Parisienne file.vol.9 セリナ・ベリー / ファッションデザイナー
パリジェンヌが集めるヴィンテージアイテム。
パリジェンヌファイル
やっぱり大好きなコレクターズアイテム
「蚤の市やブロカントで見かけると、なんとなく気になって手にとってしまう。
同じようなモノはもう持っているから必要ないかな?と思いつつ、やっぱり買ってしまうんですよね。気がついたらたくさんの数になっていました(笑)」。
セリナのコレクションアイテムは、ヴィンテージのアクセサリーや、刺繍や素材のかわいいランジェリー、そして60年代の古い写真やポストカードなど。異なるアイテムや時代だけれど、自分だけのコレクションを楽しんでいます。
好きなものは部屋の中にどんどん飾って、いつも目に触れられる場所にディスプレイするのが、セリナのスタイル。そうしてなにげない日常の中でも、大好きなヴィンテージのコレクションアイテムからデザインのインスピレーションを得ることも多いそうです。
「クリエーターが写真や資料、生地見本を集めたり、コラージュしてイメージをムードボードに作り上げますよね。わたしにとってコレクションしているいろいろなアイテムこそがまさにムードボードなんです」
クリエーション源にもなるヴィンテージコレクション
【ヴィンテージ写真】1960~70年代の雑誌の切り抜きや、ポストカード、ポスターはフレームに収めて、ウォールギャラリーに。「この年代のファッション写真は、モデルのポージングがエレガントだし、ナチュラルな雰囲気がすごく好き。4年前から集めはじめて、まだまだ壁に飾っていない写真がたくさんあるんです(笑)。」
【ランジェリー】イタリアのナポリの老舗ランジェリーショップで見つけた60年代のブラジャーや、ロンドンのTOPSHOPの野菜刺繍入りのショーツなど、時代も背景もまったく違うランジェリーの数々。「目にした瞬間にピンときたデザインばかり。ファーストインスピレーションが大事なんです」。ハンガーで吊るしたり、写真のフレームといっしょに並べたり、マスキングテープで飾ったりと、見せ方も個性的。
【フラットシューズ】長身なのでシューズはフラット派だというセリナのコレクション。2016年の冬、シーズンの立ち上がりに買ったグッチのミュールや、70年代復刻モデルのクレージュのスリッポンタイプ。スタッズ飾りがアクセントのヴァレンチノなど、雰囲気の違うデザインをその日の気分でコーディネート。
【ヴィンテージのイヤリング】もともと1960年代ファンだから、ピアスでなく、あえてクリップタイプのイヤリングで耳元を飾るのが好き。「昔のデザインは、繊細なディティールで、素材や色も現代のものにはない味わいがあります。コロンとした存在感もたまらないですね」
美しい景観のシャンティイ城で有名なピカルディ地方で生まれる。ファッションスクールMODARTで服飾デザインを学び、フランスの大手ランジェリーブランド、エタムグループのUNDIZでランジェリーデザイナーとして活躍。2016年に自身のファッションブランドPaul Giseleを立ち上げた。 www.paulgisele.com
photos:AYUMI SHINO, réalisation:HIROKO SUZUKI