不思議で可愛い、クレモンティーヌが生み出す動物たち。

PARIS DECO

パリ11区、キャビネ・ド・キュリオジテ的雰囲気を持つアートショップのギャルリー・クリュブ・ソンシーブル。クレモンティーヌ・ドゥ・シャバネによるセラミックとデッサン展『夢の悪夢』が、11月18日まで開催されている。オープニング・パーティが行われたのは、タイトルに似つかわしいからと10月13日の金曜日! だった。展示販売されているのは、ちょっとひねくれた感じが特徴のポストイット・スタイルのデッサンと、ミステリアスでドリーミーなセラミックの彫刻というふたつの世界。

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なぜか斧を持っているうさぎ、ダンスをするヤギ……クレモンティーヌ・ドゥ・シャバネによるセラミックの動物たちは、身近に置いていつも眺めていたくなる不思議な魅力をたたえている。

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ギャルリー・クリュブ・ソンシーブルでは、この展示のためにスペースの一角に昔風の壁紙を貼り、英国的雰囲気を作り上げた。

彼女のセラミックを展示しているウィンドウの前を通る人が、一斉に目をとめるのは両腕を広げた身の丈41cmの猫。かわいい! と思うと同時に、視点の定まらない目つきに、この猫、いったい何考えてるのだろう、と不思議に思い、ついつい惹きつけられてしまうようだ。ギャラリー内に展示されているセラミックの大小の動物たちも女の子も、皆、それぞれに個性的な魅力に溢れている。いたずらっ子の目つきだったり、ちょっと不安をかきたてるような目つきだったり……。

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ウィンドウの猫は高さ41cm。ギャラリー内に展示されているパステルカラーの猫は22cm。彼女の動物たちの多くが頭をかしげ、視線がよそを向いているのは、面と向かって相手と対峙したくないという逃げの態度。もろさ、か弱さを物語る方法だそうだ。少女の顔の上方に「死んだ方がマシだわ」と描かれたパステルカラーのメダルは、小さいながらパンチが効いている。

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クレモンティーヌのセラミックの素材は作業に時間がかかるが、それにより「夜の鳥」に見られる洗いがかかったようなパステルの色調や、動物たちの毛並みの表現が可能なのだという。

クレモンティーヌ・ドゥ・シャバネの祖父母は、レ・ラランヌという世界的に有名なアーティストたち。彫刻家のフランソワ=グザヴィエ・ラランヌ(故人)と、現在もディオールのオートクチュールのジュエリーをデザインするなど現役で活動をするクロード・ラランヌは、夫妻共同でも制作をしていた。「私がセラミックを素材に仕事を始めたのは10年くらい前。 彫刻は独学なのだけど、小さいときに祖父母のアトリエに入り浸っていたので、どのように作業をするのかということはわかってました」と、クレモンティーヌ。子供時代、彼女のデッサンに祖父が意見をしたことがあっても、自分のデッサンは良い出来で、祖父は間違っていると思って耳をかさなかった、と笑う。

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クレモンティーヌ・ドゥ・シャバネ。後方の壁に展示されているのが、ポストイット・スタイルのデッサンだ。右はワニと虎という危険極まりない存在が保護者となって少女を守っているという作品。セラミックの動物たちを作るようになったのは、不思議な力を感じさせ、良い運をもたらしてくれる日本の土偶をギメ美術館で見て、インスパイアされてのこと。最近はサイズの大きな作品も作るが、セラミックを素材に制作をはじめた当初、作品は小さいサイズのものが多かったとか。

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クレモンティーヌがアトリエを構えるのは、パリ郊外のモントルイユ。ここにはさまざまな職種のアトリエがあるので、扱ったことのない素材についての技術を教えてもらうことができる。セラミックは続けるが、今後、木と陶を素材にした家具の制作をしたいと考えてるそうだ。

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開催は11月18日まで。クレモンティーヌによるデッサンは45ユーロ〜。セラミックは80〜3,500ユーロ。この間、他のアーティストたちの仕事の販売も続けている。

Galerie Club Sensible
2, rue des Taillandiers
75011 Paris
営)13:30~19:30
休)日・月
www.clubsensible.fr
大村真理子 Mariko Omura
madameFIGARO.jpコントリビューティングエディター
東京の出版社で女性誌の編集に携わった後、1990年に渡仏。フリーエディターとして活動した後、「フィガロジャポン」パリ支局長を務める。主な著書は「とっておきパリ左岸ガイド」(玉村豊男氏と共著/中央公論社)、「パリ・オペラ座バレエ物語」(CCCメディアハウス)。

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