猫ごころ 巴里ごころ

オフ-ホワイトのショップ、カステグリオーヌ通りに初出店。

これまでポップアップやギャラリー・ラファイエットのコーナーでは販売していても、ヴァージル・アブローの「オフ-ホワイト」はパリでは常設店で買うことはできなかった。最近ホテル・リッツや高級宝飾店の並ぶヴァンドーム広場に近い、カステグリオーヌ通りに「オフ-ホワイト」の初オンリーショップがオープンして、この秋からパリのショッピング街を一段と賑わせそうだ。住所はカステグリオーヌ通り四番地。

すでに「オフ-ホワイト」の次世代も生まれていて、それが日本でも知られ始めている「ア・コールド・ウォール」ヴァージル・アブローの右腕としてアシスタントをしていたサミュエル・ロスが、2015年に英国で立ち上げたブランドだという。「オフ-ホワイト」のサクセスストーリーを脇で見ていたので、おそらくその後を追いかけるのは時間の問題と思われている。もともとグラフィック アートから入ってきて、モードを手がけるようになったので、ファッション一筋できた人たちとは少し異なるようで、インスピレーションを受けるのも、ジェームズ・ダレル、荒川修作、クリスト、といった具合に縦横無尽なクロス・カルチャーの感性を持っている。

---fadeinpager---

スタイルとしては、ストリート・ラグジュアリーの感覚らしく、カジュアルだけではやがて終わりを迎えることをすでに見据えて、常に先を予見しながら、モード界に革新を起こし、ブランド経営は「オフ-ホワイト」をお手本に、となかなか知的戦略のようだ。

 

 

今もっとも関心があるのは、薄手のビニール素材、半透明のものがいいという。2022年の「ア・コールド・ウォール」リゾートコレクションも、未来のストリート感に溢れて好評だったというし、着々とブランドの存在感を高めている。

それにしてもなかなかデルタ株の脅威が止まない日本、いつになったら海外を安心して旅ができるようになるのだろうか。家にばかりいるのでつい「コロナ太り」をしてしまい、出るのはため息ばかり。

村上香住子

フランス文学翻訳の後、1985年に渡仏。20年間、本誌をはじめとする女性誌の特派員として取材、執筆。フランスで『Et puis après』(Actes Sud刊)が、日本では『パリ・スタイル 大人のパリガイド』(リトルモア刊)が好評発売中。食べ歩きがなによりも好き!

Instagram: @kasumiko.murakami 、Twitter:@kasumiko_muraka

ARCHIVE

MONTHLY

フィガロワインクラブ
Business with Attitude
キーワード別、2024年春夏ストリートスナップまとめ。
連載-パリジェンヌファイル

BRAND SPECIAL

Ranking

Find More Stories