パリ街歩き、おいしい寄り道。

ヴァンヴの蚤の市と、ガレット。

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久しぶりにヴァンヴの蚤の市へ。
秋に刊行予定の本の原稿で、初めて蚤の市でお皿を
買ったときのことを書いていたら、行きたくなった。
けっこう長いこと探しながら、いまだに喜ばしい
出合いのないろうそく立てが見つからないかなぁと
思っていたのだけれど、残念ながらやっぱりない。
夏の夜はろうそくで過ごすことが増えるから(電気、
暑いじゃないですか)、もうそろそろ出合えると
うれしいよなぁ。


蚤の市のあとはトラムに乗って13区のベトナム料理
屋さんへ行く予定だったのだけれど、約束をしていた
友人がお昼の時間になってから、まさかのキャンセル。
私はおなかがあまりに空くと、しっぽを引っ張られた
ドラえもんのごとく、動けなくなってしまう。
おまけにこの日は、お昼にたくさん食べると思って、
朝、ほとんど何も食べていなかったから、エネルギー
切れ直前だった。何か食べなくちゃ……と、ほぼ働か
なくなっていた頭をフル回転させて思いついたのは、
モンパルナスの駅裏手にあるガレット屋さん。
しばらく行っていないし、行ってみよう!と向かった。
Ty Breiz=“ブルターニュの家”という名のその店は、
ブルターニュ人のオーナーが以前は切り盛りしていた
けれど、この日、姿は見えなかった。
いつもならガレット・コンプレット(チーズとハム、
卵が具のガレット)を選ぶ。でもなんとなく、
マッシュルーム入りを食べたい気がした。
食べてみて、次回はスタンダードに、マッシュルーム
なしのコンプレットにしよう、と思った。
でも前と変わらず、ガレット生地はこんがり焼かれた
とても香ばしいものだった。
もうだーいぶ前のことだけれど、取材をしたときに、
生地はそば粉と水だけを混ぜ、ひと晩寝かせたものと
聞いた。そば粉100%だと、家でフライパンで焼くの
はかなり難しい。私は、まずうまくひっくり返せない。
デザートはいつも通り、塩味ガレットと同じように、
小麦粉ではなくそば粉の生地で焼いてもらい、バター
とお砂糖だけを合わせるシンプルなものを頼んだ。
メニューにはたいてい書かれていないけれど、
ブルターニュの人がやっているお店なら、そば粉の
ガレットにして欲しいとリクエストすれば、デザート
のクレープも、そば粉の生地で作ってくれます。
これを食べると、ガレットを食べたな、って気がする。

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川村明子

文筆家
1998年3月渡仏。ル・コルドン・ブルー・パリにて料理・製菓コースを修了。
朝の光とマルシェ、日々の街歩きに日曜のジョギングetc、日常生活の一場面を切り取り、食と暮らしをテーマに執筆活動を行う。近著は『日曜日はプーレ・ロティ』(CCCメディアハウス刊)。


Instagram: @mlleakikonotepodcast「今日のおいしい」 、Twitter:@kawamurakikoも随時更新中。
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