Fashion 連載
きものの楽しみ
「沖縄・紅型の美 伊差川洋子の世界展」と「竺仙」さんの展示会
きものの楽しみ
またまたご無沙汰。
今年こそはと意気込んでいたのに、もう三月。
自分でもあきれているし、恥ずかしいです。
近況の前に、恥ずかしついでに去年、中野の「シルククラブ」さんであった催しのことを少しだけ。
「沖縄・紅型の美 伊差川洋子の世界展」です。
紅型というと、よく伝統舞踊の衣装で使われている鮮やかな色のきものを思い浮かべ、自分には無関係と思ってしまう人も多いようなのが残念でした。
今回の展示は紅型染作家である伊差川洋子氏の作品。主に振袖がメインで、伝統的な紅型のモチーフが、大胆に、でもあくまでもこまやかに表現されていて、どれもこれも圧倒的な美しさです。天然の染料で、この美しい色。お振袖に大らかに染められた紅型の美にほれぼれするばかりでした。
いわゆる正装用でよく見る刺繍や金箔使いの華やかさとはひと味違う振袖の美しさを是非見ていただけたらと...。
案内状にもなっていた見事なお振袖。ほれぼれ見とれてしまいます。
右側のは少し優しい雰囲気。左は黒が効いていて大胆で美しい。
この色使いも、強いのに、ひきこまれる美しさ。
モデルさんに着ていただくと、こんな感じです。
こんなふうに並べてみると、また圧巻です。
こういう色合いもありました。
伊差川先生と私。華やかさに少し負けています。
これは紺地で少し落ち着いた柄。なんだか今からでも、またお振袖が着たいという気持ちになりました。
先生とは、初めてお会いしたのですが、同世代ということで共通の思いもいろいろ。
鎌倉の浦野理一氏に師事されたということを知って、なるほどと納得。母も私も浦野作品が好きでした。
「ミセス」の浦野さんのページは、今も私の宝物です。紅型の祖形という「浦添型」を研究されていて、今回のような素晴らしい作品を創り出されている。
紅型好きの私としては、いつまでも心に残るきものばかりでした。
そして、年明け早々には、前回の京都祇園の回でご紹介した「竺仙」さんの年に一度の展示会がありました。
大きな会場に浴衣から江戸小紋、染め帯、博多帯や半幅帯、その他いろいろそろっていて、ひととおり見るだけで結構時間がかかります。
文久小紋のコーナーもあります。
そして、私が帯合わせをしたコーナーも。
そしてもちろん、この夏の新作浴衣が一堂にそろったコーナーも。
これはその内、一部をフィガロの誌面でお見せできるはずです。
そして展示会初日のこの日、会場でブログ「きものカンタービレ」でお馴染みの朝香沙都子さんにもバッタリ。
紫根染めふうのきものに お正月らしい帯という装い。
印象的な後ろ姿。バッグも古裂(こぎれ)を使った凝ったもの。さすがでした。
この日、私は洋服でしたので写真はなし。
次の日には私もきもので「竺仙」さんのトークショーできものと帯の組み合わせのことなどについて話させていただきました。
「竺仙」さんで求めた松皮菱(まつかわびし)の白とグレーの江戸小紋に黒地に白の「暫(しばらく)」の染め帯。その上に加賀友禅の黒地の絵羽織を着たのですが、残念なことに写真なし。これからは気をつけて写真を残すようにします。