ありのままでハリウッドと闘う女優サルマ・ハエック。

Beauty 2021.08.20

サルマ・ハエックがインド版『ヴォーグ』の新刊の表紙を飾り、ロングインタビューに答えた。サルマは、自分の年齢、身体についての考察や撮影中の逸話を交えながら、いかにしてハリウッドの落とし穴を乗り越えてきたかを語っている。

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パリで行われたファッションショーでのサルマ・ハエック。(2021年7月7日)photo: Getty Images

近日公開予定の映画のプロモーション、家庭生活、そして馬、フクロウ、ニワトリ、アルパカを世話する時間の合間を縫って、サルマ・ハエックはインド版『ヴォーグ』の最新号の表紙に登場した。

8月3日に公開されたロングインタビューでは、映画業界に入って間もない頃のことや、業界の規範に属していないという感覚について語っている。「私があまり役をもらえなかったのは、私がラテン系だったから。でも、(米国に)6000万人のラテン系女性がいることを知り、巨大な市場を逃していることに気付いたの」とジャーナリストのプリヤンカ・カンナに語っている

サルマ・ハエックはすぐに、自身の身長、出身、体重……いずれもハリウッドにおいて有利ではないことを知った。駆け出しの頃は、どのブランドもスタイリストも彼女に衣装を提供しようとはしなかったと明かしている。「私はメキシコ人女性。それに、とても小柄なので、体重や(服の)デザインでもカバーできなかったの」

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「私はファビュラス」

サルマ・ハエックは、自分の体型が映画業界で決められた基準に合わなかった時もあきらめなかった。「私は臨機応変だった。リスクを取ったの。当時唯一接点があったヒューゴ・ボスの人物と会い、しばらくは男性用のスーツを着ていたわ」

彼女の考えは、何があっても「ファビュラス」と感じること。「ある時、他の女性たちはみんな素晴らしいドレスや美しいジュエリーを身につけているのに、私はとてもシンプルな黒いドレスを着ていることに気づいたわ。でも私は、綺麗なドレスを着ていないから誰だかわからないだろうとコンプレックスを抱くのではなく、自分自身に『私はファビュラスだ』と言いきかせたの。私は蝶のフェイクタトゥーを描いて、自分の気持ちを高めたわ」

 

 

今回、ピンクのプリーツの入ったグッチのドレスを着て雑誌の表紙を飾った彼女は、この出来事をユーモアたっぷりに指摘している。「私は自分にうまくいくように流れを作っているわ。私はファッション企業の経営者と結婚した。今度は彼らが私に服を作ってくれる番。因果応報だわ」。

レディー・ガガアダム・ドライバーとともに撮影を終えたばかりの映画『ハウス・オブ・グッチ(原題)』で、イタリアのファッションメゾンの後継者を陥れる透視能力者を演じるために、サルマ・ハエックは数kg体重を増やさなければならなかった。そして、彼女はそれを冷静に受け止めることにした。

「『服が入らない』というストレスがあったわ。そこで、私が何をしたかわかるかしら? 買い物に行って、新しいサイズのものを買ったの。私は太っていても大丈夫だと思っているし、年齢的にも人々は寛容よ。私はその特権を受けるわ。新しい服を着て、『とりあえずこれが新しい自分だ』と言って歩いた方がストレスがないの」

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“賞味期限”

サルマ・ハエック は自分の年齢を尊重し、それを誇りに思っている。54歳の彼女は、娘のヴァレンティーナ(14歳)と2009年に結婚した夫のフランソワ・アンリ・ピノーに囲まれて、元気に過ごしている。

「夫と15年過ごしてきて、いまでも順調よ。私たちはお互いに笑い合い、常にお互いをよく理解している。私は自分の結婚と娘のことを本当に誇りに思っているわ。愛が続いたり、花開いたりすることはよくあることではない。20代でも30代でも、本当の愛を見つけるのは難しいもの。50代でそれを手に入れることは、信じられないほどの贈り物よ」

 

 

年齢という概念が女性に課すものを自覚している彼女は、6月30日に公開された映画『ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード』で、自分のキャラクターを書き換えてほしいと頼んだほどだ。

「『アクション・コメディで40歳の女性を演じるのだから、もっと若く見えるべきだ』と言われたの。でも、70歳の男性はアクション映画でどのように演技するかしら? そして、自分の役はアラフィフで、更年期障害と妊娠願望の間で葛藤していると主張したの。すると『それは面白くない』と言われてしまったけれど、私は「世の中のすべてが面白い」と答えたわ。そういった状況に対処するには、ユーモアのセンスが必要よ」

サルマ・ハエックにとって、年齢は男性に制限される理由にはならない。「なぜ男性から賞味期限を決められなければいけないの? 年齢に関しては、かなり性差があると思う。男性たちは、自分が持っていない多くの期限を我々女性に与えてくる。例えば、ある年齢を過ぎると美しさが失われ、誰も結婚したがらなくなるというようなもの。(中略)私は強くて、激しくて、美しくて、セクシーで、冒険心を持ったキャラクターを求めていたの。なぜなら、私と同年代の50代半ばの女性だってまだそういう存在になれるから」

その証拠に、サルマは夢のような生活を送っている。

text : Léonie Dutriévoz (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi

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