパリ的空間が魅力のYOKO

PARIS DECO

雅でも、侘び寂びでもインテリアのスタイルがどうあれど、パリの日本食レストランのほとんどが空間に明るさや開放感がないというのが今の世代のパリの人の思うこと。とりわけ高級店だと、日本的豪華さがフランス人には重く感じられたり……。

パリの中央、地下鉄駅ブルスのすぐ近くに最近オープンしたYOKO BOURSEは、店名こそ100%ジャパニーズだがインテリアはとてもシンプル。エレガントなコンテンポラリー・ブラッスリーといった印象だ。通りに面して横長の店内は、左右の壁の鏡の遊びで無限の広がりを見せている。そして鏡の錯覚によって店内の中央に仕切りがあるように思えるものの、実は背もたれの高い長椅子が中央で境を作っているだけで、空間はひと続きのようであり、そうでもなくて……という遊びが面白い。長椅子を縁取る黒は、弁当箱の漆の黒から、そしてクッションの赤は芸者の紅からという発想だ。和食に相性の良い木の素材がここでも使われているが、曲木の椅子の背もたれだったり、長椅子のカナージュだったりと、とても軽やか。

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和食のレストランというより、エレガントなブラッスリーといった雰囲気。左右の壁の鏡が生み出す無限に続く空間、なんだか鳥居が連なって並んでいるようだ。photo:Claire Israel

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赤いひなげし色の椅子、手触りを感じさせる飾り気のない和食器……。photos:T.Pirei

インテリアデザインを担当したのはStudio Parisienという、ローランス・B・タルドリュゥとロマン・ジュルダンのデュオ。カルティエ、カール・ラガーフェルド、エルメスなどリュクスなモードのブティックの仕事を彼らは過去に任されている。食の部門では、フレンチ・セレブリティに愛されているオリエント・エクスプレームのモンテーニュ店の内装を2014年に手がけた。

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左:黒が描くグラフィックな直線がアクセントの店内。photo:Claire Israel
右:Studio Parisienの二人。photo:Jaïr Sfez

その店と同じグループBLACK C0DE による新しい店が、このYOKO BOURSEなのだ。パリの和食レストレンとして名高いKINU GAWAも同じグループ、と聞けば、味や素材のクオリティについての不安はゼロ。パリの現代人を相手にしているレストランなので、味噌汁がベジタリアンのコーナーにあったり、丼物の代わりに“ポケ”を取り入れるなど、メニューが少々個性的ではあるけれど。パリ市内の和食店では日本以外のアジア国籍の料理人が多く働いているが、ここYOKO BOURSEのオープンキッチンできびきび仕事をする料理人やスシマンはもちろん日本人だ。店内、和食のクオリティが理解できるエリートらしき男性の一人ランチ姿が見受けられる。

あ、出会いがあるかも! 19時からのカクテルタイムの小皿料理、暖かい季節のテラス席も楽しみだ。

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左:柚子、カラスミ、松の実のドレッシングが効いたベビースピナッチ・サラダ10ユーロ。
右:ポケは4種類ある。写真はマグロ。トリュフのタラマがのっている。15ユーロ。

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メニュー選びに迷ったら、BENTO(36ユーロ)。右上のメインはチキン、ビーフ、サーモン、銀鱈(写真)からのチョイス。これにご飯、味噌椀が付く。ベジタリアンベントー(31ユーロ)もある。

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左:てんぷらの盛り合わせ(18ユーロ)。チリマヨネーズ、ポン酢ソース、ハーブソルトでいただくのがYOKO式。
右:デザートの餅アイスクリーム。
photos:Mariko OMURA

YOKO BOURSE
3 ,rue de la Bourse
75002 Paris
tel  01 85 73 41 29
営)11:45~14:30、19:30~22:00
休)日
www.yoko-paris.fr
大村真理子 Mariko Omura
madameFIGARO.jpコントリビューティングエディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。

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