父親の愛がそっと香る、ハンガリーのガブリエル。

子どものころから香水が大好きだった。美しいボトルが並ぶさまも好きだった。
が。しかし。
40代のいま、フェミニンだとかセンシュアルだとか、そんな主張は全然いらなくて、
自分が心地よく、ほんのり肌が匂うくらいの“透明な”香りをつけたいと思っている。

その理由をちょっと考えてみた。
年々、ライフスタイルができるだけオーガニック、ナチュラル志向になってきたこと。
化学調味料の食べ物を避けたり、化繊の服を避けたり。
感覚が敏感になったせいなのか、柔軟剤や芳香剤、洗剤の人工的な香りはクラクラする。
香水にも同じことが言えるのかもしれない。
自分も心地よく、周りも心地よくあってほしい。だから透明。

と、前置きが長くなりましたが、いまつけている“透明な”香りとは――

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2016年に世界で2500本だけつくられた香りで、ボックスにシリアルナンバーが手書きされていた。オモロヴィッツァ バガッテレ ド ガブリエル(限定品)/エスティ フィロソフィ

香料のなかでもいちばん好きなオレンジフラワーに、トンカビーンズとのバランスが珍しく、複雑な香調。
でも、温泉水がベースのブランドだけに、水のように軽く爽やかで、超近くにいる人にしかわからないくらい、ものすごく控えめ。
(そういえば、スキンケアの香りもグラースの調香師に頼むほどこだわっているのだけど、
肌につけたら消えるようにしている、と創業者のステファンが言っていたのを思い出した。日本人に似た繊細さ)
そして、時間がたつと、温かく包まれるような安心感もある。

それもそのはずで、香水名は愛娘の名前から。
父親が娘を思う、やさしさ、温かさが、このピュアな香りに込められているのかも。

オモロヴィッツァ
www.omorovicza.jp
エスティ フィロソフィ
www.st-philosophy.com

 

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