Editor's Blog

奄美大島に恋をして:その2。

この夏、初めて奄美へ旅してきた編集MIです。前回に続き、第2回めをお届けしようと思います。

お散歩を楽しんだ初日ですが、2日めからは少し遠出すべく、レンタカーを借りることにしました。当初、徒歩圏内で行けるところのみにして、宿でひたすらのんびりしようと思っていたのですが、行きたい場所がいろいろ出てきてしまって……悩んだ末、ペーパードライバーの私ですが、思い切って運転する覚悟を決めました。

奄美大島といえば、大島紬です。やはりそこに触れてみたいと、まずは大島紬村へ出かけることに。

大島紬は奄美発祥の高級絹織物で、約1300年もの歴史があるそうです。先染めの手織りで丹精込めて作られる反物は、染めも織りも、気が遠くなるほどの工程を経てできあがります。

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泥染めのサンプルが吊り下がった作業場。右に行くほど染めの回数が多く、色が濃くなっています。なんと、80回も……。

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作業中の職人さん。

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泥田で作業中。美しいですね。

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こちらは織りの工程です。

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染めあがった糸をデザインどおり仕上がるように丁寧に織っていきます。

染めは、シャリンバイというバラ科の植物で約80回、加えて泥田で5回という、気が遠くなるほどの作業を繰り返して先染めの糸ができあがります。そして織りの工程に入ると、デザイン画どおりに仕上げるため、横糸と縦糸を手作業で織っていきます。手間暇かけて丁寧につくられる大島紬、私もいつか一着……と夢見ずにはいられません。

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大島紬村内は、お庭も見どころたっぷりです。ガイドさんが植物についても説明をしてくれます。

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オオタニワタリという他の樹木や岩などに着生して生きるシダ植物が、私のお気に入りです。左の木の上に乗っかっています。

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奄美で知り合った妹のような友人と落ち合って、お昼ごはんを食べてから、奄美自然観察の森へ出かけました。国立公園に指定されているというのでのどかな想像をしていたのですが、これがまた、ワイルドでした。薗家の庭園に続き、これまた人っ子ひとりいません。

木々が生き生きと茂り、蝉の鳴き声が響き渡り、野鳥の姿も。

木や植物に目を奪われ、鳥の行方を追いながら、奥へと進みました。あたり一面、緑の光に包まれて、ふと気づくと足元には、針のような細さの華奢なクモたちがわらわらと歩いています。傍らにはちっちゃな蛇も! 私たち人間がここでは侵入者。お邪魔します、という気持ちで上へ上へ。中腹あたりへ来た頃に、前方に動物の気配。イノシシの子どもが私たちに驚いて走り去っていきました。その先へ進むのがちょっと怖くなったのですが、友人の存在が心強く、進むことに。汗だくになりながらたどり着いたのは……。

上ってきた山をてっぺんから見下ろすすがすがしさ!

奄美を見下ろす山の頂上。奄美のてっぺんにきてしまいました。展望台に立つと、心地よい風が汗で湿った肌をなでながら吹き抜けて、足元から蝉の合唱が響き渡り、真っ青な海が眼下に横たわり……。ここまでの疲れをすっかり忘れて、ただ風に身を任せる心地よさ。ああ、ここまで来れてよかった。

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すべてが眼下に。

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その後は、農家さんがやっているかき氷を食べに。ここ、得田農園さんのかき氷は、ドラゴンフルーツやマンゴーなど、奄美ならではの果物が楽しめます。まだマンゴーの時期ではなかったので、私はスモモをオーダー、友人はパッションフルーツを。

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たっぷり歩いた後のかき氷はサイコーでした。

その後はちょっと遠出して、お目当ての作家さん、森雅志さんの雅工房へ。以前目にして一目ぼれし、ぜひそのうつわを手に取ってみたい、と思っていました。工房でお目にかかった森さんはまさに職人、といった感じでありながらさりげない気遣いのあるやさしい方で、汗をかきながら夢中でうつわを見ている私たちに、「よかったら外の光で見てください、色が室内で見るのとは違いますから」と、屋外にあるベンチを案内してくれて、さらに扇風機までこちらへ向けてくださいました。

薄くて軽くて、さらっとした手触りが心地よく、とてもなめらか。そしてなんといってもその色。私たちふたりして虜になってしまったのは、トープがかったグレー。すーっと引き込まれてしまう独特の魅力があって、作品ごとに微妙に色が違うのです。私はそのグレーに加えてアイボリーがかった白もとてもしっくりときて、たくさん連れ帰ってしまいました。

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そして、夕日が美しいという大浜海浜公園へ立ち寄って。

波の音とやさしい光と。

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雲がかかっていましたが、うっすらと光がもれる美しい夕刻。

奄美の旅3日目も、大自然を感じながらの思い出深い1日となりました。

その3へ続く。

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森雅志さんのうつわたち。美しい。

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