パリ街歩き、おいしい寄り道。

ギリシャ&ベトナム風サンドと、虫除けエッセンシャルオイル。

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6月後半は2週間ほど帰国していて、その最終日に、
友人の料理家SHIORIちゃんがオーナーを務める
中目黒のファラフェル屋さんBallonへ行った。
翌日にオープンから1年を迎える段になって初めての
訪問。にもかかわらず、お昼に行くことができなくて
夕方、閉店時間15分前にすべり込む。
このお店、完全にヴィーガンで展開している。
看板メニューのファラフェルもすっごく食べたかった
のだけれど、3週間ほど咳が止まらず気管支拡張剤の
お世話になっている状態だったから、ひよこ豆のコロ
ッケを食べてる途中に咳き込んだらきっと吹き飛ばし
てしまう……と恐れて、豆乳ベースのソフトクリーム
だけ食べることにした。
と、前置きが長くなりましたが、その日からピタパン
のサンドイッチがずっと食べたかったのです。
私がパリに戻るタイミングと1日違いで、SHIORI
ちゃんもパリに来ると聞き、着いて早々サンドイッチ
ランチに誘った。
2区のMandar通りに、2軒、お昼には行列必至の
サンドイッチ屋さんがある。
ギリシャのスブラキ(肉の串焼き)を具にした
ピタパンサンドが人気のフィラキア(Filakia)と、
現地の味を再現するのではなくパリ風にしたくて、
もっちり食べごたえのあるバゲットで作ったバイン・
ミーのお店ミス・バン・ミー(Miss Bánh-Mi)。
まずはフィラキアから。
シェフのクロエがレジに立ち注文を受けていた。
彼女のご家族ゆかりの地であるギリシャのレシピは、
グランメゾンで経験を積んできた彼女のオリジナルで、
お肉はすべてフランス産、野菜はローカルのもの、
パンはギリシャから直送のものにオリーブオイルを
塗り、焼き温めてサーブしている。
スブラキサンド(具は6種ある中からチョイス)と、
ドリンクに付け合わせで12ユーロ。
ドリンクは、ライムとレモンの両方が入った自家製の
レモネード(フランス語だとシトロナード)が甘った
るくなくおいしくて、ここにきたら定番だ。
あと、フリットがですね、とてもおいしいのです。
でもレモンの味がアクセントのポテトのコンフィも、
相当捨てがたい。だからひとりで行くと困る。
この日は3人だったから、キヌアのサラダもとって、
サンドイッチは、チキンのローストに、ズッキーニの
コロッケが入ったベジタリアン、月替りサンドと黒板
にあった肉団子を具に選んだ。
カウンターで注文し、できあがると席まで持ってきて
くれる。待っている間に、「具が上に乗っている
オープンサンドみたいなのがある!!」とほかのテー
ブルに運ばれていくトレーを観察していたSHIORI
ちゃんが見つけて、帰り際に聞いてみると、ピタパン
をお皿に見立てて、その上に具を盛っているらしい。
あれはとてもシェアしやすそう。今度食べてみよう。
肉団子のサンドイッチには、ケバブサンドのように
フリットも入っていてボリューム抜群、チキンは香ば
しい焼きで安定のおいしさ、ズッキーニのコロッケは
この日の発見だったなぁ。思えばズッキーニのコロッ
ケって初めてかも。夏のコロッケって感じでいい。
もう一回、食べに行こう。

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おなかはそこそこいっぱいだったけれど、
もう1軒いける?と聞いたら、行く!とやる気満々で
数軒並びにあるミス・バン・ミーへ移動。
こちらのサンドイッチは具だくさん。野菜がたっぷり
だからパンでおなかいっぱいという印象はない。
具となるお肉やお豆腐はひと晩マリネしてしっかりと
味を染み込ませ、野菜はパリパリさせておきたいから
と味付けをせずにそのまま挟んでいる。
ランチタイムも終盤に行ったら、日替わりの具はもう
売り切れだった。それでレギュラーメニューの、ニン
ニクを利かせたナスのグリル&お豆腐のベジタリアン、
お酒でマリネした牛ステーキ肉、レモンのコンフィと
五香粉でマリネしたチキンの3種を注文。
30度越えのなか、パンチある味付けのサンドイッチ
がぴったりだった。
スタッフの着ていたマスタード色と白のボーダーに、
紫でお店のロゴが入ったTシャツがかわいかった。


食べきれなかった分は持ち帰ることにして、歩いて
エルボリストリー・パレ・ロワイヤルへ向かう。
パリに戻った翌日は35度、この日も32度。
夜も窓を開けっ放しじゃないと眠れない。
それで、虫除けのエッセンシャルオイルを買いに。
数年前にセビリアへ行った時、とっても素敵なホテル
だったのだけれど、南京虫に刺され(数えたら34箇
所も!)大変な事態になったことがあった。
パリに戻ってすぐに日本に帰国するスケジュールで、
もし1匹でも家の中に紛れ混んでいたら、帰って来た
ときに悲劇だ!対策を!と焦っていたら、知人が
ナチュラルな方法を紹介したサイトを教えてくれた。
ハーブ数種のエッセンシャルオイルを混ぜ合わせた
その対処法を実践しようと薬草薬局へ行って、事情を
話すと、サイトにあった5種のハーブのうちすでに4
種をミックスしたものが蚊除けとして売られていて、
勧められた。そして、
「エッセンシャルオイルを何か植物油と混ぜ合わせて
刺された箇所に塗ったら、たぶん痒みがひくわよ」
と教えてくれた。さらに「お水に数滴垂らして飲んで
みても効果があるかもしれない。100%保証はできな
いけれど、ナチュラルだし身体に害はないからやって
みたら?」とアドバイスもくれた。
帰ってさっそく試してみたら、本当に一気に痒みが
引いた。え?ステロイドあんなに塗っても鳥肌がずっと
おさまらないほど痒かったのに!!とびっくりした。
それからはこのエッセンシャルオイルを愛用している。
レモングラス、ゼラニウム、ラベンダー、ミントを
合わせた虫除けエッセンシャルオイル。
窓際に垂らせば部屋中にいい匂いが広がる。
スリランカ旅にも携行して大活躍だった。
そうだ、夏のおみやげ、今度これにしよ〜。

お天気がよいから、パレ・ロワイヤルに寄ったら、
月曜の午後とは思えないのどかさで、バカンス時期の
到来を感じさせた。

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川村明子

文筆家
1998年3月渡仏。ル・コルドン・ブルー・パリにて料理・製菓コースを修了。
朝の光とマルシェ、日々の街歩きに日曜のジョギングetc、日常生活の一場面を切り取り、食と暮らしをテーマに執筆活動を行う。近著は『日曜日はプーレ・ロティ』(CCCメディアハウス刊)。


Instagram: @mlleakikonotepodcast「今日のおいしい」 、Twitter:@kawamurakikoも随時更新中。
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