キーラ・ナイトレイの、完璧なヘアスタイル変遷史。

Beauty 2019.05.10

艶やかな黒髪、ブロンドのピクシーカット、褐色のウェーブボブ……。役作りのために、ありとあらゆるカラーやカットを取り入れてきたキーラ・ナイトレイ。デビュー以来、簡素でエレガントなスタイルを貫いてきた彼女が美の模範とされる理由は、その時代を超えた英国流シックにある。日本では5月17日から、フランス人作家の人生を綴る伝記映画『コレット』が公開。この機会に、変幻自在のヘアスタイル変遷史を振り返ってみよう。

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2011年の『危険なメソッド』の頃のキーラ。photo:Abaca

髪を自然に下ろすのが基本スタイル。

キーラがもともとの髪の色である褐色に戻してからもう8年になる。時々、キャラメルベージュをハイライトに入れることはあるものの、繊細なウェーブのかかった髪を自然に下ろすのが34歳の女優の基本的なスタイルだ。とはいえ、創造的な面を見せることも忘れてはいない。分け目の位置ひとつをとっても、真ん中だったり少しずらして髪を斜めに流したりと、頻繁に変えている。うなじを出す時は、三つ編みにして低めの位置でまとめるスタイルがお気に入りだ。ちょっと遊び心を加えて、ヘアバンドを組み合わせることもある。2012年の『エンド・オブ・ザ・ワールド』のプレミア上映時のヘアスタイルがまさにそれだ。

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『エンド・オブ・ザ・ワールド』(2012年)プレミアにて。(アメリカ・ロサンゼルス、2012年6月18日)photo:Abaca

劇的なイメージチェンジ。

いまでこそ慎み深い振る舞いと簡素なスタイルに定評のあるキーラだが、2000年代初頭には紆余曲折があった。ショート(しかもベリーショート)にしたこともあったし、さまざまなヘアカラーに挑戦し、ときには必ずしも似合っているとは言えないカラーを取り入れたこともあった。『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』でエリザベス・スワンを演じた彼女は、2003年のプレミアには艶やかな黒髪で登場。翌年には『ドミノ』の撮影のために、ジーン・セバーグ風のブロンドのピクシーカットにして劇的な変貌を遂げた。

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『ドミノ』撮影の頃。ハリウッド映画祭にて。(アメリカ・ロサンゼルス、2004年10月18日)photo:Abaca

髪を金色に染めたのはこの時が初めてではない。『ベッカムに恋して』(2002年)ではブロンドのブラントカットを披露しているし、『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(2003年)の劇中では栗色がかったブロンドに染めている。褐色の髪に回帰したのは2007年のことだ。初めは前髪を下ろしていたが、やがて横に流すようになった。

ヘアスタイルを頻繁に変えなくなった理由。

キーラが数年前から、大胆なヘアスタイルへの挑戦をやめたのにはしかるべき理由がある。2016年にイギリスの雑誌『イン・スタイル』のインタビューで、やむをえない事情から映画ではウイッグを使うようにしていると告白している。「映画に出演するために、これまで思いつく限りのあらゆる色に髪を染めてきました。そんなことを続けていたら、髪の傷みがひどくなってしまって。そしてある時、髪の毛が抜け始めてしまったの。ウィッグを使い始めて5年になるけれど、髪のためには最善の選択だったと思う」

7歳で女優としてのキャリアをスタートしたキーラは、自分自身の髪を大切にしようと決心した。現在の彼女の髪は艶やかで、健康そのものに見える。これには息子エディの誕生(2015年5月26日)も少なからぬ貢献をしているようだ。

「私の髪はもともとカールしていてまとめにくい。妊娠して以来、ボリュームが10倍になりました(笑)。放っておくと見事なドレッドヘアになっていることがよくあって、それを見るとうれしくなるの」と、同じインタビューの中でキーラはおどけている。ひとつ確かなことは、どんなヘアスタイルをしようと彼女が常にエレガントでシンプルな魅力を漂わせているということだ。

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『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001年、キーラは出演していない)のプレミアにて。(イギリス・ロンドン、2001年4月4日)photo:Getty Images

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『ベッカムに恋して』(2002年)のプレミアにて。(イギリス・ロンドン、2002年4月11日)photo:Getty Images

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『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(2003年)プレミ映にて。(イギリス・ロンドン、2003年7月14日)photo:Abaca

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『プライドと偏見』(2005年)プレミアにて。(イギリス・ロンドン、2005年9月5日)photo:Abaca

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同じく『プライドと偏見』プレミアにて。(アメリカ・ニューヨーク、2005年11月10日)photo:Abaca

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『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』(2006年)プレミアにて。(アメリカ・アナハイム、2006年6月24日)photo:Abaca

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『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』プレミアにて。(イギリス・ロンドン、2006年7月3日)photo:Abaca

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『ザ・エッジ・オブ・ウォー 戦火の愛』(2008年)プレミアにて。(イギリス・エディンバラ、2008年6月18日)photo:Abaca

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ベルリン国際映画祭にて。(ドイツ・ベルリン、2009年2月10日)photo:Abaca

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『危険なメソッド』第68回ヴェネツィア国際映画祭でのプレミア試写会にて。(イタリア・ヴェネツィア、2011年9月2日)photo:Abaca

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『コレット』(2018年)プレミアにて。(アメリカ・ビバリーヒルズ、2018年9月14日)photo:Abaca

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同じく『コレット』のプレミアにて。(フランス・パリ、2019年1月10日)photo:Abaca

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texte:Clémence Renard (madame.lefigaro.fr)

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