メイドインニッポンの和コスメを選ぶ理由。<ネロリラ ボタニカ編> 「再生」をコンセプトに、独自の美容メソッドを展開。

Beauty 2017.11.22

国産原料を主成分とする、日本生まれのスキンケアが面白い! フィガロジャポン1月号「メイドインニッポンの和コスメを選ぶ理由。」の紹介記事に加え、各ブランドの原料選定、栽培、製法のこだわりをより詳しくリポートします。

■美肌に必要なものは「いい水、いいオイル、いい泥」。

表参道にあるオーガニックアロマスパ、シンシア・ガーデンとビューティディレクター/メイクアップアーティストである早坂香須子がコラボして誕生したネロリラ ボタニカ。ブランドのネーミングにも使われ、製品を象徴するネロリの香りは、早坂がこよなく愛している香りでもある。仕事やプライベートで世界中を旅していることでも有名な早坂が、訪れる先々で、多くのインスピレーションを吸収。さらに、「美肌のために必要なのは、いい水、いいオイル、いい泥である」という早坂の美容哲学を反映し、ネロリラ ボタニカのプロダクトが生み出された。

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左:みずみずしい“ジャパニーズネロリ”の香りが広がる全身化粧水。奈良県・天川村で取れる“ごろごろ水”と呼ばれる天然水を使用。ネロリラ ボタニカ ブルーミングシャワー 100㎖ ¥3,888 中:乾燥肌の人でも使えるという沖縄県の海底泥(クチャ)にシリカ、竹炭を配合したクレイマスク。毛穴の汚れをすっきり落とすのに、肌はもっちり。同 アースマスク 65g ¥4,536 右:水の層とオイルの層を使う前に混ぜて使う2層式美容液はいちばん人気。タマヌ油やローズヒップ油などを独自ブレンド。同 インテンシブ ビューティーセラム 32㎖ ¥7,560/以上ビーバイ・イー
photo:SATOSHI YAMAGUCHI
, création en mizuhiki:CHIE NAGAURA(TIER)

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オーガニックに造詣の深い早坂は、同じ想いを抱くシンシア・ガーデンの杉谷惠美代表とともに、「オーガニックだからこそパワフルに効くものを」と良質な素材を求めてきた。産地にも出向き、テクスチャーや香りなど、製品の最終段階まで監修する。

■荒廃したミカン畑を、地域一体となって再生。

「肌の再生、心の再生、地域・土壌の再生」というコンセプトを掲げて立ち上げたネロリラ ボタニカ。ブランドの核となるジャパニーズネロリの香りは、国産のミカンの花から抽出している。主に使用しているのが佐賀県唐津市の温州ミカン。唐津市では、地域資源の活用と雇用創出などを目的とした一般社団法人「ジャパン・コスメティックセンター(JCC)」を支援し、市役所には「コスメティック産業推進室」が設立されるなど、行政を挙げた活動も行われている。

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温州ミカンの花。芳香成分が一番凝縮されている蕾の状態で、花びらが割けないように手摘みする。摘み取った花びらは冷凍保存され、工場へと送られる。

後継者不足のため、唐津市には荒廃したまま放置されているミカン畑があちこちに点在している。ネロリラ ボタニカでは、この耕作放棄された畑を土壌から立て直し、原料を栽培できる状態へと再生。唐津市やJCC、地域住民と協力し合いながら農園を運営している点もユニークだ。ミカンの花が蕾をつける初夏には、収穫イベント「ハナマルシェ」を開催。来場者の力も借りて花摘みを行う。この町をあげての地域再生、製品づくりの中心人物となっているのが、アルデバランの暮部達夫代表。早坂との原料や製造についての真剣なやり取りや、全国を奔走する暮部の活動が、ネロリラ ボタニカ全体をも支えている。

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荒れ放題の畑(写真左)には野生動物や鳥、虫が寄り付くため、周りの畑にまで被害が及んでしまう。自然栽培の状態(写真右)へと再生することは、苦労の連続だった。

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「ハナマルシェ」では地産コスメやフードの出店、トークショーやワークショップなどのプログラムが用意されている。もちろん、ネロリラ ボタニカも製品を販売。

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ミカンの花の収穫期は1週間と短期決戦。「ハナマルシェ」の参加者とともに、数百kgを摘み取る。

■課題は「安全な原料を、安定した状態で」。

日本各地で見つけた選りすぐりの原料を採用しているネロリラ ボタニカの製品。ミカン畑のすぐ近くで栽培されているホーリーバジルは、夏季限定で発売されたミスト、ホーリーハーバルシャワーに配合された。この先も少しずつハーブの栽培を増やし、新たな原料として使用することも視野に入れている。とはいえ、自然栽培で育つ原料は、気候条件などに左右されるため、毎年同じものが生産されるわけではない。それをいかに安定した状態で供給するかが、ブランドの課題でもある。

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製品に使用される「ごろごろ水」。世界遺産に登録された大峯山の麓にある天河神社は、縁がなければたどり着けない場所ともいわれている。五代松鍾乳洞の真下から湧き出る神秘の水は、弱アルカリ性でミネラル分が豊富。水の集合分子が小さく、肌への吸収力が高い。

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唐津市にある工場で、減圧蒸留法でじっくりと生成されるジャパニーズネロリ。40℃という低温で抽出するため、手間や時間はかかるが、高温抽出に比べて質の高い植物成分が得られる。

■待望の新製品は、青いアイクリーム。

1年ぶりの新製品となったアイクリームは、ブルーが印象的な一品。この美しい色は、いま注目のブルーグリーンアルジーを筆頭に、ジャーマンカモミール、ブルーヤロウ、バタフライピーに由来するもの。インテンシブビューティーセラムのイエローとピンクのコントラストに続き、早坂のつくりだす色彩の世界にも、今後、注目していきたいところだ。

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ブルーグリーンアルジーエキスやジャーマンカモミールオイルなどの成分が目元を明るくスッキリと引き締めハリを与える。フランキンセンス、ジャーマンカモミール、ゼラニウムの香りにも癒やされる。ネロリラ ボタニカ トリプルブルー コンセントレイト 15㎖ ¥7,020(伊勢丹新宿店とシンシア・ガーデンにて先行発売中。12/11一般販売)

●問い合わせ先:
ビーバイ・イー
0120-666-877(フリーダイヤル)
www.sincere-garden.jp/nerolilabotanica

 

texte:NAOKO KUBO

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