暑い日に走ると、身体の中では何が起こる?

Beauty 2019.10.01

汗を大量にかき、酸素が不足し、筋肉がけいれんするリスクが増える。運動中、暑さが身体に引き起こす変化について紐解こう。

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運動中、高い気温は心身に直接影響を与える。Photo : iStock

確かに寒い1月に走るよりも、鼻や耳の周りに垂れてくる汗が風に吹かれるのを感じながら暑い日に走る方が快適だ。

今日から10月に入ったというのに日中が高温の日が続いているが、それでも走りたいランナーたちは、ショートパンツとダブルクッションスニーカーを着用して走り続けている。

フランスのテレビチャンネル「France 2」の朝の番組で放送されたアニエス・ビュザン連帯・保健大臣のインタビューでは、正午から14時の間にランニングすることは無責任でリスクが高い行動だという指摘があった。高温状態は身体への危険があることから、朝に走るほうがよい。温暖化による変化についても考えてみよう。

汗をかき、酸素が減る

“けいれんのリスクが増えます” – スポーツコーチ ウェイリアム・シャンコニー氏

驚くことではないが、熱によってもたらされるいちばんの変化は汗である。ちなみに、身体が適切に機能するために理想的な体温は37度だ。汗も問題であるが、以下説明することも同様に問題である。

暑い日に走ると、身体は適切な体温を保つために身体を冷やそうとする。パリにあるフィットネスセンター「Mon stade」の経営者であり、スポーツドクターでもあるローランド・コルジェニョフスキ氏は、身体は暑さを逃れるために汗をかくと説明する。「体温調節機能はまず、皮膚に血液を集めるよう指令します。次に身体の中の体液を減らします。そして次に血液、酸素を減らしていくのです」

これにより、脳が酸素を使い果たし、集中力の低下につながる可能性がある。「暑い時にランニングをすると、心拍数が加速して呼吸が浅くなることがあります。そうなると、血液が減少するとより活発に働く心臓などの筋肉が、うまく機能しなくなる可能性が高まります。しかし、身体が必要とする水分を摂取すれば、問題はありません。水分摂取は重要です」とスポーツドクターのコルジェニョフスキ氏は述べる。同氏は、汗をかくと身体のミネラルが失われるという。ジョギングの前後や最中に水分摂取して損失を補わないと、いくつかの問題が発生する。

「臓器と筋肉の働きが悪くなります。 筋肉のミネラル(ナトリウム、カリウム、マグネシウムなど)の主な運搬体である水が不足すると、けいれんや筋肉損傷のリスクが増えます」とスポーツコーチのウェイリアム・シャンコニー氏は説明する。

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予防措置

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水分補給を続けるには、運動の前後そして最中に飲むことを意識してほしい。Photo : iStock

30度を超えると、ランニングはお勧めできない。禁止されてはいないが、基本的なルールを尊重し、練習するようにしよう。ランニングには早朝か夕方がおすすめだ。もし難しい場合には日陰を走ろう。服に関しては、発汗を防ぐために、明るい色でゆったりとした衣服、いわゆる「通気性」のよい素材で作られた衣服を着用するのがよいだろう。

湿度に注意

外気温だけに注目するのではなく、湿度に関してもインターネットでチェックしよう。 「空気が温められるほど、汗は蒸発しやすくなります。また空気中の湿度が高ければ高いほど、汗は蒸発しにくくなります。乾燥した空気で30度以下の時に走るよりも、湿度80%で25度以下の時に走るほうが身体にこたえます」とコルジェニョフスキ氏は解説する。

適切な量の水分補給をするためには、運動前後と運動中に水を飲むように心がけよう(長時間外出する場合は20分ごとに飲む)。また、「体力を回復し、体温を下げるのには時間がかかることを知っておく必要があります」とスポーツ・コーチのシャンコニー氏は述べる。

「暑い時には糖分とミネラルを補給することが重要です。1.5リットルのミネラルウォーターのボトルを用意し、ボトルに水とグレープジュースを半分ずつ注ぎます。そこにひとつまみの塩を加えてください」と同氏はアドバイスする。「スポーツドリンクの効果を確実にするため、ラベルで内容成分を確認しましょう」とコルジェニョフスキ氏はすすめる。

身体の声に耳を傾け、準備運動をする

あなたがスポーツコーチの場合、運動開始後すぐに疲れたり、運動量を普段より増やしてないのに心拍数が上昇したりしていなければ、ジョギング時間を短縮する必要はない。いずれにしても必ず準備運動しよう。「暑さには気をつけなければいけません。暑くなると筋肉と関節を取り囲む液体(滑液)が流動化して柔軟性が高まりますが、筋肉繊維は必ずしも温められません」とウェイリアム・シャンコニー氏は語る。

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texte : Ophélie Ostermann (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi

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