Editor's Blog

ロダンの彫刻に浸れる、贅沢な空間へ。

こんにちは、編集NSです。GWが終わってしまいましたね。まだまだ仕事モードにならない方も多いかもしれません。

先日、静岡県立美術館に行ってきました。久遠山東照宮や動物園、展望台で知られる日本平の麓にあります。駐車場と美術館は彫刻プロムナードと呼ばれる道で結ばれ、12点の彫刻が点在しています。この季節は新緑が眩しく、気持ちのいい散歩ができます。

190511-shizuoka02.jpg

お目当ては、5月6日に終わってしまった企画展『屏風爛漫』。間仕切りや風よけとして使われる実用品から発展した、大画面を活かした没入感のある屏風絵をテーマにした展覧会です。展示されていたのは桃山時代から現代まで27点の屏風絵。最もよく知られているのは、県立美術館所蔵の伊藤若冲『樹花鳥獣図屏風』でしょうか。画面を細かな升目に区切り、銭湯のタイル絵のような摩訶不思議な絵画。そこには身近な生き物から空想上の霊獣などが鮮やかなカラーで描かれ、唯一無二の若冲ワールドにぐいぐい引き込まれてしまいました。

190511-shizuoka01.jpg

屏風絵は六曲(6枚)のものもあれば二曲のものがあったり、対の一双のものもあれば一隻だけのものがあったり、花鳥図があれば中国の故事をテーマにしたものがあったり。総金地に49羽の鶴がひしめく、おめでたいことこの上ない石田幽汀の『群鶴図屏風』。表と裏でまったく別の絵が描かれた小林清親の『川中島合戦図屏風(裏面 龍虎墨竹図)』。松から雪塊が落ちる瞬間を描いた、写真的な森川曽文の『雪松図屏風』。時代とともに変わる縁取りやタッチの違いを見つけるのも楽しい、見ごたえたっぷりの展覧会でした。閉幕間近というのに鑑賞客がほとんどいなくて、ほかの美術館に巡回してもっとたくさんの方に観てほしいとも思いました。

企画展の出口では新所蔵品が紹介されていました。そのうちのひとつが、フランチェスコ・ピラネージの『今日、ポンペイの古代遺跡の中にある、イシス神殿の景観』。フランチェスコは、古代遺跡の研究や版画で知られるジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージの息子です。県立美術館では10月2日~11月17日まで『古代への情熱―18世紀イタリア・考古学と芸術の出会い』を開催予定。おそらくそのフランチェスコの作品も展示され、廃墟好き・考古学好きにはたまらない展覧会になりそうです。

190511-shizuoka03.jpg

そして、静岡県立美術館といえばロダン館。天井が自然光が降り注ぐ明るくて巨大な空間に、ロダンの作品32点が並びます。中央には『地獄の門』が鎮座し、『考える人』(写真上)や「カレーの市民」のシリーズや第一試作もあるなんとも贅沢な美術館です。

190511-shizuoka04.jpg

こちら(写真上)は「カレーの市民」の『ピエール・ド・ヴィッサン』。力強い彫刻作品を観ていたら、ロダンのことをもっと知りたくなりました。便利な時代になりましたね。Hey Siri!

190511-shizuoka05.jpg

ARCHIVE

MONTHLY

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
キーワード別、2024年春夏ストリートスナップまとめ。
連載-パリジェンヌファイル

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories