猫ごころ 巴里ごころ

セーヌの流れ沿いに、華やかなヌーヴォー・ホテル。

近い将来に、また海外旅行にいけるかもしれない、という希望が少し持てるようになってきた昨今、パリの新しい場所が気になる。

マレー地区に住む友人が、やっとマスクを外してもよくなったので、解放された気分になったし、それを堪能できるのは、4年間の工事を終えてやっとリニューアル・オープンしたカルナヴァレ歴史博物館の庭園のカフェテラスだという。

9月までの夏季期間限定だけど、マレ地区の16世紀の城館の中でも最も古い建物の庭園で、3人の女性シェフが始めたベジタリアンの食事をしていると、コロナの荒波に翻弄されてきた後だけに、とても癒されるそうだ。頼めばヴィーガンのメニューもあるというし、なかなか流行りの場所らしい。

ホテルも次々に話題のところがオープンするという。セーヌ沿いのデパートとしてお馴染みだったサマリテーヌの跡地に、LVMHグループが贅を極めたリュックスな「シュヴァル・ブラン・パリ」を完成させて、コロナ禍で遅れていたけど、9月7日にグランド・オープンするそうだ。建築家はピーター・マリノ、客室のベッドからは緩やかに流れるセーヌを眺められるようだし、なんだかロマンティック。

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ディオールの高級スパやグルメなレストランも期待できそう。 2023年には東京にもオープンするブルガリ ホテルも、一足先にパリ8区のブランドのメッカ、シャンゼリゼに近いジョルジュ・サンク街に開業している。

マリー・アントワネットの気分を味わいたい人には、ヴェルサイユ宮殿の中にホテルがオープンしているけど、ちょっと仰々しくて敷居が高いかもしれない。

フランス映画の有名プロデューサー、マラン・カルミッツが最近オープンさせた「ホテル・パラディゾ」は、シネフィルのためのホテル、3メートルのスクリーンが各室にあり、大概の映画は揃っていて、バスタブからもみれるというマニアックな映画館ホテル。

中心部からは離れているけど、パリ郊外バティニョルに「パリ ジャドール ホテル」という最新感覚のデザインと雰囲気を大切にしたところもできたという。違うアングルからパリをみてみるのも面白いかもしれない。

今すぐではなくとも、少し先の旅を計画すると心に余裕が持てる?

村上香住子

フランス文学翻訳の後、1985年に渡仏。20年間、本誌をはじめとする女性誌の特派員として取材、執筆。フランスで『Et puis après』(Actes Sud刊)が、日本では『パリ・スタイル 大人のパリガイド』(リトルモア刊)が好評発売中。食べ歩きがなによりも好き!

Instagram: @kasumiko.murakami 、Twitter:@kasumiko_muraka

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