猫ごころ 巴里ごころ

トリュフからニック・ケイヴまで、新たなアングルでものをみる。

コペンハーゲンかヴェネツィアでクリスマスや新年を過ごすのが、時代の傾向だとパリのデザイン系の友人はいう。少し前はNYだったけど、やはりコロナ禍のせいらしい。ヨーロッパだって、危険度は大して変わらないけど。

コペンハーゲンは新進気鋭のデザイナーたちも多く、アート関係の人たちが注目しているようだ。このところパリを離れる人は後を絶たない。パリのアパルトマンを手放して、ヴェネツィアとコペンハーゲン、二都市に拠点を移したアートディレクターもいる。
それに北欧なら、ホワイトクリスマスも期待できるだろう。

クリスマスといえばトリュフ、動物愛護の人たちは抗議しているけど、トリュフ入りチョコレートやトリュフ添えのホロホロ鳥料理とか、クリスマスの伝統だしなかなか止めるのは難しいようだ。今年は燃料高騰のため、一段と高級品になってしまい、黒トリュフでも、キロ500から1,000ユーロ、白トリュフは5,000から7,000ユーロだというから驚く。

トリュフは相変わらず豚が見つけているのかと思ったら、今は犬の方が多いという。豚は見つけると自分が食べようと大騒ぎするが、犬は見つけてもクールに大人しいので、罪悪感が少ないらしい。

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新しい年には期待を持ちたい。2022年1月29日からはサンローランの1回目のデフィレから60年ということで、ルーヴル美術館、現代美術館、ピカソ美術館など6ヵ所で、新たな「サンローラン展」が開幕するというし、「アルベール・エルバス展」は3月5日から7月10日までガルニエで開催だという。

来年はコロナ時代も、いよいよ3年目に突入するけど、なかなか先が見えてこない。そんな中でふと目についた、常に新しい世界を見せてくれるミュージシャン、ニック・ケイヴの言葉が好きだ。

「これまでは自分で車を運転していたが、今は後部座席から全体の景色を見ながら進んでいるよ」

 

そう、自分ひとりの意志ではどうにもならない、ということを痛感する日々だけど、新たなアングルから見直してみたら、何かいいことが?

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クリスマスの写真はソフィー・ドゥ・タイヤックの海辺の別荘の手作りクリスマスの飾りです。

村上香住子

フランス文学翻訳の後、1985年に渡仏。20年間、本誌をはじめとする女性誌の特派員として取材、執筆。フランスで『Et puis après』(Actes Sud刊)が、日本では『パリ・スタイル 大人のパリガイド』(リトルモア刊)が好評発売中。食べ歩きがなによりも好き!

Instagram: @kasumiko.murakami 、Twitter:@kasumiko_muraka

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