猫ごころ 巴里ごころ

海辺のスローライフだけど、リュミエール ブルーには注意を。

「やっとカフェのテラスが今日からオープンになったよ」

パリ左岸プレ=オー=クレール通りにショップをもつ入江末男さんから、愛犬ピカソとテラスに座った写真が送られてきた。5月19日からパリも、美術館、映画館、商業施設が開き、ほっとしているようだ。

「ワクチンはどこで?」

「ロピタル・アメリカンだよ」

私がパリに暮らしていた頃から「セレブ御用達の病院」として知られていたところだ。

自分の選んだ場所でワクチンを受けられて羨ましい。昨秋に転居した鎌倉市では、小学校など指定の場所でワクチンを。それもまだ未定のままだけど。ともかくパリでは寄ると触ると話題はワクチンだというし、ファイザー社のはポイント高いらしい。

「夜コンビニの前を通ると、素通りするのに苦労するよ」
家に遊びにきた男の子がいう。

「どうして?」

「照明が明るすぎて、ブルーライトが強烈すぎるから夜はコンビニにはいかない」

海辺でぼんやり暮らしていたので、世の中のことに疎くなっているようだ。

「ブルーライトはとても身体に悪いんだよ。スマホやパソコンの放つ光線は、体内時計を狂わせてしまう。コロナだからリモートで仕事をしていると、不眠症になるのは当然なんだ」

そういえばフランスのオンライン雑誌でも、しきりに「バイオ・サイエンス」という言葉をみるし、「ラ・リュミエール・ブルー」も知っていたけど、それがコンビニの照明と繋がっているとは知らなかった。

「だから僕、家に帰ると電気を点けずにそのまま寝るようにしてる」

なんだかコロナ禍になってから、世の中色々な習慣が変化してきているようで、うっかりすると取り残されている。

「眠れなかったらCDBオイルがいいよ。ちょっと口に含むだけでいいし、肩が凝ったら塗ればいい」

名前は知っていたけど、使ったことはなかった。え、ブルーライトを遮断するメガネも、買うべきなの?

フランスでもますます健康ブームで野菜が持て囃されているし、カップに入った野菜のケーキやオイルも胡桃油、ブドウのオイル、アマニやCDBオイルなどが人気のようだ。

先日近所の湘南海浜駅近くのカフェで、モロヘイヤのわらび餅のカフェをみつけて、このところすっかり気に入っている。友人の別荘に遊びにきたような広々とした敷地の庭園を眺めながら、注文してから作り始める出来立てのわらび餅を黒蜜、きな粉、宇治アイスクリーム、小豆と食べる。「善乃園」という店は藤沢市片瀬4-12-17に。モロヘイヤの蕎麦もあるし、滋養豊かな甘味としてなんだか新鮮な食感。モロヘイヤは野菜の女王といわれていて、カルシウムやビタミンA、C、Eなど、ともかくアンチエイジングのためにも最高の野菜だし、再度見直されてブームになるかも?

スローライフをしていても、やはり今の時代バイオ・サイエンス情報には耳を傾けよう。

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村上香住子

フランス文学翻訳の後、1985年に渡仏。20年間、本誌をはじめとする女性誌の特派員として取材、執筆。フランスで『Et puis après』(Actes Sud刊)が、日本では『パリ・スタイル 大人のパリガイド』(リトルモア刊)が好評発売中。食べ歩きがなによりも好き!

Instagram: @kasumiko.murakami 、Twitter:@kasumiko_muraka

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