パリ街歩き、おいしい寄り道。

クープ・メルバと、ジュ・ドゥ・ポーム美術館。

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このブログをずっと読んで下さっている方なら、すでにお気づきかもしれない。
私は、好きになると同じルートを繰り返す。
前回のYSL美術館とカレットの組み合わせに続き、夏が終わる前に、セバスチャン・ゴダールのクープとジュ・ドゥ・ポームの写真展のコースを回ることにした。
9月に入って、朝晩の気温はぐっと下がり、サンダルだと肌寒さを覚えるくらいだけれど、昼間の日差しはまだ強さをたたえている。
駅でポスターを見るたびに行きたいと思っていたアメリカ人女流写真家、サリー・マンの展覧会。
でも、太陽の位置が高いうちにまずクープだな、と思い、セバスチャン・ゴダールへ向かった。
頼むものは決まっていた。クープ・メルバ。
盛られるアイスは基本バニラだけれど、3玉(と日本語でも言うのだろうか?)付いてくるのでほかの味にも変えられる。
それでストロベリーと混ぜてもらうことにした。
ここは生クリームがおいしい。
アイスだけを食べると、ほかにもっと好みのお店があるのだけれど、生クリームと合わせて食べると、とたんに自分好みの味になる。
クープ自体が大きすぎなくて、わりとさらっと食べられるのもいい。


まるでお蕎麦を食べるかのように、クープを食べたら居座ることなくサクッと店を後にして、美術館へ。
チュイルリー公園の中を通っていくことにした。
みんな気持ちよさそうに日向ぼっこしている。
開催当初から楽しみにしていた展覧会は、端的に言ってしまうと、あまり好みではなかった。
どの写真にも強さが宿っていて、その強さに気おされてしまった。
ひとことで「強さ」と言っても、深いところから心を揺るがすものもあるわけで、たまたま今回は、自分の中にすんなり入ってこない強さだったようだ。
写真家との相性というよりも、いまの自分のコンディションなのだろうなぁと思う。
3年後に同じ作品を見たら、ものすごく好きになるかもしれない。
強さには気おされたけれど、いずれもとても美しい写真だった。特に子どもたちを撮影したものは。
美術館から出たら、日が傾きはじめていた。
コンコルド広場は、けっこうな交通量で、ヴァカンスからすっかり日常を取り戻したかに見えた。

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川村明子

文筆家
1998年3月渡仏。ル・コルドン・ブルー・パリにて料理・製菓コースを修了。
朝の光とマルシェ、日々の街歩きに日曜のジョギングetc、日常生活の一場面を切り取り、食と暮らしをテーマに執筆活動を行う。近著は『日曜日はプーレ・ロティ』(CCCメディアハウス刊)。


Instagram: @mlleakikonotepodcast「今日のおいしい」 、Twitter:@kawamurakikoも随時更新中。
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