猫ごころ 巴里ごころ

バギーで猫と浜辺を散歩しながら、パリの人気ユーチューバーをチェック。

淡い紅色の浜昼顔や月見草を見ながら、ピカビアと腰越の海辺を散歩。先週から猫のバギーが届いたので、自宅から海辺まではケージではなくバギーでいくようになった。黒いメッシュの部分からピカは外の風景が見れるけど、通りすがりの人たちには中に猫がいるのはみえていない。軽量だし、車輪のところも滑らかに動き、結構気に入っている。

最近はビーチの階段のところに座って、ピカはおやつの黒毛和牛と鳥のささみのチャオちゅ〜るを舐めていて、私はマックの端末を膝に乗せて、フランスのオンラインの雑誌の記事などを読んで過ごしている。

だけどパリの生の雰囲気が伝わってくるのは、やはりユーチューブで、ロックダウン中のパリのアパルトマンからありのままに、冗談を交えながら、時には話の途中で「フランスは現在戦争中」というマクロン大統領の画像が爆発する映像を挟んだりする34歳のブロガーの男優、ノルマンのはなんだか好感が持てて時々みている。美容院も閉まっているので、そのうち街中が髭も髪もぼうぼうに伸びてそのうち「猿の惑星」みたいになるとか、他愛のないものだけど、センスよく、軽く笑える。

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軽妙なスピード感と大爆笑で、毎回過激な笑いやハリウッドのコアな映画情報などを提供しているスクイジィは、毎回独自な路線で、アイディアにあふれていて、現在1600万人に支えられ、堂々フランスの1位に君臨している。一般人も巻き込んで悪戯をしたり、25歳の若い男女のカップルがパリを舞台に縦横無尽に騒いでいる。

2位のチプリアンは、おかしな3人組で、会社の会議室などで過激でスラプスティックなコントをして、若い層に人気らしい。

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いずれにしてもユーチューバーの上位にランキングされている人達は、みんなほとんど無名の人達ばかり。まだ日本のように子供たちが憧れる職業ではなさそうだ。

因みに子供達の憧れる職業は、フランスでは、1.パイロット、2.エンジニア、3.サイエンス関係、4.医者、看護婦、5.獣医 の順だという。

ゲームには夢中になるけど、映画にもテレビにも関心の薄れているフランスの子供達、このコロナ禍で外で遊ぶ機会も少なくなり、ますます機械に熱中するようになるとしたら、それはそれで気になる。

変異株のせいで、いつまで経っても先が見えないコロナの状況だけど、「ミスター・A」で知られるグラフィック・アーティストのアンドレ・サライヴァやモード写真家のマリオ・テスティーノから、コロナが一段落したらきみの新しい海辺の古民家に遊びにいくよ、とワッツアップがきた。いつのことになるやら。

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村上香住子

フランス文学翻訳の後、1985年に渡仏。20年間、本誌をはじめとする女性誌の特派員として取材、執筆。フランスで『Et puis après』(Actes Sud刊)が、日本では『パリ・スタイル 大人のパリガイド』(リトルモア刊)が好評発売中。食べ歩きがなによりも好き!

Instagram: @kasumiko.murakami 、Twitter:@kasumiko_muraka

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