歴史とグルメを味わいに
夏と秋の唐津へ。

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今年、個人的にも密かに注目をしていたのが佐賀県唐津市。移住者が増えていることでも話題な福岡県糸島市に隣接し、北に玄界灘を望む位置にあります。

有田400周年といったキーワードがありつつも食いしん坊すぎて申し訳ないのですが、本当に食がすごい。この“玄界灘を望む”という地理もポイントのひとつですが、とにかくおいしいものがたくさんとれる! 東京ではまずお目にかかれない幻の魚クエだったり、赤ウニ、それから自然薯、黒イチジク……挙げはじめたらキリがないほど、食の宝庫なのです。

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実は今夏、そんな美味を求めてこっそり唐津旅をしてきたのですが、季節は変わって10月にも唐津に行く機会が。それがこの「ダイニングアウト」というイベントでした。4年前からスタートしたこの企画、「日本に眠る愉しみをもっと」というコンセプトに沿って、コンスタントに日本のどこかで数日間だけオープンする野外レストランを体験するというプレミアムなイベントなのです。過去にはTAKAZAWAの髙澤義明シェフ×新潟県佐渡島、エスキスのリオネル・ベカ×大分県竹田市など、錚々たるメンバーが参加しています。それだけでも期待度大なのですが、ロケーションがまたすごいのです。佐渡では幻想的な能の舞台を目の前に据えて、石垣島では大きなガジュマルの下で……毎回、会場は現地に行ってからのお楽しみ。

今回選ばれたのがここ唐津。気になっていた会場は、なんと名護屋城の跡地でした。ホストを務める中村孝則さんとともに、ふもとから徒歩で登り、城跡へ。この場所が、豊臣秀吉が、いわゆる「文禄・慶長の役」と言われる朝鮮出兵の際の拠点だったとか。そんな唐津や名護屋城にまつわる話を聞きながら、秀吉も見たであろう玄界灘や本丸跡をゲストとともに眺めます。

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その後、本丸の南側に位置し長さ100m、幅15mの乗馬訓練の場であった「馬場」に設置されたダイニングスペースへ。馬場と本丸との高低差は12mで堅固な石垣を背景に幻の野外レストランがスタートします。出兵の際、ここに30万人もの兵士が集まったという場所で料理がスタートします。気になる料理人は、パリのクラウンバーの渥美創太シェフでした。フィガロでも登場したこちらクラウンバーは、パリのガイドブック等で数々の賞をもらう名ビストロ。自然派ワインのラインナップも評判です。この日のために有田、伊万里、唐津など佐賀県内をリサーチしてきた渥美シェフが、どんな食材を、どんな切り口で見せるのか、期待が高まります。

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加えて、期待度が高まったのがそのチーム構成。渥美シェフの料理に合わせるうつわを、丸若屋の丸若裕俊さんが担当し、ソムリエの大越基裕さんがクラウンバーさながら、世界中から集めた自然派ワインや地元の日本酒を1皿ずつにセレクト。過去と比べても、総合力という意味で、クリエイティブなパワーが存分に発揮されていました。

たとえばこちら。地元唐津では知らない人はいない、川島豆腐店の豆乳を使ったフラン。唐津焼の蓋物で、手前はベテラン中里太郎右衛門さんによるもの、奥は若手作家村山健太郎さんによるもの。目にも美しい、本当に贅沢な競演!

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むっちりとした独特の食感が印象的だったイソギンチャクのビスクには、金属のような質感のある茶筒状のうつわを。原田吉泰さんによるものなのですが、ディナー当日まで何度もつくりなおしたという渾身の作品。茶筒を見立てたのは、この地が最初に大陸からお茶が渡ってきた地だから、という背景を汲んで。オーストラリアのヴィクトリアで造られたピノ・ノワールベースの赤ワインが気分をさらに高めます。

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なかでも歓声が大きかったのは、イノシシの煮込み。30種のエピスを加え、まったりとした味わいの秘伝のソースも素晴らしかったのですが、原田耕三郎さんのうつわがまた素晴らしく。なんとも言えない瑠璃釉の色合いは、唐津の海をイメージしたとか。力強い野生味あふれるブルゴーニュワインもぴったりです。

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すっかり全国区になった佐賀牛にワサビを添えたメインや、前述の唐津の赤ウニ&歯ごたえのある黒米のリゾットなど、味覚だけでなく感性に響く料理が続きました。ひと通り食べ終わって振り返ると、自然とその土地の風景が浮かんできます。もちろん、それを歴史とともに紐解いてくれるストーリーテラー、中村さんがいてこそなのですが。その土地の歴史、ストーリーと絡めた演出を楽しめるのがやはりダイニングアウトの醍醐味ですが、今回はうつわやペアリングワインなど、より一層複合的になったことで感動の域にさえ達します。

インタビュー時、渥美シェフや丸若さんが「この土地の根っこをどう表現するか考え、音楽のような構成をイメージしました」と話していましたが、まさにそれが形に。
毎回、土地(開催地)も変わればシェフも変わるダイニングアウト。比べることはとても難しいですが、間違いなく進化を続けています。なによりも、私たちのように外から来たゲストだけでなく、それに携わった開催地、地元の人々にも新たな発見がある、というのがこのプロジェクトの魅力なのかもしれません。

>>次のページでは、そんな食の宝庫・唐津で見つけた美味を紹介します。

 

DINING OUT ARITA& with LEXUS(ダイニング アウト アリタ アンド ウィズ レクサス)

www.onestory-media.jp

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さらなる美味を求め、唐津の街を探索。

ダイニングアウトですっかり舌が覚醒! 翌日、このプロジェクトのパートナーでもあるレクサスを相棒に、唐津の街へ繰り出しました。超がつくほどのペーパードライバーなので震えながらハンドルを握ったのですが、走り出しから驚くほどスムーズ。なんともいえない安心感に包まれながら、唐津名物・虹の松原や海辺を走り抜けました。

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すると突然松の間に現れたのが、赤いバスと人だかり! みなの目的は、このバスで販売されている「からつバーガー」でした。実は学生時代、ここのバーガーを食べて感動した記憶があるので密かに探していたのですが、この人だかり&たくさんの駐車ですぐ見つかりました。

注文したら、バンズやパティを焼き上げている間、停めたクルマやバイクで待つというスタイル。迷わず「スペシャル」をオーダー。同じく名物、ホットミルクも付けました。松原の中で食べるバーガーは、いっぷう変わっていて格別です。バーガーは、ちょっと濃いめのデミグラスソースが入り、それがパティや目玉焼きとぴったり。そこに、コンデンスミルクのように甘~い特製ホットミルクをゴクリ。最高の組み合わせです。

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しっかりお食事をするなら、この松原と目と鼻の先にある、川魚料理の専門店・あかみずが断然おすすめです。創業はなんと明治30年という老舗中の老舗。川魚料理の店ということで、ウナギと鯉がメインなのですが、どちらも本当においしい。鯉は、しっかり店を選ばないと泥くさかったり食べづらい印象もありますが、あかみずでは2カ月以上清水で泳がせることで、身も締まり、とってもきれいな味がします。特製の酢味噌に付けて食べる鯉こくは、サクサクとした歯触りでペロリと食べられちゃうのです。

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ウナギ料理も豊富ですが、今回はせいろ蒸しで。関東出身なので、いつもはふっくらトロリとしたウナギを求めるのですが、郷に入れば郷に従え。肉厚で皮目もしっかりしていて、思いだすとまた食べたくなる味。添えられた錦糸卵も、ほっこり気分にしてくれます。

一緒にいただいたのは、ボリュームたっぷり、やわらかなうまき。ふわとろの卵と甘めに味付けしたウナギのハーモニーがたまりません。

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黄色くなるまで熟成させた自家製柚子コショウもお気に入り。あかみずを訪れた際には忘れず購入するようにしています。

あかみずを出たあとは、ダイニングアウトでも登場したみのり農場へ立ち寄り、自慢の卵をたっぷり使ったロールケーキや、鶏めしを購入。「おいしい唐津」を身体いっぱい、吸収しました。

夏、そして秋と今年2度訪れた唐津。行くたびに新しい、行かなければ出合えない旬の美味がここには揃っています。

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さらに、現地でこんな情報もキャッチしました。現在、唐津を舞台にした映画『花筐』が来年秋公開予定で絶賛制作中! 檀一雄原作、監督は尾道三部作でも知られる大林宣彦さん、キャストは満島真之介さんをはじめ、長塚圭史さん、柄本時生さん、門脇麦さん、常盤貴子さんなど、とにかく豪華な面々。唐津市民によるボランティア、エキストラ出演などのサポートに加え、現在、映画制作費も募集中とか。12月末までの限定で、ふるさと納税による寄付も可能なので気になる方はぜひチェックしてみてください。

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●からつバーガー
佐賀県唐津市虹ノ松原 ※松原の中にあります
Tel:0955-70-6446

 

●川魚料理 あかみず
佐賀県唐津市鏡赤水4763
Tel:0955-77-1802
www.akamizu-since1897.com

 

●みのり農場
佐賀県唐津市浜玉町横田下1922 (キッチンみのり)
Tel:0955-56-8919
www.minori-karatsu.com

 

映画『花筐(はなかたみ)』
2017年初夏公開予定
http//karatsueiga.com

 

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